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22話 アクシデント

 「それで、どんなスキルを手に入れたんだ?」


 「よくぞ聞いてくれました! スキルの名前は花創作、効果は花を利用してこんなふうに物を作れます!」


 「なるほど、楽しそうなスキルだな。でもそんな花どこに持ってたんだ?」 


 俺はまじまじとビルデの服を見る。花というより繊維を利用した部分が多そうだがそこはツッコまないでおいた。


 「ふふ、実はこれ一つにつき一本だけでいいんですよ。ほら、どこも一個しか花咲いてないじゃないですか」


 ビルデはそう言って服についている花を指差す。たしかにどの部分も花は一個だ。


 「低コストなのね。それに戦闘でも結構優秀でしょ」


 「はい! マグリスさん、試しに私のことを殴ってみてください!」


 ビルデは突然俺に暴力を要求してきた。

冗談じゃない、そんなのできるわけがない。


 「いや、嫌だよ!」


 「いいから早く!」


 ビルデは俺の言葉を無視してかしてくる。俺は覚悟を決め、軽くビルデにパンチを繰り出した。


 「おりゃ!」 


 しかし、俺のパンチはビルデに当たる前に見えない壁に阻まれた。俺はもう一回パンチをするが、やはり当たらない。


 「ふっふっふ、バリアがあるから効きません!」


 「おぉー、凄いな! これなら敵の攻撃に被弾しても平気だな!」

 

 俺は笑顔でビルデにパチパチと拍手を送る。ビルデはドヤ顔をして胸を張っていた。


 「ところでこれ、花どうなってるんだ?」


 「あ、やめ――」


 俺はビルデに近づくと、彼女の服の花を取った。すると彼女の服が一瞬にして消滅し、彼女の上の下着が露わになった。


 「へ?」


 「マ、マグリスさんの――バカー!」

 

  俺はビルデの強烈なビンタを食らい吹っ飛ぶ。その間にビルデは宿屋へと逃げ出していってしまった。


 「うん、これはお互い災難だったわね。ぶっちゃけビルデが何か言ってる時点で止めたほうがよかったとは思うけど」


 「だよなぁ。あー、謝りに行かないと」


 俺は頭を抱える。事情はどうであれ、ビルデには悪いことをしてしまった。


 俺はビルデのことを家族のように思っている。だから下着を見たところで何とも思わないが、彼女の方はそうもいかないだろう。


 俺が宿屋の部屋に戻ると、ビルデは気まずそうに俺のことを見ていた。


 「……おかえりなさい」


 「ただいま、さっきは本当にごめんな」


 俺は部屋に入るや否やのタイミングでビルデに頭を下げた。


 「いいですよ。私の方こそごめんなさい、理不尽にマグリスさんに暴力をふるってしまいました」


 ビルデは顔を赤くして、もじもじしながらうつむいた。そして俺に近づくと、一つの花を差し出してきた。

 

 「お詫びです、受け取ってください」


 「お詫びって……謝るのはこっちの方だろ」


 俺はそう言いつつも素直に花を受け取る。ビルデには後で美味しそうなものを渡そう。  


 「これは……ペチュニアか」


 「よく知ってますね。綺麗でしょう?」


 「ああ。ありがとう」


 俺はそれをそっとリュックの横につけておいた。

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