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17話 新たな仲間

 こうして悪党の組織を壊滅させた俺達は、その後ギルドの職員に保護され、治癒魔法をかけられた後ベッドに寝かされた。


 「あー、やっぱりバフ全部乗せは駄目だな。反動がデカすぎる」


 俺は疲労でほぼ全く動けず、ベッドで大人しくするしかなかった。


 「私のせいで無茶させてごめんなさい。リンゴ食べますか?」


 その隣ではビルデが椅子に座っている。さすが悪魔というべきか、三時間程度で既に全快していた。


 「ああ、食べさせてくれ。それで、説教の話なんだが――」


 俺が説教というワードを口に出した瞬間、ビルデの肩がブルっと震えた。


 「反省しているみたいだし、軽く一言だけで済ます。今回の件で俺が怒ってるのは、俺に無断で作戦を実行したことだ」


 「はい……その、言ったら止められちゃうかなと思って言わなかったんです」


 「だろうな。ちなみに言ってたら多分俺は止めてる。だから次やるときは書き置きを残しとけ」


 俺はそう言ってビルデからリンゴを受け取る。リンゴは甘く、シャキシャキとした感触がして美味しかった。

 

 「え? つ、次?」


 「正直、俺はお前の勇気自体は尊敬してる。俺は臆病だからな、俺は決断を渋る傾向があるのは事実だ」


 俺はビルデを真剣な目で見つめる。今回の一件も、ビルデがあの作戦を実行しなければ間に合わなかったかもしれない。


 「あー、まあつまりよっぽどリスクが高くなきゃ見逃すってことだ。ただ、ちゃんと連絡はしてくれ」


 「……ありがとうございます!」


 ビルデは俺に頭を下げる。俺はそれを手で止めると、彼女の口にリンゴを突っ込む。


 「今回は凄く助かった。ありがとな」


 俺はビルデに礼を言う。ビルデは嬉しそうに頷いた。


 ――ガチャッ!


 俺達が二人で話しているところにドアが開き、フェイが中に入ってきた。


 「今回は本当にありがとう。わざわざクエスト依頼の範囲外まで助けてくれて」


 「あ、フェイさん! この前はぶつかっちゃってごめんなさい!」


 ビルデは俺から離れ、フェイのところへ走っていく。


 「あー、あんなの気にしなくていいのに。それよりこれ、黙って受け取って」


 フェイはそう言って何かをビルデに手渡す。するとみるみるうちにビルデの顔色が変わっていった。


 「こ、こんなの受け取れません!」


 俺はビルデの手元を見ると、そこには大量の金貨が入った袋があった。


 「やっぱり駄目? いや、口封じも兼ねてたんだけど」


 「口封じって……なんのことですか?」


 ビルデは困惑した表情でフェイのことを見る。どうやらよく分かってないらしい。


 「うーん、あんたらならいいか。あたしはね、ドラゴンなんだよ」


 ドラゴン。伝説でしか聞いたことのない、俺にとっては空想の存在。それが今、ここにいるとフェイは言った。


 「あたしは今五百二十三歳なんだけどね、まー暇なんだよ。だからたまにこうして人に化けて人里に遊びに行くんだよ」


 「……本当に竜ならなぜ怪我をしたり捕まったりするんだ? 今回の件もすぐ解決できたろ」


 俺は疑いの眼差しでフェイを見る。この人は何か嘘をついてるのではないだろうか。


 「そりゃ自分にデバフ魔法かけてるからね。悪党に捕まる気はなかったんだけど、デバフ魔法解除できなくなっちゃって」  

 ……もし本当なら相当ドジだな。


 「フェイさんの言ってることは本当ですよ。今超解析を使いましたが、たしかに彼女はドラゴンです」


 横からビルデが口を挟む。きっとフェイが正体を明かしたのも、ビルデがそういうスキル持ちだと気づいたからだろう。

 

 そしてたった今フェイがとんでもないドジだということも判明した。 


 「さて、解説は以上だよ。金は腐るほどあるから持ってきなよ」


 フェイは強引に俺達にお金を押し付けようとしてくる。ビルデは首を横に振り、受け取ろうとしない。


 「お金はいりません。代わりに、一ヶ月でもいいので一緒に旅をしてくれませんか? あなたも私の正体には気づいているのでしょう?」


 「ああ、気づいているよ。悪魔でしょ? 暇だしいくらでも旅していいけど、お互いに正体を他人にバラすのはなしね」


 「あ、ありがとうございます!」


 ビルデはフェイに頭を下げる。そして俺の方を見て俺の了承を確認する。


 「俺からもよろしくお願いします、フェイさん」


 「敬語はやめて、フェイでいいよ。ドラゴンの年齢換算だとあんたとそんな年齢変わんないから」


 「そ、そうか。まあとにかくよろしくな!」

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