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11話 消失

 歩き始めてから一時間後。俺達は負傷者のいるはずの洞窟に来ていた。


 「さて、この辺にいるはずなんだがな。どこにいるのか分からないな」


 「そうですね……私の目でも人の姿は見当たりません。もしかして先に避難したのでは?」


 ビルデは洞窟の中を見回す。恐らく超解析を使っているのだろう。首を傾げながら何やらブツブツ呟いている。


 俺は洞窟の周辺に血の跡などがないか探すが、少しも見当たらなかった。本当に彼女はここにいたのだろうか?


 「そうだとしたらとてつもなく迷惑な奴だな。でもそもそもいた形跡すら見られいんだよな」


 「いえ、痕跡はあります。ここにフェイさんの血が拭われた跡があります」


 ビルデはそう言って洞窟の奥の一点を指差す。俺はそこを覗き込んでみたが、全く分からなかった。


 「肉眼では見えませんよ。超解析を使ってみてください。目に力を込めるんです」   

 ビルデに言われ、俺は超解析を使用する。


 すると脳に一気に情報が流れ、俺は気持ち悪くなってしまった。だが、たしかに血があったことは確認できた。


 「大丈夫ですか? 顔色悪いですよ」

 

 「いや駄目だな。俺はこのスキル使用するのやめとくわ」


 これは俺の使っていいスキルじゃない。悪魔である彼女だからこそ使えるスキルだ。


 「そ、そうですか。とにかく、形跡自体は残ってるんです。なのにどうして……」 

 「その形跡も怪しいよな。わざわざ血を拭く必要あるのか? しかもこんな入念に」


 俺は洞窟の岩に手を触れる。人の温もりは残っていないようだ。つまり彼女は大分前にここからいなくなっている可能性が高い。


 「まあまずないでしょうね。だからマグリスさんは他者の介入があったと予想しているんですね?」

 

 「ああ。丁度きな臭そうな注意書きが貼ってあったろ。ほら、行方不明者多発ってさ」


 「そういえばありましたね。たしかにそれと繋げるのは自然な気がします」


 ビルデは少しの間考える仕草をする。何か気になることがあるのだろうか。


 その後、彼女はまたしても辺りを見回していた。なんだか楽しんでいるように見えるのは俺の気のせいだろうか。先程より笑顔に見える。


 「あ、よく見たらそれっぽい足跡ありますね。これを辿って行けば犯人の元へ行けますよ!」


 「そうかもな。でもまだ行くなよ?」  


 俺は予めビルデに釘を刺す。こうでも言わないと絶対に追っていくだろう。


 「え、駄目なんですか?」


 ビルデはきょとんとする。やはり行く気満々だったようだ。


 「駄目じゃない。ただ、影泳を使ってから行こう」


 「あぁ、たしかにその方がいいですね。直接行くことしか頭になかったです」


 ビルデは納得したような表情をする。そしてスキルを発動し、地面に潜った。


 「それじゃ早速行きましょう! 善は急げです!」


 「応!」


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