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俺、異世界に行っちゃった!

俺はどこにでもいる高校生、田中海斗たなかかいとだ。片目を隠した漆黒の髪、ムキムキマッチョな体系の持ち主だ。ちなみに顔は・・・聞かないでくれ。

まあ、百聞は一見に如かずということで、俺の一日を紹介させてもらう。

まず、朝6時に起床。そして朝ごはんを食べ、学校の支度をする。あー、行きたくねーなー。異世界転生でもしねーかなー。あいつらうぜーなー。的なことを考えながら制服に着替えた後、画面にいる嫁にキスをして、出発。基本電車通学なので、痴漢を撃退する妄想をしながら優先席にすわる。

学校に着くのは比較的遅い時間帯だ。猿共がしゃべり合っている。そんな時、俺は窓の外を見て頬杖をつく。ここまでがテンプレ。

当然、俺に話しかけてくれる人はいない。入学初日からぼっち貫いてんだよ。そこら辺のチー牛とは格が違う。まあ、俺のアイデンティティーといったらそのぐらいである。そして、クラスに悪い奴が現れた時の妄想をし、ホームルームを迎える。その時間は最近はやりのソシャゲをし、先生の話は聞かない。

あれ、やばい、教科書忘れた。隣の男子に見せてもらおう・・・。大丈夫、俺ならできる・・・

「アッ・・・アノ・・・・」

「どうしたの?」

「エト・・・キ、キョ・・・」

「ああ、教科書ね。いいよ。」

「アリガ・・・ザイマ・・・」

気まずい。死にたい。そんなこんなで、授業の内容は全く耳に入ってこなかった。よし、今日も早退しよう。体調不良を訴えて、事前にホッカイロで温めておいた腋に体温計を当てる。すると、簡単に7度台が出せるんだ。この時にあらかじめ平熱を低めに設定しておくとあまり熱が出なかったときに効果的だ。さて、帰ってアニメでも見よう。今季は正直不作だったからアレを見よう。割と最近放送されたものなんだけど、ラノベが原作なんだよなー。原作二巻が発売された辺りから知ったんだが、はっきり言ってこれは神だな。うん。

・・・ん!?

俺、赤信号を渡ってるんだが!?考え事してたからか!?いやー、集中力があるってこういうデメリットもあるんだよなー。ちょっと待て!?俺の横でトラックが走っていやがる!!死ぬのは嫌だーー!でも異世界転生したいよー!!当然俺は逃げた。でも、時すでにお寿司。

気付いたら女神さまが俺の目の前に・・・!!なんてことはなく、俺は普通に栄えていそうな中世ヨーロッパに現代日本を足して二で割ったような街にいた。

「いてて・・・ん、ここは・・・もしかして俺、異世界転生したの!?やったー!やったやったー!!ゲホッゲホッ・・・」

久しぶりにこんな声出したなー。むせちゃったよ。さーて、チート能力が何個も並んでるんだよなー。カンストした全ステータス。無数のスキル、最強の装備、顔面補正!これで俺は天下無敵、唯我独尊!

「ステータス★オープン!!」

・・・しーん。

周りが一斉に俺の方を見る。やだっはずかし。そしてステータスバーは開かなかった。ならこれはどうだ!「開け★ゴマ!!」

・・・しーん。ああもう何故だ!!これじゃ俺のステータス見れないじゃん!!もういいや。それっぽいコマンドとか思いつかないし。てかステータス不明なのもまた強そうじゃね!?管理者権限とかで俺だけ開けなくて、いざという時に開放されて俺が世界を救うんだ!

「ふんふんふふーん♪」

俺、イケメンになったんだから鼻歌とか歌っても笑われないもんね~。さすが俺、超イケメン!

・・・と、思っていた。そう、トイレに行きたくなるまでは。

お、こんな所に公衆便所じゃーん!一応トイレは現代日本と同じ構造してんだな。俺得過ぎね?魔王倒したらこのトイレ買収しよっかなー。早速、うん〇をしよう。ちょっとお腹痛いんだ。あー、イケメンでもブサメンでもう〇こは同じなんだなー。てっきりイケメンの〇んこは純金製なのかと思ってたけど。ちなみに、俺が異世界に行って性転換してたということは無かった。ちゃんとちん〇はついてた。小っちゃいなー。ち〇こが小さいイケメンもいるんだなー。

洗面台には鏡もあるんだ。意外と進んでんなー。でもこれからは俺がソシャゲとか広めて、オタク文化をこの世界に根付かせるんだ!うおっしゃあ!燃えてきたぜ!

ん、あれ?俺、顔可愛くね?〇んこはついてんのに・・・心なしか身長も小さくなっている気がする。もしかして、俺ショタになっちゃった系!?マジで俺可愛いな。イケメンだと勘違いした奴はどこのどいつだよ。やっぱ顔面って補正かかるものなんだなー。あー、俺可愛い。俺こそが俺の嫁。女装に目覚めそうだわ。イメージカラーはピンク、水色辺り?あー、想像しただけで最高だわ。俺マジで可愛い。マッチョなのは置いといて。

さて、今日はどこで寝よう。財布には1000円が入ってるんだよね。まあそこらへんの宿屋っぽい所に泊めてもらおうか。緊張するけど、俺は可愛いから大丈夫だ!!いける!頑張れ、俺。早速ドアをノックする。

「はーい。いらっしゃい。新鮮な肉だよー!」

「あっあの、泊りに・・・きました・・・」

よし、ちょっとうまく喋れた。

「うん?何を言ってるんだい、うちは肉屋だよ。宿屋ならあっちだからね!気を付けて!」

「アッ・・・ドモ・・・」

お店間違えちゃった・・・。でも、今度こそは宿屋を目指すもんね!

「はーい、宿泊者の方ですねー。見ない顔なんで部屋案内しまーす。」

「へッ!?」

「泊りに来たんでしょ?この部屋、一泊6000円だけどどうかな?最安値だよ。」

「アッ、遠慮しときます・・・」

「ちぇっ。いいよ。あっち行って。」

「アッアッ・・・」

宿屋って高いんだ・・・。部屋の汚さのわりに高い。これじゃぼったくりだ。これじゃあ野宿だよ・・・。可愛い俺を引き取ってくれる爆乳のお姉さんいないかな・・・。ありったけの母性で甘やかしてくれるお姉さん・・・。耳かきして欲しい。

とりあえず、お金稼ごうっと。どうやって稼ごう。やっぱり王都に行って、王族を助ければお金いっぱいもらえるかなー。んー、そしたら町の人に王都の場所を聞くことになるのかー・・・。でもやるしかない!

「あの・・・。」

「どうしたの?」

「王都・・・知りませんか・・・?」

「行きたいの?」

「あ・・・はい・・・」

「お姉さんが案内してあげる!ついてきて!割とすぐだからね。」

「アリガトウゴザイマス・・・」

お姉さんは足がとても速く、俺でもついていくのが精いっぱいだった。結構脚速い方だったのに・・・。

すぐといっても、いつの間にか夜になっていた。それでもお姉さんは走りを止めない。

「はあ、はあ・・・」

俺はお腹すいたけど、王都にいけば美味しいものが沢山ありそうだから、我慢我慢。

ド深夜に俺たちは王都に着いた。

「着いたよ。で、何したいの?観光?」

「とりあえず、寝たいです・・・」

「そっかそっか、疲れちゃったか。お姉さんが奢ってあげるから、一緒の宿で泊りましょ。」

「いいんですか・・・?」

「ええ。」

王都の宿はとてもきれいで、住み心地はとても良かった。ちなみに、お姉さんとイチャイチャすることは無かった。悲しいなー。でも元の俺だったら無視されて終わりな気もしていたし、やっぱり可愛いは正義だな!金稼いだら俺にピッタリな可愛い服でも選ぼうかなー。

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