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57 続 酒は飲んでも飲まれるな

56と57狭間のおはなしは番外編R18になりますが、読まなくてもつながります。

まだそんなにえろくないです\_(・ω・`)コレ重要!

「お、おはようシオン」


 ああ、今日も朝から微笑みが眩しすぎる……どうしてこんなにキラキラなの?わたし面食いだったのかシオンの顔はすごく好みだったりするけど、心臓がとても持ちそうにないので一生のお付き合いは遠慮したい。だって今度は長生きしたいもん。


「おはようレイン」


 それになんかシオン相手にすごくエッチな夢を見てしまったから顔をあわせるのが気まずい。……もの凄く気まずい。わたし欲求不満なの?!あんな夢を見てしまってごめんなさいとシオンに心の中で全力で謝っておく。


「って、シオンっ!どうしたのそれ?!」


「……それ、は」


 シオンは珍しく視線を彷徨わせ何かを考え込む。

 わたしもよくよく考えてみると、シオンのお酒の何杯目かを一口貰ったあたりから靄がかかったように何も覚えていない。強いお酒ならそう言ってくれれば良いのに、それまでシオンが頼んでいたお酒がジュースみたいなのばっかりだったから、これはダメって言った琥珀色の液体が凄く美味しそうにみえたんだよね。冷静に考えれば分かりそうなんだけど……あの時のわたしの思考回路はきっとショートしていた。


「すごい青あざなってるよ?どこかにぶつけたのかな?」


「ああ、痛いと思ったら」


 額というかサラサラの髪の生え際にそっと触れると血はとまってそうだけど、周りは青あざになっているし、折角のイケメンが……台無しにはなってないから不思議だ。これはこれで庇護欲をそそる。


「あ、もしかしてシオンも飲みすぎて記憶が無いとか?」


「そう、かも」


「なんかシオンっぽくないね?痛いの痛いのとんでけ~」


 すごく痛そうだし、見ててもわたしも痛くなるというかイケメンの痛々しい姿はやっぱり目に悪いからヒールで治しておく。ついでにクリーンをかけて傷を確認。うん、綺麗に治ってる良かった。


「レイン、キスしても良い?」


「そんなの……聞かないでっ」


 ああ、わたしはなんで素直になれないんだろう。……シオンのキスは嫌いじゃない……というか、好き。

 お酒なんて飲み過ぎたからかすごい夢まで見ちゃうし、あんな夢を見ちゃうなんてわたし一体どうしたんだろう……。


「じゃあ明日からは聞かないでする」


「……んっ……ぅ……」


 欲求不満すぎて無意識にイケメンを襲わないようにしないと、お嫁にいけないんじゃなくて、責任をとってお嫁に行かないといけなくなる。どうせならわたしに釣り合う普通の人とささやかな恋をして平穏無事に暮らしたい。ドキドキし過ぎで死にたくはない。死因がイケメンとか笑えないもん。

 そして心にあの名言を刻み込む。


 酒は飲んでも飲まれるな……



***



「お前ら飲む時は節度を持たねぇと、酔っ払って夜中に騒ぐとか少しは人の迷惑を考えやがれ!」


 わたしとシオンは起きてすぐにウィルに飲み過ぎについて怒られている。

 ……わたしは分かるけどシオンの方がこっぴどくウィルに叱られているのはすごく珍しいし、シュンとヘコんでるシオンはなんか可愛い。おっと、にまにましてるとウィルに怒られる。


「ウィルごめんね?わたしもシオンも記憶が無いから何を騒いでいたのか分からないけど……次からは飲み過ぎには気をつけるね」


「へぇ……そうか、そうですか」


「ウィル……すまない」


「(まず、ああいう時は結界を張ろうな?で、記憶が無いってほんとか?)」


「(本当に記憶が無かったら途中で思いとどまったりしていない……)」


「(あんまり悪戯が過ぎるようなら)お前の昨日の酒癖レインにバラすぞ」


 なんか二人でずっとヒソヒソ言ってるけど、シオンの酒癖をわたしにバラすとか言ってるのは聞こえた。


「それなら知ってるよ」


「ちょ、ちょっ待てレイン」


「……覚えてるの?」


 二人して何を慌ててるんだろう?だってあんなに間近で見たら覚えてるでしょ、普通。


「えっ、朝起きたら青あざ痛そうだったもんね。平行感覚なくなってどっかにぶつけたとかかな?シオンでもそんな事あるんだね。ウィルがヒール使えたら治してもらえたのに一晩そのままじゃかなり痛かったでしょ」


「レイン、ごめん」


 なんでかシオンが謝ってくる。シオンでエッチな夢を見てごめんなさいって謝らなきゃいけないのはわたしなのに……でもそんなの絶対言えないよ。あんな顔であんな事させてわたしなんかに可愛いとか言わせてごめんなさい……てかわたしの想像力凄すぎっ!


「わたしも、あの、ごめんなさい」


 とりあえず便乗してわたしも謝っておこう。


「……これ、やっぱ真実を伝えねぇと」


「ウィル、絶対ダメ」


「どうすっかな~……って冗談だって!シオンっ?!」


「???」


 ウィルはさっきまで怒ってたけど途中から笑いを堪えたりシオンを揶揄(からか)いはじめたし、シオンは謝ったり慌ててたのが途中から揶揄(からか)いはじめたウィルに今はなんでか怒ってる。

 うん、いつも通り……なんだかんだ言って二人は今日もとっても仲良しだ。





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