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43 ギルドへの報告

「これ面白いな~」


「結構簡単だった」


 なんでこの二人こんなに簡単に運転できてるの?わたしなんて教習所に通って試験受けて免許取ったのに……見ただけで運転出来るようになるなんてズルイ。ハイスペックなイケメンとかズルイ。道路交通法とか無いけど運転席のウィルが言われた通りシートベルト締めてるのは可愛いけど。


「……わたしだって運転できるもん」


「ウィルが魔導馬車を走らせているから俺はこうやってレインとお茶が出来る」


 ちょっと距離が近いしそれに雰囲気がとてつもなく甘い。今朝起きたら目の前に寝起きには眩しすぎるイケメンの微笑みどアップで、しかもおはようって言いながらキスなんてするから飛び起きちゃったし、今もシオンに対してどんな顔したら良いのか分からない。……昨日と違って今朝は触れるだけのヤツ一回だったのが救いでした。でもこのままだとこれが日課になりそうでそれも怖い。


「レインちゃん、シオンさん、この魔導馬車はどこに向かっているんですか?」


「コバルトの街だよ。今そこに住んでいるから」


 コバルトの街では兄妹って事になっているのに——実際は兄妹だって匂わせてるだけで明言はして無いけど兄弟か兄妹かなんて言葉だけじゃ分からない——こんなにべったりでどうする気なんだろ?ウィルとシオンは似てないけど本当に従兄弟らしいけどそっちを兄弟で通すのかな……?


「もうすぐコバルトの街が見えるからそろそろ降りるか?」


「ああ、魔導馬車は目立つからな」


 コバルトの城壁が見えたか見えないかのあたりでウィルが声を掛けてきたから馬車を降りるとそこから門を目指して徒歩で向かう。


「エリンちゃん入場証はある?」


「アイテムボックスに入ってます」


 エリンちゃんのギルドカードはちゃんとアイテムボックスにあったみたい。ギルドカードの通行証にコバルトの街も入っているみたいですんなり通れそうだ。


「そっか、入場料は大丈夫?」


「あのなレイン、俺たちは偶然助けただけだし代わりに払ったりとか出来ねぇし……それに「確かに。同行するのは街まで」」


 わたしの時はまとめてシオンが払ってくれたけど、エリンちゃんにはそこまで出来ないと言うウィルの言葉に被せて、シオンが同行するのは街までだときっぱり告げた。でも入場料って百円とか二百円なのに……出会った全ての人の分を払うとかそんな事は出来ないけどなんとなくそれを冷たく感じてしまう。

 確かにわたしの時は街でポーションとかのお礼がしたいと言われて同行する事になったし、エルのお願いで街での暮らしを教えてくれるってなって暫く一緒に暮らす事になったけど……でも二人共こんな雰囲気じゃなかったと思う。


「アイテムボックスに少しならあるので大丈夫です」


「そっか、良かった」


 ウィルもシオンも一体どうしたんだろう?門でギルドカードをかざして各々入場料の小銀貨一枚を払うと真っ直ぐギルドに向かう。


「オークの群れを相当数討伐したのでギルドマスターに話がある」


 受付でシオンがオークの群れというか集落の話をすると(にわか)にギルド内が騒がしくなった。今日の受付は人が少なかった端っこに並んだからアイラさんじゃないのがちょっと残念……なんて思っていると、すぐさまギルドマスターの部屋に通された。


「で、オークの群れを倒したって、まだ相当数いそうか?」


「俺とウィルとレインでエレノワールの森にあった群れというか集落を一つ潰した」


「はぁ?!」


 うん、驚くの分かる。わたしは見た感じ戦力外っぽいし、普通二人で倒せないよあんな大量の魔物の群れ。


「個体的にはオークロードが最上位種だったぜ。レインのアイテムボックスに群れ全部入れてきてるから倉庫で出しても大丈夫か?ロードとジェネラル半分の肉以外は買取よろしくな!」


「いやいやいや、そんなに入るアイテムボックスなんて聞いた事ねぇぞ」


「それから、オークに捕まっていた子供を連れてきているから身の振り方を任せたい」


「おい、そりゃオークに捕まってた時点でもうまともじゃねぇから身の振り方とか言われてもな」


「レインが魔法でオークに攫われた頃まで戻したが、それで死にかけたからその魔法は二度と使えないし使わせない」


 あっ、今シオン使わせないって言い切ったよ。確かにどのくらい魔力を使うのか分からないしエルにも禁止されたから今は使えないけど、もっとレベルがあがって魔力が多くなれば……でもシオンがわたしを抱えて泣きそうな顔してたから今はちゃんと言うことを聞いておこう。


「ちょ、ちょい待て!そっちのポーションのお嬢ちゃんか?でこっちのお嬢ちゃんが」


「は、はい。エリンと言います。荷馬車が襲われて……」


「じゃ、あと場所教えるから跡地の確認はそっちでしてくれよ。まぁ俺が粗方燃やしてきたけどな!」


 ウィルとシオンは好き勝手言ってるし、何気にギルドマスターって大変そう。この後ギルドマスターも立ち会ってオークを倉庫の方で出す事になった。

 ウィルはオークロードとオークジェネラル三匹分のお肉は買取に出さないって全部食べる気なのかな?上位種になればなるほどオークも大きいからすごい量になるんだけど……普通のオークでお肉が何百キロなんだから、オークジェネラルとオークロードのお肉だけでキロじゃなくトンだよ、トン。






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