論文を書き上げろ
「…あぁ、くっそ!疲れた!」
椅子に勢い良く座って、ぐでっ、ともたれ掛かる。
前に論文を提出して来たところだ。
「はぁぁぁ!?サキアちゃん終わったの!?!?」
「終わって悪いか睡眠野郎!寝てるのが悪いんだ!」
後ろを振り返って来たチェイスにそのまま事実を言い渡す。
「くっ…何も言い返せない…!」
「ざまぁみやがれ!!!」
やはり事実は事実。
何も言い返せないらしい。
ざまぁwww
「…サキアちゃん、ちょっといい?」
「どーしたの?」
あっくんに話しかけられ、そっちに椅子をズラして手元を覗き込む。
「あのさ、ここ_」
「対応の差ぁ!」
「あっくんの声が聞こえない黙れ睡眠」
「ひっどマジひっど!」
チェイスを無視しつつ、苦笑しているあっくんに続きを促す。
「ここの繋げ方なんだけど、この後どんなこと書いたらいい?」
「んー…この話の流れから言えば_」
「ねーサキアちゃん私の書いてぇ」
「うっせぇ彼氏の元にでも行ってろ」
そううるさい睡眠野郎に言うと、酷いなどとのたうち回りながらきっくんの元へ向かった。
さぁ、これであっくんに集中出来る_
「分かんないこれ!」
「サキアちゃんー、助けてぇー!」
「…コノメとリコードは2人で頑張ってどうぞ」
これで今度こそ集中出来る_
「ねーねーサキアちゃんー」
「もーめんどくさいサキアちゃん書いてー」
「…今あっくんいるから」
サクレアとビアに笑顔で告げると、2人は表情を硬直させて戻っていった。
いやぁ、手荒な真似しなくて済んだなぁ。
良かった良かった。
「ごめんねあっくん」
「ん?あぁ、別に」
あそこのカップル感覚がおかしい_
そんな誰かの呟きは、聞こえなかったことにしよう。




