気付き
「くっそ…なんで前の席がテメェなんだよ…」
「えぇーひっどぉいn(ガンッうわぁちょ!?やめて!?」
ムカついたのでチェイスの椅子を蹴りつけた。
頬杖をついてため息を漏らすと、ドアがまたもや轟音を放ちながら開いた。
壊れねぇのあれ。
そして廊下から誰かが入ってきた。
「_あ、ゆーさん!おはよ!」
「キャーサキアちゃんからのおはよかわいい!マイエンジェル!」
こんなことを言いながら私の斜め前の席…つまりド真ん中の席に荷物を下ろす彼女は、守護神もといユーピアナ。
ゆーさん、と呼ばれている。
私を大変愛でてくれるお方だ。
ちなみに私達の中で唯一と言える防御型の神だ。
そのせいもあるのか、私達よりもひと回りほど小さい。
「おはよーございまぁす!」
ゆーさんに遅れること何秒か。
またまた人が入ってきた。
彼女は味覚破壊神もといアノローレ。
アノンと呼ばれている。
正直頭イってるヤツ。
「はいアノン遅刻ーw」
きっくんが意地悪く笑うと、アノンは彼の後ろの席につきながら、まだ先生来てないからセーフ!などとほざいている。
これで、3年地組の全員が揃った。
10人という、下界の田舎の学校程の人数だが、お陰様でわーきゃー楽しくやっていっている。
担任が教室に入ってきて、教壇に立った。
「きりーつ」
きっくんの号令で皆が立ち上がり、
「れーい」
「「「「「おはようございまーす」」」」」
皆で礼をする。
そして担任が返したのを目処に、着席も待たずに座る。
まぁきっくんも着席の号令をする気はないらしく、同じ様に着席した。
「さて皆さん、今日は何の日ですか?」
開口一番の担任の言葉に、首を傾げる。
「え、なんかあったっけ?」
「知らない知らない」
あっくんに訊かれ、首を横に振る。
「カナ先生の彼氏の誕生日とかw」
「いやいないからいないからw」
こんなきっくんの爆弾発言にも笑って対処されるほど私達のクラスは担任と仲がいい。
いいことだね(語彙力)
「貴方達の卒業一週間前でしょう?w」
_あぁ、そうか。
来週、3月20日は、私達の、卒業の日。
かつ、私達の_




