開戦
「はぁー!もー幸せー!」
手元にあるあっくんとのコスプレ写真を眺めてふふふ、とニヤける。
「そんなに嬉しかった?」
あっくんにそう訊かれ、うんっ!と大きく首を縦に振る。
すると、あっくんは安心したようにほっと息を吐いた。
「よかった」
そう呟いて、あっくんは視線を前に戻した。
んー、なんかめちゃくちゃカレカノ感。
いやカレカノなんだけどさ。
あの…ね?
「あははははwwwきっくwww」
「おまwwwミニスカwwwやべぇwww」
そう、後ろのバカ夫婦がいなければ、完璧なのです。
「ったく…騒がしいなw」
「そうだねwでもテンション上がる気持ちは分かるw」
「あーそれなw」
あっくんとなんでもない会話をしていると。
「ねぇねぇサキアちゃんwww」
「っ…チェイス!重い!邪魔!」
上に引っ付いてきたチェイスを力任せにはね飛ばす。
それでもしつこい睡眠野郎は懲りずに私の隣に並ぶ。
「見てこのきっくんwww」
「え?何?ミニスカ天使(笑)野郎の事?」
「違うこっち見なくていいから!w」
チェイスの手元の写真には、イタい格好のチェイスと美人なきっくんが写っていた。
いやぁやっぱきっくんはなんでも似合うなぁ_
「マジで女子じゃね、って痛ぁ!?」
あ、チェイス、きっくんの飛び蹴りを食らうの巻。
「黙ろうか」
「えーwww無理ーwww」
懲りないチェイス。
おっときっくんの暗黒微笑。
「…あっくん、帰ろう」
「うん、今帰ってる」
「違う早く帰ろうというかこの2人と他人のフリをしよう」
「いや制服一緒だから無理があr」
「うわぁぁぁぁぁぁ!!」
チェイスの叫びから逃げるように私はあっくんの手を引いて走り出す。
もうあいつらは知らない。
「サ、サキアちゃん、なんでっ…」
「あっこは今から修羅場になる」
そう、邪神様の本性が発揮されるのだ。
この場合は、
逃げるが吉_!




