邪神の本性
「…きっくん」
「どうした」
「王子が暗殺神ってどうよ」
「いいじゃねぇか!俺なんて姫だぞ!?」
「…頑張ってくれ」
私たちが着替えさせられたのは、王子と姫のコスプレ。
おまかせにしたらまさかの性転換された。
邪神はロングのウィッグを被り、キラキラのアクセサリーを付け、ピンクのドレスを引きずっている。
私は短めのウィッグに、下手したら騎士じゃね?みたいな格好(説明怠慢)。
そのままテーブルで待っている2人の元へ行く。
「!?…あははははっ!wwきっくww」
「え!?きっくん!?」
きっくんを見るなり腹を抱えて笑い出したチェイスに、目を丸くさせたあっくん。
隣のきっくんをちらりと見ると、怒りを隠した笑みを浮かべていた。
「…私知ーらね」
そう呟いた時、きっくんが店員さんを振り返って言った。
「すみません、あの2人もよろしくお願いします」
「はぁい、かしこまりましたぁ!」
「えちょきっくん!?」
チェイスとあっくんは店員さんに引きずられて裏に引っ込んでいった。
…チェイスは悲鳴を上げながら。
「はっ…ざまぁみやがれ」
隣からそんな声が聞こえてくる。
「…腕組んで仁王立ちとか…姫じゃなくて女王じゃん」
そう、呆れ混じりにため息をついた。




