放課後の予定
やっと放課後。
と言っても今日は論文を書くだけだったのでいつもよりかは早い。
「あっくんー、なんかお菓子買って帰ろー」
「いいね。コンビニ行く?」
「んー…あ、うちの近くにすっげーキラキラしたスイーツカフェが出来てたからそこ行こーよ!」
あっくんが頷いたのを確認して、鞄を肩にかけて一歩踏み出そうとすると。
「サキアちゃぁん!」
「うわぁっ!?」
チェイスに後ろから鞄を引っ張られ、バランスを崩す…が、睡眠野郎には倒れ込みたくないのでなんとか踏みとどまる。
「っぶな!やめろよ!」
振り返ってそう言うと、少しも悪びれた様子のないごめんが返ってきた。
クソが。
「そこ、うちらも連れてってよー!」
「あーもーチェイス、やめろって…」
見かねたきっくんが私を助けてくれる。
助かった…
「えー、きっくんは行きたくないの!?」
「…どっちかって言われりゃあ行きてぇけどさ…けどあの頼み方はねぇだろ」
きっくんの至極真っ当な言い分に、チェイスは黙り込む。
「はぁ…まぁきっくんも行きたいらしいし…一緒行く?」
「やったぁ!」
大喜びで私の元にダイブしてきたチェイスの腹にグーパンを決め込む。
「ぐほぉっ!?」
「きっくんのためだから」
そう笑顔で呟き、あっくんに駆け寄る。
「あっくん行こ!」
「え、あ、ああ、うん」
チェイスをちらりと見やるあっくんに、ニコッと微笑む。
「見たら目が溶けるよ」
「何言ってんの!?」
「わざわざ起き上がるなや地獄耳睡眠野郎」
そう毒づきながら、あっくんと共に教室をあとにした。




