復活と始まり
「ノア、君は何故あんなところで倒れていたんだ?」
俺は、なぜあそこで倒れていたのか聞いてみた。
『私は、オークと戦っている途中に燃料切れで倒れました。そのあとオークがどうなったか知りませんが』
「なるほどな。いろいろと大変だったんだな。」ガチャ
「『!?』」
ノックも無しに扉が開かれたそこには、体格のいい屈強そうな男が立っていた。その男はなぜにか部屋に入って来た。
「お前は誰だ?エルフか?」
「あぁ、そうだが。お前の方こそ誰だ?」
「俺の名前は佐藤伸二。カスティール王国から戦争に参加しろという命令でここに来た」
「お前があの佐藤か。俺の名はギルミアだ。村の若い連中をまとめている。よろしく」
「よろしく。で、「あの」ってなんですか?」
「なんだ、知らないのか?数日前からお前が村に来ると噂になってから、女たちがキャーキャーうるさくてな」
「でも、実際のところアルディスと村長以外のエルフとは会っていないが、どうしてだ?」
「恥ずかしがって出てこないんだろう。うちの村は人見知りをするやつが多くてな」
ほかにもエルフの村があるのか。そんなことより恥ずかしがっているエルフは、さぞかし可愛いだろうな~。イカンイカン脱線しすぎた。
「ところで、なんであんたの服はボロボロなんだ?」
「あぁ、俺含めほかのエルフと狩りに出かけていてな、オークとの戦闘でボロボロになってしまった」
オークとの戦闘でそんなにボロボロになるものなるか気になるが、さっきからこいつらオークとしか戦ってないな。コボルトとかいないのか。これも気になる。すると、少し細めのエルフが急いで扉を開けてきた。
「失礼致します!ここから、20㎞先にコボルトとオークの群れを確認!どうされますか?」
「迎え撃つ」
決断早!話し合いとかしないんだ。
「分かりました。指揮官は佐藤伸二さんで迎え撃つでいいですね?」
「はい。大丈夫です」
早速戦争か、にしても相手はオークとコボルトか、どちらも少数ならたいしたこともないんだが、群れとなると戦うこと自体が困難になる。
「メンバーはどうするんだ?」
「そうだな。メンバーは、アルディスとアリエルとお前と俺で行く」
群れ相手なのに4人で行くってどんだけ自身満々なんだよ。自信過剰にもほどがあるだろう。
「4人で倒しきるのか?」
「あぁ、倒しきる。アルディスさえ居ればな」
「アルディスは戦争に参加しない時があるのか?」
「いつもだ。あいつは戦争相手が自分の戦闘力より低いと参加しないんだ。だが、今回はそんなの関係なしに参加するだろ、お前がいるからな」
だからか、皆が狩りとか採集に行ってるのに関わらず1人で村に残っていたのか。てっきり、案内役とかで残らせてたのかと思った。
「いつごろにオークたちは来るんだ?」
「大体10時間後です。」
時計を見ると今は、20時ちょうどになる、となると来るのは明日の6時か。
「明日の午前5時30分に村の入り口にある村長の家の前に集合でいい?」と俺は早速指揮官として仕事をする。
「あぁ、いいぜ。明日はよろしくな」
「では、佐藤さま失礼します。」
2人は部屋を出ていく。
「ノア、明日はお前も来るか?」
『行ってもいいのでしたら、ご一緒させていただきます。』
ノアが参加してくれるだけでも、なんか安心する。4人って心細かったから。
「ノア、お前は4人のバックアップとしていく。それで、いいか?」
『はい。それで大丈夫です』
「ところでノア、今日寝る部屋とかはどうするんだ?」
『私は、ここで寝ます。ですので、貴方はベッドで寝て明日に備えてください』
だよね。初っ端から一緒に寝れる訳ないよね。何を期待しているんだろう?そこまで機械フェチじゃないのに。そんなことを思っていると、誰かがノックしてきた。
「開いてますよ。」
すると入ってきたのはアルディスとアルディスより背が小さいエルフだった。
「ん?どうしたんだ?」
「佐藤さん♪アリエルちゃんが佐藤さんに挨拶をしときたいんだって。」
「そうか。初めまして。アリエルちゃん。」
「は、初めまして。アリエルです。」
大人しい感じに自己紹介をする。アリエルと名乗る少女は金髪のショートと言う如何にも少女らしい髪形だった。
「佐藤さんは何か好きな食べ物はある?」
「俺は、うどんが好きだ。特にキツネうどんだな」
「そうなの?私は野菜が好きだよ」
「私はねぇ、お肉だよ♪」
「お前には聞いてない。」
「佐藤さんに怒られた~」
1人で騒いでいるアルディスを無視する。
「明日はよろしくね。」
「はい!よろしくおねがいします。」
2人は仲良く自室に戻って行く。
明日はついに初陣だ!あ~今から緊張してきた。明日、死ぬのかな?