エルフの村で知る真実
「やったー!やっと着いたー!」
あれから歩き続けてようやく着いたエルフが住む村。想像した感じで、少し落ち着く。
「貴方がカスティール王国から来た佐藤伸二さんですか?」
いつの間にか、俺の目の前には緑色の髪をした優しそうな巨乳のエルフが立っていた。
「あっはい。そうです。俺は佐藤伸二です」
「よかった。不審者かと思いました♪」コソッ
前言撤回。このエルフはヤバい。初対面の人相手に短剣を持ってくるとか、自分の身に危険を感じる。
とりあえず、そのことについて聞いてみる。
「えっとー。その今隠した短剣は何?」
「あっ!これですか♪これはですね。エルフでいやらしいことを考える不純な男共を消すための短剣です♪」
俺は、ここに来るまでエルフのことについて考えてたなんて口が滑っても言えない。まぁ、別に不純なことは考えてないしね。多分、大丈夫。
「すみません。まだ名前を言ってませんでした♪私の名前はアルディスと言います♪こう見えても500歳です♪」
聞いてもないのに、名前と歳を言ってきた。自己主張が強いな。だが、嫌いじゃない。
「えっと、ほかの人たちは?」
「ほかの人たちは、狩りとか採集に出ているのです♪あっ!村長に佐藤さんが到着したことを報告するのを忘れていました♪そーんーちょー♪」
アルディスと言うエルフがふくよかな体系の男性の所まで走って行った。
「ん?なんだ、アルディスではないか。どうした?なんの用じゃ?」
まさかの村長の家が村の入り口近くにあるって、大丈夫かよ。襲われやすいな。
「こちらはカスティール王国から来た村長の代わりの兵士兼指揮官の佐藤伸二さんだよ♪」
「初めまして。カスティール王国から来た兵士兼指揮官の佐藤伸二です。終戦まで、よろしくおねがいします」
「ほう。お主が佐藤伸二か。よろしくな」
おっ!厳しい感じの人かと思ったが、案外優しい?
「にしても終戦までか。お主はなにか勘違いをしておるな。この戦争は、人間共が起こす戦争とは全くといいほど違うことがある。それは、人間だけではなくほかの種族も参戦しているところじゃ。人間だけなら、長くても30年ぐらいだが今回はお主も知っている通り300年も昔から起こっていて、しかも多種族ときた。考えてみろ、お主は二度と王国には戻れない。つまり、お主は王国に捨てられたんじゃないか?」
「な、何を言うんですか!俺が王国に騙されたというのか?そんなわけがな。」
そんな、そんなわけがない。頭がクラクラしてきた。
「儂が何故断言できるかというと、王国から送られてきたお主のステータスを一通り読んだからじゃ。ステータスによると、お主は曲がったことが嫌いの正義感に満ち溢れている青年らしいな。王様はこの作戦を嗅ぎつけて阻止してくると思い捨てた。今後の作戦にも邪魔だと思ったのじゃな」
俺は混乱している頭で言う。
「もし、それが本当なら俺の敵は王国とほかの種族ということですか?」
「そうじゃな、お主の敵は王国とほかの種族の二つ。だが、お主が本当にこの戦争を終わらせるほどの力を持っておるのなら、敵は王国だけじゃ。まぁ、今日は休め。すまないな。このような話をして」
「いいえ。教えてくれてありがとうございます」
「では、アルディス。佐藤の部屋まで案内してやれ」
「はーい♪わかったー♪じゃあ、佐藤さんついてきてください♪」
俺はとりあえず、アルディスについていく。巨乳なだけあって揺れる揺れる。
「なぁ、アルディスさん。」
「アルディスでいいですよ。」
「じゃあアルディス、君はなぜ1人で村に残ってたんだ?」
「ノーコメントです♪」
「アルディス、さっきの話は知っていたのか?」
「ううん。知らなかったよ♪さっき知ったよ♪あっ。着いたよ♪ここが佐藤さんの部屋だよ♪荷物を置いてきなよ♪ほかにも案内するから♪」
扉は特徴とかなく、至って普通の扉だった。部屋も変わった様子もなく普通だった。正直言うと、そこら辺の宿屋と似た感じの部屋だった。俺は、おんぶをしていた機械の女の子についてアルディスに聞いてみる。
「アルディス、この女の子を直せたりできるか?」
「できますよ♪これでも私、この村の機械の修理を担ってますから」
「マジか!なんかスイマセンでした!」
俺は目に見えない速さでアルディスに向かって、究極技の土下座をする。土下座をしながら、俺は疑問に自問自答する。
問ːなぜ、エルフたちは女の子に気づかなかったのか。
答ː自分が見えなくなるような魔法をかけたからか。
問ːなぜ、エルフの村に機械があるのか。
答ː他の種族から奪ったから
現時点での自問自答終了。時間にして一秒。
「えぇ!な、なに?いきなり謝ったりして、しかもあの土下座って!あ、頭を上げてください」
「すいません。会った時から、ちょっとこのエルフ、バカっぽいなって思ってました」
なぜにか、俺は本音をぶちまける。
「大丈夫ですよ♪そんなことでは傷つかないアイアンハートをもっていますから」ニコ
その笑み、怖いんですけど。ちょっと怒っているようだが、話を戻す。
「よかった。で、この子の状態は?」
「う~ん。見たところ、ただの燃料切れみたい♪」
「え?燃料切れって装甲とかボロボロだったのに。」
「うん♪何かとの戦闘から逃げて来たって感じですかね♪にしても、装甲だけにダメージがあるのは気になりますね♪とりあえず、燃料いれちゃいましょうか♪」
ゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポゴポ
「よーし♪これで動くはずです。スイッチオン♪じゃあ、佐藤さん。ちょっと手を洗ってくる♪」
「いってらっしゃい。」
アルディスはパタパタと部屋を出ていく。
『おはようございます』
「!?」
な、なんだ?いきなり機械の女の子が喋った!
『私を直して頂きありがとうございます。私の名は、ノア=グラム。ノアとお呼びください。』
俺は、いきなり喋った機械の女の子に戸惑いながらも、質問する。
こんにちは!龍川 里狐です。第3話です。
今回は少しシリアスぽくなりましたが、読んでみてください。