行き倒れの機械っ娘
翌々日……
昨日なんて全然寝付けなかった。エルフとしばらくの間いっしょに居られるって考えたら、最高過ぎてダメだった。
「さてと、そろそろ行きますか!えっと、王様から貰った地図によるとって、汚!何これ?小学生が書いたのか?線と丸だけで構成されてるし。距離だけちゃんと書いてあるって、地図なんだからもう少し頑張って欲しいかったよ」
そんなことを言いながら時計を見ると、とっくのとうに12時を過ぎている。
「ヤバイ!時間過ぎてる急がないと今日中にエルフの村に辿り着けなくなる、走っていくしかないか」
馬でも行けるのだが、エルフが敵と間違えて狙撃されても困るので自分の足で行くことにする。
出発してから2時間後……
「結構走ったなぁ。ハァハァ。てか、何処に村なんてあるんだよ!全然見つからねぇじゃないか!ん?」
俺の前方に何かがあるのが見える。何か分からないものに近づきたいという、好奇心に駆られて走って近づく。そこには、パッと見機械。よく見れば、機械を付けている女の子が倒れていた。俺は死んでるのか生きてるのか分からず声を掛ける。
「おい!大丈夫か?」
返事がない、ただのしかばねだった。
ここにほおって置くとスカベンジャーに喰われたらそれは悲惨なことだと思い、連れていくか考える。
「どうしよう。こいつを持って戻るにしたって、任務放棄だと思われて王様に怒られそうだし、連れて行くしかないか」
俺は謎の機械(女の子)を手に入れた!にしても、なんでこんな所に女の子が倒れているんだろうか?砂漠とかそんな特殊な地帯じゃないし、どちらかと言えば乾燥地帯だしな。と、思いながら女の子をおんぶする。
「あれ?なんでこんなにも軽いんだ?この装甲は鉄とかだろ、わかったぞ。これは、鉄とかじゃなくてプラスチックだ!だとしても、冷たい装甲が冷たすぎる。キンキンに冷えてやがる。だとすると、コイツはおよそ2時間位前から倒れていたのか?コイツもコイツで大変だなぁ」
俺は探偵ばりに推理をする。
再び歩き出してから1時間後……
「あっ。もうダメだ歩けない。てか、歩きたくない。足がパンパンだし」
歩き疲れた俺は、地面に座り込む。横に女の子を置いて。
「ずーと歩いて来たが、村っぽいのが見つからない。もしかして。地図が間違ってるか?それとも、もう少し歩けという感じか?出発前のテンションはもうゼロだよ!そんなことを言ってもしょうがない。歩くしかない。」
俺は諦めない!諦めたら、女の子といっしょに迷子だから!そして、大好きなエルフのために!
こんにちは。龍川 里狐です。
今回は、前の2話と違い少し長くしました。
楽しんで頂けたら何よりです。
では、3話でまた会いましょう!