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毛むくじゃらはどうやって捌きますか?

次の日、俺達はまた朝早くにオッズを出た。


昨日と同様に志摩は外ばかりを眺め、ソユは必要以上のことは話さない。


ただ昨日と違うのはジルとゾルが馬車の中にいて、俺に色々と話しかけてくれることだった。


「おいら達はアドリオールを1度も出たことがないんです。」


「ホグにもドルドンはあるかなぁ。」


アドリオールを出たことがないと言ったのがゾル、ドルドンの心配をしているのがジルだ。


「まず、ゾル。


お前達は城の中で育ったのか?


ドルドンはどこにでもあるってクロードさんが言ってたから大丈夫だと思うぞ、ジル。」


俺達の話を聞いていたのか、志摩とソユが目を丸くしながらこちらを見ていた。


ん?うるさかったか?


「分かるんですか?」


ソユの言葉に首を傾げる。


「このブラウニー達の区別がつくんですか?」


「え?多分・・・。


お前がジルでお前がゾル・・・だよな?」


俺の横に座っている2人に向き合い、最初に手前、後に奥を指さして確認する。


え、違った⁉︎


もし違ったら失礼にも程があるぞ⁉︎


「「正解です‼︎」」


ブラウニー達が興奮しながら言い、俺は安堵のため息が漏れた。


「何で分かった⁉︎


何かズルいことしたんだろ‼︎」


志摩が突然声を荒げて、ブラウニー達が飛び上がった。


「別にズルは・・・。


強いて言うなら昔からの癖だよ。」


「癖?」


志摩が不思議そうな声をあげ、ソユがじっとこちらを見ていた。


志摩と目が合いそうになるのを頑張って逸らす。


何とか話題を明るい方へ持って行こうとワタワタしていると、隣からグゥという大きな音がなった。


「おなか空いた!」


ジルは空気読まねえな。


だが今回はファインプレーだ、ジルの腹。


ジルの腹に従って昨日のホテルが用意してくれた弁当を食べることになった。


メニューは4種類のサンドウィッチ。


サンドウィッチの間に挟まってるのは1つはタマゴ、1つは青いトマト、1つは何かの肉の照り焼き、そして最後に野菜。


「この青いのは何て言うんだ?」


「それはラホと呼ばれる植物の実です。


タマゴはおそらくノルンの卵で、この照り焼きはヨグルの肉でしょう。」


ヨグル!


お前とこんなに早く会えるとは思ってなかったぞ。


ラホとノルンの卵のサンドウィッチは置いといて、先にヨグルをいただこう。


サンドウィッチを一口かじると、ほのかな甘味を感じた。


ヨグルは鶏肉に似てるな。


サッパリしているけどジューシーで、いくらでも食べれる感じがする。


鍋に合うと言った露店の主人の言葉が分かる。


これの味が染み込んだ鍋とか、たまらんわ。


締めは雑炊よりラーメンだな。


うん、これで出汁とったラーメンも想像しただけで旨そうなんだが。


あの毛むくじゃらの塊を食おうと思った人、天才。


ソユは俺が聞いたことには大概答えてくれるから、それに甘えて色んな食材の説明をしてもらった。


ラホは寒暖の差がついているオッズなどの地域でしか見られない食べ物で、残念ながらホグには生息してないらしい。


そうこうしているとまた夕方くらいにホグに着いた。


志摩が弁当の時からじっと見てきていたが、気づかない振りをした。


だって何かすげー恐いもん!


睨みきかせてるし!


美少年の睨みって本職の方々のより恐い気がするんだが・・・。

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