表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

後編

「それじゃあ 始めるよ二人とも」 ニヤリと幸成が笑う


二人もそれに頷き


強盗が始まった!!


―ーーーーーーーーーーーーーーーー


「で 給食を強盗ってどういうことだよ」



「どういうってそのままの意味さ給食室から給食を奪うそれだけさ」


あまりにそのまま過ぎる回答に俊介は顔をしかめた


「え、えーでも強盗って悪いことでしょ? 僕悪いことなんてできないよ」


不安そうな匠を尻目に


幸成はフフンと笑みを浮かべた


「二人とも心配すんなって 僕らがやることは別に悪いことじゃないって」


「でもでもでも強盗した人が捕まったニュースした人は皆捕まってるし悪いことじゃないの?」


食くいさがる匠に対し


「それは得するのが強盗だけだからだね 落ち着いて考えてほしいんだけど今回僕らが強盗して誰が得する?」


「えとえとえと」


急な事で頭が回らない匠を遮って俊介がフォローする


「まずは俺たちだろ なんせ給食がいつもより多く食えるんだからな」


「そうだね まずは僕たちが得をする。でもそれだけじゃない」


意味ありげにひとつ息をいれ、続ける


「給食が残らなければ、容器が軽くなって運びやすくなり、力がない一年生から少しもらえばちょうどいい。

さらにいえば当然給食のおばちゃんは残さず食べて欲しいはずだし、給食を捨てる手間もなくなって皆が得するよ」


言われてみれば、と二人は頷くが同時に疑問も出てきた


「でもよー俺らが給食とったら数が合わなくなってばれるんじゃね?」


「ぼ、ぼくもそうおもうなー」


「君たちがさっき見たのは余ったカレーだったね?6年間給食を見てきた君たちも分かると思うけど

給食で一番たくさんあまるのは丸缶(汁物や麺類が入る事が多い容器)だ。


今回はそれだけを狙う」


「なるほどな確かに丸缶だったら分からないな 面白いじゃん」


「でしょ?」


「でもおばちゃんがずっと給食のおき場所にはいつもおばちゃんが二人いるんじゃない?」


「そうだそうだ しかも給食当番は俺らだけじゃないしな 時間かかりすぎると怪しまれるんじゃないか?」


「そこらへんについても考えがある皆二人とも耳を貸して」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「チャンスはここしかない行くよ」


翌日の午前の授業終了時、3人は動き出した。


週の給食当番名は7人だが、3人は他4人を待つことなく割烹着に着替えダッシュで給食室へ向かった。


『作戦その1 誰よりも早く給食室に行くこと。


おばちゃんの内一人は午前授業終わりのチャイムが鳴ってから3階の職員室まで給食を運んでいるんだ。その時間に大体15分かかっている』




『作戦その2 5分以内に全部を終わらせること』


『今年のこの曜日の1年生の4時間目は体育だ、着替えの時間もあるからこの日だけ1年生の配膳以外の準備をおばちゃんがしている。』


『それを始めるのが4時間目が終わる10分前から1クラスづつ回って、3クラス往復で大体1クラスあたり15分かけてやっている


それに他のクラスのやつらが来るまでが5分ある それがタイムリミットだ」


もう一人のおばちゃんも3列のキャスター付きの1クラス分の給食を乗せた


ラックをカラカラと押しながら出て行った


それを確認した3人はミッションを開始した


見張りに匠、タイムキーパーに幸成 実行役に俊介が付いた


丸缶の蓋をとるとミートスパゲティのトマトとオリーブオイルの香りが広がった。


その時点で既に2分近く過ぎていた


「おい 時間ヤバイぞ におい嗅いでないで早く移せ」


「わりーわりー」


これから運ばれる予定の1-3のミートスパゲティをトングでどんどん移していった


時計の針が1,2回り残り1分!


「おい俊!!そろそろいいだろ」


幸成は余裕を持って終わらせるはずだった


「えーもうちょい いけるいける」


だが、その気持ちが俊介に伝わらず


「馬鹿!!1分前だぞ」


焦りがどんどん大きくなっていくのが分かった


「俊ちゃん ユキちゃん他のクラスの子がすぐそこまで来たよ!!」



「なんですぐそこに来てから言うんだ 階段下りた辺りで言ってって言ったろ!!」


二人の予想外の行動に焦りは限界だった 


「俊!!」


「わ、わかったよ」


流石の俊介もこの鬼気迫る顔に怖気付き、ささっと1-3丸缶を戻し


そして3人は予定通り、自分の担当器具を運んで小さな強盗を終えた


「へへっ上手くいったな」


「うん 僕らいいことしたんだよねー」


(疲れた・・・)


教室に戻り、グループ毎の配膳が始めるため


今日 丸缶担当だった幸成はその蓋を開けてぎょっとした


運んでる途中やたら重いなとは思ったが


まぁ疲れた性かと思っていたその中には普段の量より1.5倍は多い量のスパゲティが入っていた。


バッと俊介を見ると ウィンクしながら親指を立てていた。


その量を見た担任の教師は


「何で今日はこんな量が多いんだ・・・?」疑問を口にしているころ


校内放送がなった


〔本日1-3組のスパゲティがすごくに不足しています 余裕があるクラスがあればご協力お願いします。〕


担任の目がこっちに向けられた


「なぁ 幸成お前たち最初に出てった割りに戻ってくる時は他のやつ等と一緒だったよなぁお前ら何してた?」


「イヤァ ミンナトイレニイッテタダk・・・」


「ほぅ・・・着替えてからわざわざトイレにねぇ おい匠!!俊介ちょっとこっちにこい」


おどおどしながら匠と俊介がやってきた


「は、はひ なんですか先生?」


「正直に答えろよ、匠お前何をやっていた?」


どんどん顔が青ざめていった


「え、えとえとえと」


俊介がフォローに入る


「別に俺らは何もしてねーよせんせー なぁ幸成俺らは強盗なんかしてないよな?」


もうダメだと幸成は空を仰いだ・・・


「強盗?どういうことだ幸成聞かせてもらおうか」


ハハハ・・・もう笑うしかなかった


結局強盗はバレてしまい給食時間はずっと説教 


言い訳に先日余っていたカレーの話を使ったが、それはその日ちょうどクラスの大食いが二人で風で休んでいただけで


決して量が多いというわけではないという真実までつきつけられて万事休す


いつもより多く食べるはずだった彼らの給食は抜きの罰に処せられ


放課後は各種方面に謝りに行き、家でも怒られ散々な一日になったのであった。



余談ではあるが


3人は気づいていないが、何故か彼らのクラスの給食の量が少し増えていた

ええと稚拙な文章を最後までお読み頂き本当にありがとうございました。


小学生の気持ちになることと、文章を書く難しさ思い知りました

ただ、内容とか書き方とか大事なことではありますがそういうこと抜きで

書ききれたことは非常に良かったです。

小学生3人組で行こうとは最初から決めていましたが、どうしても思い出されるのはズッコケな3人組でした。あの作品の影響の大きさは計り知れないっすね。

ではまた近いうちに


感想いただければ本当に幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ