表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神伝物語 第一部  作者: 自認神
第一章
7/12

第七話「いざ任務へ」

任務へと向かう前日、ラスとジュリは訓練場にいた。


ここ8日間はほとんど訓練場へと来て、’力’の使い方について特訓をしていた。


ラスとロウは隊の編成も済ませた。


三番隊、四番隊合計して約500人の精鋭部隊。


人数こそ少ないが、そもそも隊長が2人も参加するため、戦力は十分である。


隊員は最初こそ、見慣れない少女と普段と違う任務に驚いている様子であったが、ジュリと会話をして、その思いを感じたのかすぐに慣れたようであった。



ラス「不安はありませんか」


この日も特訓を終え、休憩しながら会話をしている。


ジュリ「…大丈夫。二年間も逃げ回ってたし、移動の速さには自信あるよ」

ラス「そうではなくて、」


落ち着いて答えるジュリに対して、ラスは話を続ける。


ラス「同国の者と戦うことに対してです。」

ジュリ「それは…」


ジュリは少し考えてから答えた。


ジュリ「もし相手を殺さないといけないとかってなったら話は違うけど、そうはならないんでしょ?」


ラス「当然です。決してあなたの手を汚させたりはしません」

ジュリ「なら大丈夫」


ジュリは力強く答えた。その様子を見て、ラスも少し安心したようだ。


ラス「…そうですか。なら良かったです。今回は相手の数も少ないので、大した戦闘にはならないでしょう。それに私とロウも戦います。大船に乗った気持ちでいてください。」

ジュリ「そうだね。頼んだよ」


ラスはジュリを王宮へと送ったあと、自宅へと帰り、早めに夕食を済ませて就寝した。






ーーー

翌朝、身支度を手短に済ませ、王宮に向かう。日課のランニングも今日はしない。


二階にあがり、ジュリの部屋へ行く。


ラス「失礼します」


声をかけると、準備を済ませたジュリが出てきた。


ジュリ「待たせた?」

ラス「いえ、丁度です。行きましょう」


2人で階段を降りると、イスカンダルと王妃が待っていた。


イスカンダル「よろしく頼むな」

ラス「お任せください」

王妃「ジュリも、どうかご無事で」

ジュリ「ご心配はいりません、王妃様」


見送りもほどほどにしながら、2人は王宮を出た。


王妃「…心配だわ、2人ともまだまだ若いのに、ロウに至っては17歳よ、他にも方法はあるんじゃなくて?」


イスカンダル「そうは言ってもな、俺含め一番隊、二番隊を送るには過剰だが、隊長なしでは不安だ。奴らに任せるしかない」

王妃「そうは言っても…」


王妃は、心配そうに2人の背中を見ている。


イスカンダル「大丈夫さ、あいつらはしっかり任務を遂げて帰ってくる。心配しすぎは体に悪いぞ、クララ」

クララ「それもそうね。」


2人の背中は見えなくなった。





王都の南側の大門の前で、三番隊、四番隊の精鋭たち、今回の任務に向かう者たちが整列している。


彼らの前には、三番隊隊長のフィジル・ロウ、四番隊隊長のダーク・ラス、そして水の国の王女、アクア・ジュリが立っている。



ロウ「これより、王都から南西方向に向かい、水軍の部隊の撃退に向かう」


ロウ「敵の数は凡そ1000人。この程度は、我々の敵ではない!」


ラス「今回の任務は、速さが命です。通常3日をかけて進むところを1日で進みます。」


ラス「厳しい任務になるでしょうが、必ず成し遂げましょう。」


隊員は皆背筋を張り、視線を隊長達に向けている。


ロウ「必ず勝つぞ!ともにこの戦争を終わらせるのだ!!」

隊員「おおーー!!!」


ロウの掛け声に、隊員は一切に答えた。


士気を上げるのに、ロウは適任である。


ラス「それでは、出発しましょう」






連合隊は、素早く進軍を開始した。


食料なども必要であるため、かなりの重装備をしながら、進軍は常に小走りである。


隊員はとくに走りに対しての’体の力'に優れているものを選んでいるため、この程度の早さは問題としない。


その日のキャンプ地まで、一日中走り続ける。


道中はほとんど森であり、その中には獰猛な獣も潜んでいる。


稀に襲ってくることもあるため、できるだけ避けながら進んでいくのが基本だ。


しかし今回は速さ重視。最短距離で目的地まで向かう。




1日目は、かなり順調に進軍することができた。怪我人もおらず、疲れも少ない。


途中熊と遭遇したが、彼らにとってそれは問題にならない。


素早く撃退して進軍を続けた。


しかし、ジュリは少し疲れた様子であった。

ラスが話しかける。


ラス「疲れましたか?」

ジュリ「そうだね、流石に一日中走ったのは初めてかも」


ラス「今日は早めに寝てください。計画よりも早く進めているので、明日はもう少し速度を落としましょう」


ロウ「いや、早く進めているならこのまま維持するべきだ。相手に情報が渡る前に素早く叩く」


ラス「戦闘の前に疲れては元も子もないのでは?」


ロウ「ジュリはメインで戦闘するわけじゃない。俺たち隊員はほとんど疲れていないのだから、このまま進むべきだ」

ラス「だけどー」


ジュリ「大丈夫。この程度なら進めるよ。心配してくれてありがとう」

ラス「…そうですか」


ラスは納得したようではあったが、少しだけ不満げな顔であった。


ロウ「…ラス、お前少しジュリに過保護すぎるぞ。」


ラス「だが、ジュリは初めての戦場だ」


ロウ「だからこそだ。それにジュリは2年も追っ手から逃げた実績もあるし、ここ数日だけではあるが特訓もした。もう少し信用してやれ」


ジュリ「まぁ逃げれてたのは私だけの力ではないけど、とりあえずー」


ジュリはラスの方を向く。


ジュリ「私は大丈夫」


ジュリの顔をみて、ラスも納得したようであった。



ラス「分かりました。このまま進みましょう。私も少し焦っていたようです」


ロウ「まぁ気持ちは分かるよ。とりあえず、お前も肩の力を抜いてちゃんも休んどけ」

ラス「ああ、そうするよ」

ロウ「ジュリもな」

ジュリ「もちろん」




連合隊は順調に進軍を続けた。


途中狼の群れに襲われ、二名ほど怪我をしたがすぐに撃退した。



4日目の早朝には、国境付近の情報隊と合流することができた。


本来5日での予定であったため、1日分短縮したということになる。



ロウ「…つまり、あと一時間ほど南に向かった先に、水軍の小部隊のキャンプ地があるということか」


情報員「そうなります。彼らは一時的に進軍を止めており、2日ほどそこに止まっています」

ラス「…なるほど」


ロウ「これはー」

ラス「チャンスですね」

ロウ「ああ、今すぐ隊員に装備をまとめさせよう」




ロウとラスは隊員を集め、号令する。


ロウ「敵はこれより南側、少し進んだ先でキャンプをしている。まだ我らの存在には気づいていないようだ」


ラス「今からみなさんには、装備を点検し、戦闘準備をしてもらいます。30分後には出撃です。」


隊員の顔が引き締まる



ロウ「多くは言わない!勝つぞ!」

隊員「おおーー!!!」






戦闘が始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ