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9話 生徒会長は模範生でなくちゃいけない

久しぶりの授業は楽しくなかった。集中なんかできるわけない、俺のことをひそひそと話してるのが分かる。大丈夫だ、大丈夫なのか。今すぐにでも教室を出たい。

逃げらしたい。

 俺が撮ってある動画を広めたら、この騒ぎは無くなるだろう。けど、問題がある。

 俺は今嫌われている、そんな人が出した動画なんて誰が信じると思うか。

絶対にない。

 お昼休憩になったので購買に行こうとした。席を立ち教室を出ようとした時。

「やっと、会えた」

 目の前には志保が居た。久しぶりに会う彼女はどこか雰囲気が変わっていて、とても美人だった。

「え?俺に用?」

「うん」

 本当の天使かよ。

「俺も入れてくれよ」

 成瀬が言う。

教室は俺の周りの席だけ空いていた。たまたま、だよな。

 机を並べる。俺の前には志保、横には成瀬

「えーと、初めまして。」

「あ、俺の名前は早川成瀬よろしく」

二人はぎこちない挨拶を交わしていた。

「それで、俺になんの用なの?あんまり仲良くしてると嫌われるぞ?」

「あ、もう大丈夫です。私偽りの自分やめました。」

 あの日から変わったんだな。

成瀬は困惑していた。そうか、説明するのを忘れていた。

 成瀬に説明した後驚いていた。

「まさか、相馬先輩がそんな人なんだったのか」

「まあ、俺も驚いたよ。けど、志保の話を聞いて俺は怒ったんだ。怒りが収まることができなくて相馬を殴った。だから、殴ったのは本当のことだ」

「お前、男だな。超かっけーよ」

「そうか、ありがと」

「私は救われたよ。私が変わることができなのは拓哉が助けてくれたから。大好きだよ」

そうか、俺のやったことは間違いではなかった。誰かが救われたんだ。

「てか、動画持ってるって言ってたよな?その動画広めたらお前の噂なんか消えるくね」

「そうだよ、あの動画広めようよ」

「けど、今この状況で出すのは得策でない、まだ、今じゃないんだ」

「そうなのか、今辛くないか?」

「めちゃ辛い」

「俺がいるから大丈夫だぞ、何があっても俺は拓哉の味方だ」

「私もよ」

「お前ら」

 泣いてしまった。俺には二人が居る。だから、きっと大丈夫だ。けど、問題は起きる。

「このクラスに、真治拓哉ってやついるか」

「はい、俺です」

「ああ、お前か今すぐ生徒会室に」

え?これまた、めんどくさい。

 俺は二人を置いて生徒会室に向かった。ドアを開けると。

「君かよく来た。」

 高嶺の花だ。ああ、俺とは住む世界が違うよこの人。

「ええ、初めまして」

「すまない、自己紹介が遅れた。私の名前は花咲凜はなさきりん

 漢字まで美しい。

「その、俺になんの用でしょうか?」

「君には生徒会に入ってもらう」

 無理です。無理。俺がこの名門高校の生徒会?絶対無理。俺がここまで生徒会に入りたくない理由は簡単だ。

 生徒会のメンバーは全員頭が良い。この高校は特殊だ、一人一回、生徒会に入りたい生徒たちのテストがある、多くの生徒がテストを受けに来るけど、受け終わったら泣いて帰ってくることもあるそうだ。しかも生徒会のメンバーは合計で10人しか居ない。

「君には今からテストを受けてもらう」

「あの、俺の噂知ってますよね?大丈夫なんですか」

「もしかして合格すると思ってるのか」

「は、はい」

「もちろん、私はお前の噂を知っている、後相馬のこともな」

「え?」

「ああ、私は2年生だよ。ここは特殊なんだ、学力が一番の人が生徒会長になるだよ」

 なんだと、この人がこの高校でトップも人なのか。本当に高嶺の花だ。

 二年生だから相馬のことを知っていたんだな。

「多分受かりますよ?」

「相当難しいぞ」

 午後の授業は免除になり、別室でテストを受けていた。

 10教科。いくら何でも多すぎ。テスト時間は2時間。

 数学、国語、英語、ビジネス、古文、財務、ソフトウェア、社会、地理、世界史。

 この教科をみて思ったことは、罠があるということ。

 一つのテストは100点。合計で1000点。

 それでだ、合格点は500点。つまり、テストはもう始まっている。

 簡単なこと、まず俺達の高校で勉強する教科は、数学、国語、英語、世界史、地理、この5教科。じゃあ、後の5教科はフェイクだ。

普通に考えると半分の点数を合格点にするはずがない。それなら、多くの人が合格をしてるだろう。後、時間的にも無理だ。

 俺は、5教科を解いた。簡単だった。多分テスト自体は簡単に作られている。ただ、この10教科のうち間違えた教科を解いたら受かることはないだろう。

 テストが終わり生徒会室に持っていった。

「ほう、無事に解けたみたいね、じゃ、結果は全校集会の時に」

 え?そんな所で発表すること?

 合格しても、しなくても恥ずかしい。

 夏の暑さが感じる体育館に総勢800人が集まっていた。なんでこの場所なんだよ。

「みなさん静かに」

 凜が挨拶をするとみんが同じ方向を向く。神のお告げかな?

「今日集まってもらったのは、生徒会についてだ」

 うおーとお盛り上がっている。そんな盛り上がることなんですかね。

 新しい人が入るの半年ぶりだよね。誰が入るんだろうね、やっぱあの人じゃね。二年の方から聞こえてくる。

 多分俺ですよー、ごめんだけど俺です。

「生徒会メンバーに新しく入ったのは、斎藤早百合、早川成瀬、藤波志保」

 え、えええええええええええ、嘘でしょ?いつの間に、テスト受けたんだよ。てか、テスト合格したんかい。

 早川成瀬って頭あんなに良かったか?

 で、俺は落ちたのか。

「そして、私と同等レベルで、次期生徒会長であることが決定している人がいる」

 まじかよ、誰だよ、頭良すぎじゃない、天才だ、そんな声がちらほら。

 いったい誰なんだろう

「その人は、真治拓哉、君だ」

 俺の方を指をさす。え、えええええええええ

 早百合、志保、成瀬は俺の方を向く、どうやら、やってしまったみたいだ。

 まだ、俺の印象は最悪のままなんですが。助けてよ神様

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