33話 これはラブコメなのか
夏休み2日前、一年の1~6クラスの代表者が会議室に集まっていた。クラスからそれぞれ二名。
その会議室に何故か俺がいる。
ことの発端は、昨日生徒会長から、この会議のリーダーを任された。
俺は、生徒会から追い出されていなく、また、次期生徒会長が確定したらしい。直美は深く反省をしていたので、俺は許して、たまに勉強を一緒にしている。
なぜ、あそこまで嫉妬深くなってしまったのかはわからない、けど、ゆっくり歩めばいいと思っている。
まあ、問題は解決した。だが、だがだ、なんで、俺がこの会議のリーダーやねん。しかも、次期生徒会長は決まっている。まあ、頑張るか。
俺は、周りを見渡す。
一組からは、花梨と裕也が来ているいかにもカップルだ。周りの人なんて関係なしに、イチャイチャを始めている。ここ、公共の場所ですよ。
二組からは、成瀬、早百合が来ていた。まあ、じゃんけんで負けたんだろう。
三組からは、志保と寛治が来ていた。寛治は筋肉が凄い、とにかくすごい。
四組からは、琴音と環奈が来ていた。環奈は退屈そうな顔をしながら周りを見渡している。その時、俺と目が合い、お互い気まずくなる。俺は急いで目を逸らす。
五組からは、咲と優愛が来ていた。一言でいうなら、美少女である。
六組からは、優香と幸が来ていた。幸は明るい性格だと見ていてわかる、ずっと喋っているから。一方優香はどこか静かな感じがする。
で、俺の隣に座っている、生徒会長の凜先輩。
なんで、俺がいるのここに。俺がここに居ていいのかよ。
俺の肩をトントンと叩かれる。横を向くと、拳一個分くらいの距離に顔があった。優香だった。
「君、優しい匂いがする」
優香は意味わからないことを言う。
「あの、近いとおもいますけど?」
「そう」
そうと言っているのに、ずっと距離が近い。本当に近い。
「あ、あのー」
「....」
2分いや、3分ほど見つめ合い、優香は自分の席に戻って行った。
周りの人は俺たちを見ていた。
えー本当に居場所がなくなりましたよ。今ので。
俺は咳ばらいをして声を出す。
「ええ、今日集まっていたらき、ありがとうございます。それで、今日集まってもらった理由は、夏休みの後半、みなさんには旅行を行ってもらいます」
「ええええええええええええ」
と周りの人たちは叫ぶ。それもそのはずだ、俺もこの話を聞いた時、びっくりしすぎて、腰を3回くらい抜かしたから。
「それは、強制でしょうか?」
筋肉質な、寛治が手を挙げて言う。
「いえ、強制ではありません。けど、生徒会長になれる可能性があります」
全員の目の色が変わる。
「それは、どんな?」
「そうですね、今のところ俺が生徒会長で確定しています。それは、あまりにも簡単に決まりすぎてしまっていると問題になりました。そこで、生徒会長の凜さんから提案を聞かされました。この、旅行で一番プレゼンが良かった人や、様々なイベントでの活躍した人にプラス点をつけて拓哉とポイントが高い人が選挙をすると提案されました」
周りはざわつく。俺も正直自分が何を言ってるのかわからない。
「メンバーはこの人たちで決定なんですか?」
「いえ、皆さんにはクラスでもう一度代表者を決めてもらい、旅行の日に来た人が対象者になります」
「なるほど、わかりました。ありがとうございます」
その後、どのように評価をするかとか、どんな活動内容なのかなど、の説明をした。
「では、何か質問がある人はいますか?」
「はい、あの、二年生もくるってことですよね?」
環奈が手を挙げて言う。
「はい、そうなります」
「他に質問がある人はいますか?」
「.....」
「いないようなので、今日は解散です。お疲れさまでした」
俺の一言でみんなが席を立ち、会議室を後にした。
「じゃあーね拓哉っち」
ドアの方を向くと、環奈が手を振って俺の名前を呼んでいた。えーと、え?
そして、それだけを言い姿を消した。
会議室には俺と凜先輩が残っていた。
「拓哉、提案なんだが」
「はい?」
「私と夏休み海に行かないか?」
「へ?」
「その、なんだ、お詫びだ」
お詫びか、お詫びなら仕方ないか、ってなれるかよ。う、海って、しかも二人で。いや、お詫びだぞ。相手には恋愛感情なんてあるわけない。それなら俺だけ妄想するのはキモいな。
「わかりました」
「本当か!」
思いっきりガッツポーズをする凜先輩。あれ、なんかめっちゃ喜んでない。
てか、筋トレしよ。
凜先輩は先に教室に戻り、俺は戸締りをしていた。
その時、足音がした。後ろを向くと、琴音がいた。
「ねえ、私の家に遊びに来てくれない?その、あなたに贈りたい曲があるの、いいかな?」
「うん、いつでも行くよ」
「嬉しい、じゃあ、後で連絡するね。大好きだよ」
大好きが口癖は相当まずいですよ~。琴音はそれだけ言い会議室を出た。
可愛すぎでしょ。本当に。
俺は、うきうきになりながら戸締りをしていた。その時、足音がした。後ろを向くと、直美がいた。
「あのさ、夏休みも一緒に勉強をしてくれるかな?」
丸眼鏡を整える仕草をする。丸眼鏡似合いすぎだよ。
「もちろん、いつでもいいよ」
「ありがとう、じゃあ」
それだけ、言い会議室を出た。
俺は戸締りを終えて会議室を出ようとした時、足音がした、横を向くと早百合がいた。
「まあ、私と一緒に遊びたいなら、いつでも家にきていいわ」
「あ、ああ、行くよ」
「ふん、当然ね、あなたしか家に呼んでないからね」
あのー可愛すぎじゃねその発言。
それだけ、いい走って行った。
俺は会議室のカギを閉め、歩き始める。
その時、視界が暗くなる。
「だーれだ」
「志保」
「正解」
なんやねんこの問題。
「他の人と遊んだらダメだよ、夏休みは私と24時間一緒に家で遊んでね、私の愛をあげるから」
「できるだけねいるよ」
「本当に?大好きだよ、私の拓哉」
俺の右腕に抱き付く志保。
あのーここ学校ですよ?俺は戸惑ながらも、教室に向かった。
俺は自分の席に座り、スマホを確認する。
6件の通知が来ていた。
それを見て思う、俺ってもしかしてモテてる?




