学校から国家へ
時は20xx年、中国による侵攻を退けた日本は大量の若者を失った反動で残った若者を少数精鋭にしようとし、英才教育を10本ぐらい束ねて若者を殴った結果、不満が爆発。
学校完全破壊を目指す過激派NATO(なんとしても明日から登校しないぞ機構)と、教育は小学までで十分だと主張する穏健派CSTO(ちょっとサボるから登校しないぜ機構)が共同で教育委員会、文科省に対し宣戦布告。
集団不登校や文科省前でのデモといった活動を行い始めた。
酷い場合だと先生を学校から追い出してみんなでゲームをやり始める始末。
このときのデモで学生が叫んでいた文言が当時の状況を詳しく示している。
「ハイル・ヒルネ!ハイル・サボリ!」
これに対し日本政府は国を滅ぼす愚かな活動だとし、即座の中止を命令。固まっているところに催涙弾を撃ち込み、陣形がバラバラになったところにテーザー銃を撃つといった革新的な方法で鎮圧を始めた。
一方、NATOやCSTOも催涙弾の格納庫を襲撃するなどして対抗。機動隊は催涙弾で陣形を崩せなくなり、お互い盾と槍を装備したファランクスで衝突し始めた。中にはブルドーザーに鉄板貼り付けて機動隊の装甲車と戦うこともあった。
だが大した武器も練度も無い学生と殺傷兵器が禁じられた警察、この戦いは泥沼化し既に5年も続いている...
というよりも最初の1年で警察は諦めた。
中国との戦争時、東京が飢餓状態に陥ったことにより多数建設された分散首都の一つ、札幌には北海道に土地が余っていることから多数の学校が建設されていたのもあり、今やスラム街もびっくりの無法地帯と化している。
今や警察や国防軍ですら誰も行きたがらず、放置されているため元々学生だった者たちがそれぞれの母校を拠点として軍閥を形成。
また、先の戦争の残りカスとも言える武装解除された中国軍の兵器が北海道に半ば放置されていたためにタリバンもびっくりの軍事力を持ってしまい、挙げ句北海道に田んぼや畑が多かったこともあり学生たちが食う飯どころか他国に食料を輸出までしていた。
これにより金のかかる軍隊の維持は勿論、割と真面目に市区町村作れるぐらいの金が手に入ったためそれぞれが勝手に独立国を名乗り畑の縄張りなどを主張し合っては衝突していた。勿論死者も出る。
しかし、それでも止まらない。
やがて、既に学校をサボるという目的を達成したにも関わらず、各軍閥が新たな思想を掲げて闘争を繰り広げ始めた。
例えば有力軍閥の一つ、日本国家再生委員会は学校のない日本を作ろうと日々謀略と戦争の容易に励んでいる。
例えば有力派閥の一つ、日本学校再生委員会は再び21世紀初頭のまともな学校を作ろうと日々謀略と戦争の容易に励んでいる。
例えば有力派閥の一つ、人類殲滅解放委員会は全人類を核兵器で"救済"しようと日々謀略と核戦争の容易に励んでいる。
例えば有力派閥の一つ、人類現実逃避解放委員会は全人類をヤク中にして苦しみから"解放"しようと日々白い粉と運搬手段の調達に励んでいる。
例えば有力派閥の一つ、札幌食料配布連合は全世界の人に無料で食料を配ろうと肥料とトラクターの調達に励んでいる。
例えば有力派閥の一つ、日本娯楽追求委員会は全世界でゲームにのめり込むことこそが世界平和につながるとし、全世界に画期的なVRMMOを普及させるために資金と人材の調達に励んでいる。
あれ?なんか場違いが2つ混じっているような...気の所為かな。