新世界1代目
私は初めて炎の柱をみた。それはとても危険で、恐ろしい物なのは分かっていた。
それなのに何故だろうか、あの炎は美しく、ついつい見惚れてしまった。
300年前の我が友人よ。君達の努力やっと書ける事に私は喜びを感じている。
新世界が始まったのは夏の確か、、8月の2日だっただろうか。友達と歩きながら、さぁ!帰ろうと、言う時に新世界の幕が開けた。
私達の背後か自分が飛ばされるのではないか?と心配になる程の暴風が私達を襲った。
突然の暴風で私のスマホは飛ばされしまった。
私達、いや、この町に住んでいる者は全員何事だと暴風の吹く方へ体を向けた。
「うっそだろ?」
言葉通り嘘としか思えない光景だった。
無になってしまった私の耳に入ったのは剣一の声だった。情報の整理で体が固まっていたが、剣一の声で私の体は動き出した。
「いこ?ちょっと!行こうよ!」
先程の私の様に固まっている他の友達を慌ててを逃げる様に呼びかけ、全力で走り出した。二十階以上はあるビルを隙間も見せず包むその炎から背を向け、私達はこの町にいる誰よりも早く逃げ出した。
何処へ向かうかも決めず、ただあの炎から離れる為だけに走った。
「はぁ」
上を見ると先程まで期限の良さそうな赤い夕焼けは、気付いた時には灰色で悲しい気分にさせる空に変わり果てていた。
周りを見ても誰もいない。目に映るのは潰れたビルと死体だけ。
友達とは私が無我夢中で走っているうちに逸れてしまった。
そろそろ立ち上がらないと、、、アイツが来る。