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沼の主 ヒドラかオロチか 九頭竜か

 ミラによる土地の浄化で燻し出されて来たラミアを倒したが、まだ大物が居る。

 それの露払いの様な小物の蛇の魔物が20匹くらい出て来たが、こんな小物は物の数ではない。

 其奴らを片付けるといよいよ出て来た!


「なっ!」

 全身が青い鱗に包まれた、体長が10メートル以上あるドラゴンだ!

 しかも、角が無い頭が複数有る!数えてみよう!

 1、2、3…兎に角たくさんの頭が有る!

「先生!そいつは9つの頭があります!」

 ロンが叫んで教えてくれたが、本当に9つも頭が有るのか?

 もう1度数えてみよう。

「動くな!数えられないだろ!」

 と叫んだ所で俺の言う事を聞くはずもなく、推定9つの頭をグニョグニョと動かす。ロンはよく数えられたな。


 これと日本の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)は親戚筋とかなのだろか?

 多頭竜も亜種とかあるのか?そうなると九頭竜はどういう立ち位置になるのか?

 八岐大蛇は酒を飲ませて倒したが、コイツに飲ませるのは勿体ない!

 人間じゃないけど、八岐大蛇って日本初の酒で潰れた奴となるのかな?

 それはさて置き、今夜の美味しいお酒の為に倒すとしますか。


「先生!強力な毒を持っているかも知れませんから気を付けて下さい!」

 流石はテイマーの端くれ!それじゃ一気に片付けるとしますか。

 取り敢えず、名前が分からないから9つの頭が有る蛇にちなんで、ヒドラとこの場では呼ぶ。正式名称は後で詳しい人に聞こう。

 そんな事や、どの魔法を仕掛けるか考えている時だった。

「ぶぉ!」

 ヒドラの複数の口から一斉放水されて、魔法を使うタイミングを逸した。

 この水勢、水を出して沼を作ったのはこのヒドラで間違い無さそうだ。

 って言うか、蛇って水を出すのか?沼に住んでいるっていうだけで、毒は出しても水は出さないんじゃなってのか?

 辺り一面水浸しで雷魔法はもう使えない。俺まで感電する訳にはいかないからな。


 こうなると使う魔法を考えざるを得ない。炎系は水で反撃されるだろうし、水に水もダメだろう。

 ヨシ、ラミアみたいに凍らせよう。水はたっぷりだからよく凍り付きそうだ。

 俺は再び釘を打てるバナナと触れたら砕け散る薔薇をイメージした。

 するとヒドラだけに留まらす、水浸しだった周りの土まで一気に凍り付いた!

「勝った!」

 だがそれも束の間、白く凍り付いた首が砕け散り新しい首が再生した!

 どうやら首を全部獲らないと再生する様だ。だからヒドラは凍り付く瞬間に中心部の首を周囲の首で囲んで守った様だ。意外と頭が良いな!


 凍らせてもダメなら如何するか。

 今までのドラゴンには、オウルドラゴンはゴーレムで墜落させて仕留めたし、ザトペックは闇で包んだ。ワイバーンは火災旋風で空中でこんがりと焼いた。

 ゴーレムは水圧で近付けないと思うし、これ程の魔物を闇で包む事に不安がゼロではない。

 頭も悪くないから、竜巻が来た時点で地中に戻るかも知れない。レーザーはピンポイントで一撃必殺の技なので今回は不向き。

 半端な魔法は跳ね返されると見て間違いないだろう。あの首がある限り接近戦なんてもっての外だ!


 待てよ、最初のレビンの後は水が止んでた。もしかしたら雷魔法で気絶くらいはするのかも知れない。

 そう考えた俺は左手で風属性の魔法を地面に向けた。この濡れた地面に立って居なければ感電はしない筈だ。

 ホバークラフトの要領でバランスを取りながら風圧で自分の体を宙に浮かせる。

「レビン!」

 ここで改めて雷魔法を使う。案の定、ヒドラはぐったりして動かなくなった。

 ここで改めてヒドラを全て凍らせる。辺り一面ごとカチコチに凍らせた。

 強敵であったがこれで終わりだ。このヒドラも街の外で葬ってやろう。


「あっ!」

 地面が凍っているからゴーレムが滑って、ヒドラは見る影もなく砕け散ってしまった。

 首は全て折れて、胴体もヒビ割れてしまっている。

 ツルツルに下が凍っている。こうなるとヒドラはゴーレムに冷凍マグロの様な扱いを受けて運ばれて行った。


 その胴体を見て思った。

 別に剣で戦っている訳じゃないんだから、あの無防備な胴体を狙えば楽に勝てたんじゃね?

 

 まだ実戦経験を積まないといけない様だ。

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