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魔の者と 戦いません オッサンは

 ロンにはまだ聞きたい事が有る。

「俺がお前から奪ったドラゴンは、何て言う種類のドラゴンだ?」

 小型の恐竜の様な奴等をドラゴンと呼ぶには違和感をずっと感じている。

「あれは、ザトペックです。ザトペックドラゴンとも言います」

「ザトペック?」

「はい。名付けた人間の名前が由来だそうです」

 これで違和感は1つ解消した。次の違和感。


「そのザトペックとワイバーンは誰に用意してもらった?」

「えっ?」

 ロンは酷く驚いた顔をするが、これは対決した時から抱いていた疑問だ。

 完全にロンの支配下のザトペックなら、あの程度の陰魔法で簡単に俺になびかないだろう。

 ロンよりも格上のテイマーから貰い受けて間もないと推測したが、どうだろうか?

「先生、流石です!」

 やはり睨んだ通りだ。

「テイマーになりましたが、思い通りに行かなくて。そんな時に声を掛けられました」

「誰に」

「何処の誰かは分かりませんが、ドラゴンを譲ってくれると言うので飛び付きました」

 ダメなテイマーの弱味に付け込んだか。


「それで俺を倒す様に言われたのか?」

「はい。ドラゴンを倒せる魔道士を倒せば、押しも押されぬ一流テイマーだと言われまして」

「俺も自分で思うよりも有名人だな!」

 ロンが俺に挑んだ事を申し訳なく思わない様に、必要以上に明るく答える。

 まだ背後関係が判明していないが、ロンは俺の力量を計る為の捨て駒か?

 統制の取れていないザトペックは数での威圧。そして本命はワイバーン。

ワイバーンとザトペックでは鍛え方が全然違う。ロンの指示に従うワイバーンは、前の主にかなり鍛えられていたに違いない。

 何者かは分からないが、俺がワイバーンを空中でこんがりと焼く所を、高みの見物と洒落込んでいたのかも知れない。

 

 ロンにドラゴンを渡した者について考えると、聖女アリアの話が頭を過る。

『魔物を作り出し、操る魔の者』

 魔物であるドラゴンを操り、景気良く他人に譲渡出来きる。それってもしかしたら魔族なのか?

 確かにイメージ的に出来てもおかしくないが、ここって、魔族とか居る世界なのか?

 異世界から来て、魔族と戦うチート能力者は居るだろうけど、そういう事は30歳以下限定でお願いしたい!

 40代は、いざという時の瞬発力に不安が有るから魔族とかと戦ったらダメでしょう!

 普通のテイマーであります様に!


 ロンに別室で話を聞いている内に開店の時間となり、最早店内に俺達のテーブルは無い。

 仕方ない。この飾り気の無い事務所兼倉庫で賄いの残りを酒で流し込むとしよう!


「それにしても、先生。他人の事は言えませんが、先生に挑んで来ようと言う者がこれから先、もっと出そうですね」

「そうか?」

「はい。ドラゴンを譲ってくれた男は他にも声を掛けている雰囲気でした」

 厄介な事は御免被りたいけど。

「今の所は勝負を挑んで来たのはお前だけだな。暗殺者なら来たけど」

「先生のお命が狙われた?」

「もちろん撃退した。降り掛かる火の粉は振り払わないとな!」

 言い終わり思い出した!そう言えば、すっかり忘れていた。

 暗殺者を1人、陰魔法で拘束していた!

 精神が崩壊してなければ良いのだが。何も聞き出せなくなってしまう。

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