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摩訶不思議 ウチのミラちゃん 急成長

 アラームのけたたましい音で目が覚める。

「煩いね!」

 いつの間にかミラがベッドに潜り込んでいた!眠りが深かったのか、全く気が付かなかった。

 スマホを操作してアラームを止める俺をミラがまじまじと見つめている。

「エイジ、それは何?」

「これは魔道具!俺しか使えない!」

 指紋認証あるし。

「ミラも寝ていたのか?」

「うん!少しだけどね」

「違うベッドでゆっくり寝れば良かったのに」

「ううん。エイジの所が良かったの!」

 首を横に振った後、嬉しい事言ってくれる!父親ってこんな感じなのかな?


「ミラお前、何か変わってないか?」

「なにが?」

 ミラに何か違和感を感じる。顔立ちも子供から少女へと少し成長したような気がする。

「ミラ、立ってみろ!」

 慌ててミラを立たせると、明らかに大きくなっている!大きかった服がピッタリになっている。見た目だが、20センチくらい大きくなっていると思う。

 クレアは、すぐに大きくなりますよ!なんて言ってたが、すぐ過ぎるだろ!


 ミラを連れて階段を下りる。取り敢えずはクロエとクレアに相談してみよう!

 するとちょうどリックが到着したらしい。

 当たり前だが、皆がミラに驚いている。


「ミラ、どうしたのですか?突然、大きくなって!」

 ミラだって聞かれても答えられないだろう、リック。

「ミラちゃん、お昼ご飯のキノコのせい?」

 クロエ、確かにキノコはカルシウムの吸収を促すビタミンDが豊富だが、それは無い!それに第一、キノコで大きくなるって何処のゲームキャラだ!

「これで、そのワンピースのサイズが合いますね!」

 クレア、それ今言う台詞か?この分だと明日には大人の服を用意してもらわなければならないぞ!

 

「まさか、エイジの魔法?」

 リックがミラをまざまざと見つめて漏らした。

「いくら何でもそれは無い!」

 そんな魔法は有っても使わないと思う。

 ミラの事は謎だらけだが、考えても分からないので止める。ミラも辛いだろうし。


 リックが話が有ると言うので、クロエとクレアはミラを連れて出掛けてくれた。

 ミラは何事も無かったかの様に明るくて助かる。


「エイジ、残念ながら牛も羊も用意出来ませんでした」

「そうか。この町にはいないか」

「商人が売りに来てもすぐに全部が食肉となるそうです」

「オウルドラゴンが夜に出るのなら何故、昼に入れないんだろ?」

「それが、昼に何度となく盗賊に襲われたそうなんです!」

「商人がか?」

 リックは俺の目を見て頷く。

「あいつらか?」

「恐らくは」

「なるほど!」

 食糧難と盗賊とオウルドラゴンの関係が分かった!


「あいつら、昼に盗賊として牛売りの商人を襲って、牛を奪った!何回も!」

「ええ」

「その牛の何頭かで野生のオウルドラゴンを餌付けしてたんだ!自分達は夜に休む為に!」

「それで、急に出現する様になったのですね?」

「タイミング的に間違い無い!」

「餌づけ場所は、あそこですね」

 リックがニヤリとした。多分、俺も同じ表情だろう。


「それでこの町には昼は盗賊、夜はオウルドラゴンが出て食肉用の牛や羊は搬入出来なくなった!」

「そうなると、この町には牛売りの商人は来なくなり、肉が不足します」

「ああ、食材不足となり需要と供給のバランスで肉の価格が跳ね上がったら、少量ずつ売る」

「商人として、ですね!」

「他の商人が町に入れないから独占出来る!正規の価格の数倍で売れる」

「盗賊はエイジが壊滅させましたが」

「その事を知っているのは、俺とリック以外は全員ソマキの村に居る。商人も、この町の人間も誰も知らない」


「オウルドラゴンですが、餌付けしていた盗賊は居なくなりましたが?」

「人間が食べる為の牛を食べていたんだ。元の野生には戻れない。オウルドラゴンもある意味、盗賊の被害者だ」

 少し同情もするが、駆除しないと今度は人間を襲うだろう。

 猟友会の人もこんな気持ちなのかな?

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