ビジネスを クレアの胸で 閃いた!
クロエとクレアが、それぞれ腕に抱き付いている事は大歓迎だが腕が動かせない!
次の行動に移りたくても、動けない!
仕方ないので、成り行きに身を任せる仕方ない。
「ねぇ、エイジさん。町の外は魔物が居て危ないわ。ここに居ない?」
「そうよ!お姉ちゃんも私も大歓迎よ!」
特にクレアは酔うと人格が変わる様だ。
だが、良かったのはここまで。姉妹はその体勢のまま寝落ちしてしまった。
2人の抱き枕になったのは良いが、座ったまま寝ないでくれ!
それにしても、我ながら節操ない。
ソフィに振られてまだ、14時間くらいしか経ってないのに。
普通なら今夜はそれを理由に飲んだくれる所なのに、この姉妹のお陰で、そんな事をせずに済んでいる。
って言うか、そうしたかったのだから、どっちか付き合え!
寝たらその後の展開に持ち込めないでしょうが!
気分が落ち着いて分かる事が有った。
クレアの胸の感触が、変だ!
クロエは、普通に柔らかい。しかし、クレアは何となく固い感じがするのだ。
俺は何とかして自由を取り戻す為に、動かせる肘から下を駆使して姉妹による拘束を解こうとする。
やっぱり変だ!
クロエの方は動かす度に、ムニュムニュと如何にも柔らかい物が動いています!って感じで動くのに対し、クレアの方はそんな事はなかった。
1つの仮説に行き着く。
パット?
それ以外に有り得ない。クレアの意外な一面を見た気がした。
クロエもクレアも椅子で寝ている。横にしてやりたいが、ベッドなど店内に有る筈もない。
俺も椅子で寝る事にする。
考えてみれば異世界に来て4度目の夜だが、1度もベッドで寝た事が無い。横になって寝たのは昨晩だけだ!流石に眠い。
気が付けば寝ていた。どうやら明け方か、空が薄ら明るくなってきている。人の声も僅かに聞こえる。
クロエもクレアもまだ寝ているが、俺はもう寝られそうにない。
彼女たちが起きるまでの間にクロエに教えるメニューを考えるが、考えがまとまらない。材料が違い過ぎるからだ。
ここには味噌も醤油も無い。スパイスもあまり無さそうだ。
肉、魚、野菜全てが日本なら何の苦労も無く手に入れられるが、ここではそうはいかない。
こうなると俺が出来る料理なんて限られてしまう。
しかし、これが出来れば姉妹丼!
今度こそ、の思いだ!
「あっ、おはようございます。エイジさん」
暫くしてクレアが起きてきた。微妙な気分だが、何も気が付かなかった振りをしてやるか。
「おはよう、クレア」
「すみません!私たち酔い潰れてしまって」
クレアはクロエをさすって起こそうとしている。
「姉さん!起きて、姉さん!」
「クレア?」
「エイジさんはもう起きているわよ」
クロエはスクッと立ち上がると周りを見渡し、俺を発見すると恐縮した様な笑顔を見せる。
「おはようございます」
「おはよう、クロエ」
「やだぁ、私たちここで寝てたの?」
「覚えてないか?両手に花で良かったけど」
「エイジさんったら!」
クロエがしきりに照れている。こういう仕草は可愛い!
まだ朝早い。だが時間の割には外が騒がしい。
「外が騒がしいな」
「ここは宿屋が多いから」
窓から外を覗く俺に、クロエがテーブルの上を片付けながら答えた。
「宿屋?」
「旅人は日の出から出るからね」
夜は危ないから、日の出ている間に次の町に行かなければならない。必然的に朝早く出なければならないのか。
「彼等は朝食は食べたのかな?」
「出す宿屋も有りますが、何も食べないで行く旅人も多いと聞いています」
「朝食を食べられる店は?」
「こんな時間に開いている店なんて有りませんよ」
今度は、やはり片付けをしているクレアが答える。クレアを見るとどうしても胸に目が行ってしまう。
そんな、上げ底みたいな事をしなくても可愛いのに。
ん、待てよ。
朝早いのに人出がある、飯を抜く人、上げ底…。
「コンビニやるか!」




