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今度こそ 目指せ異世界 姉妹丼

 宿屋を出る際に女将に言われた。

「入り口を閉めたら朝まで開けないよ!」

 それしきの事は俺を縛る理由にはならない。何故なら、俺を待つ姉妹が居る限り、行かなければならないからだ!

 

 さっきの魔物らしき光景と関係有るのか、同じ道とは思えない位、徒歩1分のレストランまでの間には人を見かけなかった。

「お待たせ」

 店の中ではクレアだけが待っていた。

「クレアだけ?クロエはどうした?」

「姉さんはさっきまで厨房の片付けをしていました。今着替えていますから、少々お待ち下さい」

 着替えているのか、それは楽しみだ。

 ちなみにクレアはウエイトレスの格好のままだ。それはそれで結構!


「あら、エイジさん。いらっしゃい!」

 程なくクロエが現れる。白い調理服から、淡い青の服に着替えて来た。この服、胸元が大きく開いているのがポイント高い!

「何?ジロジロ見て」

 クロエは照れているが、その服は絶対、狙っているだろ!


「エイジさん、お酒ですよね?」

 クレアがワインの瓶とグラスを3つ用意している。

「もちろん!」

 クレアはグラスにワインを注ぎ、準備は万端。

「乾杯!」

 ワインはまず見て楽しむ。次に香りを楽しむ。そして口に含む。やってみたが、知識は付け焼き刃だ。

「エイジさんって、ワインに拘りがありますか?」

「ワインって、拘りが無い人っているのか?」

 聞いてきたクレアにそう答えるが、ワインに拘りが無い人間とは、俺だ!

「エイジさんの拘りって聞いてみたいわ」

「拘りなんて、抱える物であって語る物じゃない」

 今度はクロエに答える。語りたくても語れない。何しろ、付け焼き刃なので!


「それよりも、さっき町の外で無数の魔法が使われた様だが、あれが魔物?」

「話す前に分かるなんて流石ね!」

 流石って、クロエはどういう訳か俺を買い被っている。

「実は、この店の状態はあの魔物のせいなのです!」

「どういう事?」

 クレアに聞く。彼女の言う、状態とは経営状態の事で間違い無いだろう。

「あの魔物が出て以来、物流が滞る様になったの。食材が入り難くなったの」

「食材が?」

 それなら町はもっと緊迫していそうな感じだけど。


「魔物は町を襲う訳ではありません。町の中の畑で採れる野菜や、町の中で飼われている鶏肉、町の川で釣れる魚は有りますが、町の外から入る他の食材が入らなくなりました」

 クレアが力無く語った。

「その材料も配給制になったり、取り引き出来ても高騰して、私たちじゃ手が出ない」

 クロエが怒りながら言った。


「でも、この店以外は繁盛していたが」

「彼奴らは役人に裏金掴ませている!その分が上乗せされた代金を支払うのは、魔物退治に来た冒険者よ」

「私たちは、そんな事出来ません」

「しようとしても、出すお金が無いんだけどね」

 姉妹は揃って、力無く笑うしかなかった。

 

「そんな事より、飲みましょ!エイジさんが教えてくれた、天ぷら!あれなら、今でも揃う材料で出来るわ!」

 俺が教えた天ぷらなんて、本当になんちゃってだ!

 全国の天麩羅好きに申し訳ない気持ちだが、渋谷の某そば屋の、外はガリガリ中はねっとり!というかき揚げよりかは美味い自信は有る!

 

「あの後で、自分で作ったの。食べてみて」

 クロエが言い終わるタイミングで、クレアが天ぷらの乗った皿を出して来た。

 天ぷらにも注目だが、それ以上に身を乗り出して来たクロエが程々サイズの胸の谷間を見せ付けている!これは見なければ失礼だろう!


「店にまだあった材料を揚げました。エイジさんの魔法の火はありませんが、姉さん頑張っていました。食べてみて下さい」

 クロエが1人で作った天ぷらは美味かった!

 食も酒も進む!


 気が付けば、3人ともかなり酒が進んでいる。

「ねぇ、エイジさん。私にもっと料理を教えて」

「そうね!店は助かるわ!」

「分かった!教えてやる!」

 酔って気が大きくなっている。

「本当!嬉しい!」

 酔ったクロエが抱き付いて来た!そのまま俺の左腕を抱き締めて、胸の谷間に俺の左腕を挟み込む!

 俺も、嬉しい!


「あ、お姉ちゃん!ずるい!」

 酔っているからか、クロエの呼び方が変わっている。それはそれで可愛い!

 次の瞬間、今度はクレアが右腕に抱き付いて来た!ウエイトレスの服なので谷間には挟まれなかっが、感触はしっかりと伝わる!


 ソマキでは失敗したが、今度の姉妹丼はいけるかも!

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