女たち それぞれ事情が 有るようだ
「ステラ!」
「あの、エイジ」
このステラとは婚約者の母としての出会いであったが、アラサーの美女に大人の色気を感じた俺と惹かれ合っていた。
この世界では三十路の女は終わった女として扱われるそうだが、現代日本から来た俺に取ってはストライクゾーンだった。
ソマキ村で行われたソフィの元婚約者のアランとの決闘で、アランを庇うソフィに振られた俺はリックと共に村を出たのだが、その際の唯一の気掛かりがステラだった。
まさかアルフレッドと結婚したとは!
「エイッさん、ステラからは言い辛いだろうから俺から言わせてくれ」
いや、そこまで気を遣ってくれなくても構わないんだけど。
「実は…」
アルフレッドから説明を受ける。
何でも彼は盗賊に攫われて売られた女子供を可能な限り追っていた。保護、謝罪、そして補償の為に。その一環で俺が盗賊の村を滅ぼした際に、ソマキ村に移した盗賊の村の女子供から事情を聞く為にソマキ村を訪れたそうだ。
「それで何回か会っている内にお互いに気になったと言う訳なんだな」
「エイジはアベニールで若くてしっかりしている奥さんを娶ったって副村長から聞いていたから、もう待ってなくても良いかなって思って。でもこんな三十路女を相手にしてくれる人なんか居ないと思ってたけどこの人は違ったの」
「俺は年齢なんて気にならなかった。何とか話題を広げようとエイッさんの事をネタにしたら話が弾んで、あとは流れで…」
言いながら2人共照れているな。
でもステラの事は気になっていた。幸せになってくれたのなら何よりだ!
「おめでとうアルさん、ステラ。心の底から祝わせてもらうよ!」
「ありがとう、エイッさん」
ここでアルフレッドとガッチリと握手をする。俺の手を握る彼の腕の力の強さがステラの幸せを確信させた。
「心から祝福する、エリクソン伯爵!」
「えっ?」
「だから、今からアルさんがエリクソン伯爵だ。アルフレッド=エリクソン伯爵。本日付けで家督を譲り渡す!」
「いや、無理だよ! 俺に伯爵家の当主なんて!」
「私も、伯爵夫人だなんて!」
夫婦揃って同じ答えか。
「俺だってこれからスティード王国の国王になるんだ。だけど国王に必要な教養なんて全く無い。一緒に頑張ろう!」
2人は困惑しながらお互いの顔を見合わせている。それじゃ、トドメだ。
「国王陛下には俺が言っておく」
「えっ?」
ここで実は2人の知っている頃のリックはお忍びで国中を旅していた第3王子で、現在の国王だと打ち明けてみた。
「それじゃソマキ村は今の国王陛下を拘束していたの?」
「でも、それで俺達は出会えた」
あの納屋みたいな所に閉じ込められて、偶然出会ったのがリックだった。あそこでリックに出会わなければ今の俺は無いだろう。
そうそう、ソマキの村で思い出した。
「ステラ、ソフィはどうした?」
「ソフィ?……」
急にステラの表情が険しくなった。
「縁を切ったの。村からアランと一緒に出て行ったわ」
「絶縁とは穏やかじゃないな。あんなに仲が良かったのに」
「色々有ってね…」
これ以上は聞くのを止めよう。相手が言いたく無い事は聞かない。それが俺の流儀だ。
「そうだ、エイッさん。今晩は3人でどうだい?」
アルフレッドはグラスを傾ける仕草をする。つまりは飲もうって事で、この辺は元の世界と変わらないな。
「いや折角だけど、この領都にも妻になる女が2人居るから。今日は久し振りに会いに行こうかと思っていて」
「あら、お盛んね!」
何かステラから呆れられた様な視線を浴びせられるが、事実だから仕方ない。
スゴスゴと逃げる様に代官所を後にした俺は、エリスとローラの所へと向かった。
「もう、遅いです!」
「旦那様は私達の事を忘れたのかと思いました!」
エリスとローラ、すっかり影が薄くなったこの2人は同じ所に居る。結果として放置してしまって申し訳無く思う。
「あぁ旦那様」
ローラは甘える猫の様に近付くと、その豊満な胸を擦り付けて来る。相変わらずの爆乳だぁ。
一方のエリスには残念ながら豊満な胸は無い。でも俺はそんな事には拘らない。胸なんて無くても愛せる事はクレアで実証済みだ。
手持ち無沙汰なエリスを抱き寄せると、後は成り行きに身を任せるしかなかった。
このエリス、処女を喪失する度に余りにも痛がるので治癒魔法を施すと、痛みは消えて処女膜も復活。また破るとまた痛がるので治癒魔法を施す。これを繰り返して4回も処女を俺に捧げた女だ。この後に5回目の処女喪失をするのだが、6回目は無い様にしたい。
と思いつつ7回目の処女喪失でようやく女になった。




