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治癒をして スカウトされて 遊ばされ

「どうぞ此方へ」


 倒れたゲイリーが居ると思われる奥の部屋に足早に俺だけが通される。必要最小限の人間だけ通されるそうで、場所が場所だけにジョブにはエントランスで待ってもらう訳にもいかない。順番待ちの客に見えてしまうので。

 そこで、通信用にプチゴーレムを1体作り出しリックに渡す様に頼んで帰ってもらった。

 さて、それではその色欲に満ちた顔を拝ませてもらうとしますか!


「此方です!」


 1番奥の部屋のドアが開かれると部屋は意外と明るく、そこには裸に薄い布を羽織っただけの美女が数人居る。ドアを開けると同時にその美女達から一斉に注目を集めた。

 その美人軍団に囲まれて1人の男が横たわっている。全裸で!


「俺は治癒魔法が使える。まずは状況の説明をしてもらいたい」


「あっ、はい。殿下はここの娼婦全員を相手にされていました」


 マジかよ! その年齢で!

 このゲイリー、見た目からして40代後半以上ではないだろうか。少なくとも俺より年上だと思う。

 話から、権力を笠に着なきゃ女をモノに出来ない奴で風貌もヒキガエルの様な女にモテない奴を連想していたが、細身の長身で顔立ちも整っていてダンディさえムを感じさせる。

 その気になれば普通にモテると思うのだが。


治癒魔術師(ヒーラー)様、お願いします!」


 何となく服の形をした薄い布で身体を覆っただけの娼婦に囲まれて懇願されると満更でもなくなる!

 ほぼ見えているのは確信犯だよな?


「どうしてこうなったのか原因を究明する。色々と教えてくれ」

 

 この状況で直ぐにゲイリーを治すのは勿体ない!


「はい。殿下は私を可愛がって下さっている最中に急にお倒れに」


「どんな感じに?」


 パサッ!と彼女たちの身体を覆っていた薄布が次々と落ちていった。俺の質問が合図であったかの様に。

 よく数えてみると娼婦は全員で8人も居るぞ!

 明らかに供給過多だろ!


「それでは再現致します」


 全裸の美女8人と面と向かう事は想定外だった!

 平静を保てるのか、俺?

 いくら彼女たちのボディラインがうっとりするような見事な曲線でも、その色気に惑わされるな!


「あの治癒魔術師様、この様にしてまして」


「ちょっと、本当にやるの?」


 娼婦達は戸惑いながらも再現を始めたが、ゲイリー役も娼婦が演じるので百合にしか見えない!

 これって俺への御褒美かよ!


「なるほど!」


 話は簡単だ。

 ゲイリーの相手をした娼婦はこの8人だけじゃなくて、他にも6人居るらしい。

 合計出来14人か!

 そんな人数を相手にして休む事も忘れて男の本能を全快にしたんだ。


「つまり14人で順番にお相手を勤めていた訳だな?」


「はい。昨夜のお相手を勤めた6人は休んでいました」


 こんな集団で全裸の美女と対面出来る機会はそう無いだろうから脳内に焼き付ける事にしておいた。

 本当はスマホで写真か動画を撮りたかったが、それは流石に良心がブレーキを掛ける。 


「それでは治癒を始める!」


 さっさとやっては有り難みが無い。

 儀式はもったい付けて有り難みが出る物だ。


「ホォォ!」


 その気になれば一瞬で終わる。ただのやり過ぎて体力が尽きただけだから。

 盛りの付いた獣よりもバカな奴だよな。休み無くやって体力が尽きるとは、バカも陰部も丸出しかよ!


「ホォーハァァ!」


 こんな奇声を上げる必要も無いのだが、盛り上げる為にやってみた。

 でもまぁ、俺意外は全員が全裸という状況ももういいや。

 さっさと終わらせてゲイリーにはパンツくらいははいてもらおう。話はそれからだ。



「うおっ! ワシはどうしていたんじゃ?」


「危ない所でした。しかしもう心配ございません」


 娼婦達がゲイリーに事の次第を説明し、やっと本人にその自覚が出た様だ。

 さてと、意識も取り戻したし連れて帰るか。

 


「その顔立ちは外国人か。さてはお前が偉大なる伝説の大魔道士シーナの魔導書を読める魔道士か?」


「如何にも」


 ゲイリーの落ち着いた口調が俄に緊張感を高める。全裸だけどね。


「お前の噂は聞いている。ワシと組まぬか?」


「ご冗談を」


「ワシらを倒して何の利がある?」


「!」


 それを言われると何とも言えない。

 国家転覆を防ぐと言う目的は有るが、利益と言われると確かに微妙だ。成り行きでここまで来たから。


「ワシと組めば領主の座を保証しよう。金も女も思いのままだ!」


 高尚な目的が有る訳ではない人間に揺さ振りを掛けるなよ!


「断る!金は兎も角、女に不自由はしていない!」


「妻や親しい女が居る事など調べは付いている。だがな、お前は極上の女を知らないからその様な事が言えるのだ」


 確かにここの娼婦達の胸を果物に例えれば桃やメロン。クレアは苺?いやブルーベリーかな?


「極上の女を教えてやれ!」


「はぁーい!」


 娼婦達の声が揃ったかと思うと、あれよあれよと言う間に服を脱がされてしまった。


「えっ、あの、ちょっと!」


 人間って目の前の誘惑には勝てない物ですね。

 

 結局、色気には勝てずに身体強化を使いながら8人の相手をした。

 何かゲイリーは悪い奴じゃない気がしてきた。

 って、女を宛がうって悪企みの常套手段じゃねーか!

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