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勝敗は 策略次第で 変わる物

 要するに、あの剣に無力化されない距離で直接攻撃ではない魔法を使えば良い筈だ。

 

「これならどうだ!」


 奴の間合いギリギリの所で竜巻を発生させる。

 勿論、風魔法は通用しない事は判っているし、これで奴を倒そう何て思っていない。

 恐らくは1歩踏み込み、剣で魔法を無効化すると予想し、そして実際に奴はその通りに動いた!

 この調子で奴の行動パターンを読む!せいぜい予想通りに動いてくれ!


「悪あがきをするな!」


「諦めたら試合終了だからな!」


 対魔術師戦に熟れている奴がこの剣でどれだけの魔術師を負かして来たのかは判らない。

 軽口まで叩くのは経験から来る自信からなのだろう。

 その過剰な自信のお陰で勝てる方法が見付かった!


 火の玉やゴーレムは切れても、風は切れないから間合いに入れて消し去る。

 ならば元々、直接攻撃ではない魔法はどうだ?


「これならどうだ!」


 漆黒の闇を展開して奴を広い範囲で闇に包む。

 これもどうせ無効化されるだろうが、最初からこの魔法の本来の効果に期待はしていない。

 

「無駄だ!」


 そう言いながらゆっくりと歩く奴の声には余裕が伺える。

 闇が晴れた瞬間が勝負だ。

 俺は今の内に用意した2本の槍の1本を手に取り、臨戦態勢を整える。

  

「この闇だって俺に掛かればこの通りだ!」


 闇がどんどんと晴れていく。これも予想通りだし、こうなってもらわなければ困る。

 闇が晴れると同時に俺は新しい魔法を準備する。

 それは闇とは対極の属性、光だ!


「照明弾!」


 俺は自分の背後で照明弾をイメージした灯りを出現させた!

 暗所から急にこの光量だ、暫くの間は視覚を奪える筈だ!

 恐らくは俺以外のこの戦いを見ていた他の人間も奴ほどでは無いにしろ、同様だろう。


「うわぁっ!」


 奴は叫び声を1つ上げると、そのままうずくまってしまった。

 直接攻撃でなければ効くみたいだ。


「今だ!」


 俺は自分自身に身体強化魔法を掛けた。

 出来れば自分の手で人を殺したくはなかったが、こればかりは仕方ない。

 今まで人を殺めた事も有ったが、全て魔法を使ってだ。

 だから実感が無かった。自分の手で人や動物を殺めるって、出来ればこのまま無ければ良かったのに。


「んっ!」


 だが緊急事態だ。ここからは無酸素運動となる。

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