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3人の 四天王は 和気あいあい

「いいだろう!格の違いを見せ付けてやる!」


 四天王との勝負に敢えて乗る事にした。

 コイツらはきっと、ここで完膚無きまでに叩いておかないと後で何を言われるか判った物じゃない。

 

「先ずは俺だ!」


 黒いマントの男が前に出て来た。魔法と言うよりも肉弾戦の方が向いていそうな筋肉ダルマの巨漢で、コイツ自身がゴーレムの様だ。


「トルーマン公爵家筆頭魔術師、大地の牙、ダン・ハミルトン!」


 大地の牙って言う事は土属性か?

 おまけに牙なんて二つ名を名乗ったら、どんな魔法を使うのか予想出来る。

 普通は、土属性で巨漢が最初に出て来たら、やられキャラの筈だ!

 条件を満たしているのに筆頭魔術師とは!


「いや、筆頭魔術師は俺だろ!」

「いや、私だ」

「筆頭魔術師は私以外にいない!」


 他の3人から異論が出ている。

 どうやらコイツら全員に筆頭魔術師を名乗らせて、揃いも揃って公爵に上手く乗せられたらしい。


「俺が本物の筆頭魔術師だと証明してやる!降りてこい!」


「誰が筆頭魔術師だろうが、俺には関係無い。お前たちを全員倒すだけだ!」


 俺は城壁から降りる為だけに大サイズのゴーレムを作りだした。

 飛び降りて風圧で減速させても良かったが、奴が大地の牙なんて名乗るからにはきっと土から牙の様に先端が尖った突起を出す魔法が得意と見た。

 着地の瞬間を狙われると面倒かも知れない。油断は禁物だ!


「ゴーレムをこんな即時に、しかもこの動きは!」


 ダンとか名乗ったコイツが酷く驚いている。

 そういえば普通のゴーレムはもっと動きが鈍いと聞いていた。

 コイツは土魔法をよく理解しているからこその反応なんだな。

 

「さぁ、掛かって来い!土の牙!」


「大地の牙だ!」


 ムキになって怒るが、挑発は勝負事の基本!


「それじゃ始めるぞ!」


「掛かって来い!」


 先手必勝!とは行かずに序盤は相手の出方を伺う。

それはお互い様で、相手も動かない。

 

「おい、卑怯だぞ!掛かって来い!」


 訳の判らん事を言う奴だ。何か仕掛けてきそうな奴に無防備に突っ込む程の馬鹿ではないつもりだ。

 

「お前が攻め掛かって来たらタイミングを合わせて、俺の大地の牙で貫く!掛かって来い!」


 戦術をバラしてどうする?

 やっぱアホだ。

 さっさと終わらせよう。


「それじゃ、行くぞ!」


「ちょっと待て!」


「来いって言っただろうが!」


「詠唱を始める。合図してから来い!」


 他の3人も同レベルなのかな?

 全員まとめてぶっ放したくなってきた。


「良いぞ、来い!」


 俺は敢えて奴のご要望通りにツカツカと近付いてやる。

 足下の違和感を探りながら歩くのは、まるで竹の子を探して竹林を歩いているかの様だが、何カ所かで魔力を感じた。これが大地の牙か。

 

「クソ、何故出ない?」


 それは俺がもっと強い魔力で、そんな物騒な牙をふさいでいるから。

 でもこのまま不発では面白くないので、当たらない所のを解放してやる。


「これか!」


 かなりの勢いで地表から出て来た大地の牙は3メートルくらいの鋭角な三角錐だ。

 この魔力、四天王は伊達じゃないか。

 でも見た目は兎も角、実際には効率が悪そうだな。

 まともにヒットしなければ殺傷能力は無いと思う。これが本当にコイツの得意技なのか?


「これは大地の槍だ!大地の牙はこれじゃない!」


「牙を見せてみろよ!」


「待て!完全詠唱するには時間が掛かる。さっきの3倍くらい待て!」


「そんなに待てるか!」


 俺は力の差を見せ付ける為に、奴の大地の槍の更に下からゴーレムを作りだした!

 大地の槍をそのまま頭に乗せる様に作ったので宛ら、ゴーレムがとんがり帽子を被っている様だ。

 パーティー仕様のゴーレムみたいなので、そのまま踊らせてみるか。


「なっ、なに!」


 奴がゴーレムの動きに目を奪われている内に、奴の鼻をかすめる感じでお株を奪う大地の槍を作る事にした。自分の得意技を無詠唱でやられれば実力差に気付くだろう。

 実物を見たからイメージは簡単!


「ゴーレムがこんな動きを?そんな馬鹿な!」


 止せば良いのに一歩踏み出しやがった!

 慌てて急ブレーキして地表から1メートルくらいで止まりはした。

 微妙に間に合わなかったが。


「オウぉぉ!」


 その先端が尻に刺さったまま、悲鳴を上げている馬鹿は放っておこう。


「次は誰だ?3人で来るか?」


「そんな卑怯な事が出来るか!私が行こう、筆頭魔術師として」

「いや、俺が行くぞ!こんな野郎にデカい顔はさせねぇからな、筆頭魔術師として!」


 何か赤と青のマントの奴は言いながら白マントを伺っている?

 

「じゃあ筆頭魔術師として、私が…」


「「どうぞ!」」


 やっぱり言われたのは白いマントの魔術師だ。


「ゴーレムを1人であんなに動かせるなんて、どんだけの魔力なんだよ!こんな魔道士が来るなんて」

「聞いてないよ!」


 この3人、息が合っているな。

 こんな調子じゃ、コイツら弱すぎて歯応えなさそうだ。

 もう頭に来た、訴えてやる!

上島竜兵さんのご冥福をお祈り致します。

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