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傷だらけ アマンダ改め ローラです

「その傷は一体?」

 

「見ないで下さい!」


 泣いてしまった。

 アマンダは身体の傷を余程見せたくなかったのか、泣いてしゃがみ込んでしまった。だが、これで興が冷めた俺は冷静になれた。

 全裸だけど。


 今見える所を改めて見ると傷にも種類がある。

 古いのも有れば新しいのも有る。

 それに切り傷、引っかき傷、打撲傷、火傷、背中だけでもいろんな傷のオンパレードだ。

 

「誰がこんな酷い事を?」


 無傷な箇所の肌具合からして、本来ならば透き通る様な肌であったに違いない。

 服で隠れる所にだけ傷付けるなんて陰湿だな。


「そ、それは」


 アマンダは口籠もってしまった。言うに言えない事は分かっている。

 

「恐らくなんだが、他の娼婦にイジメられているんだろ?」


「分かりますか?」


「新しい傷が有る。最近付いた傷だ。乱暴な客は殴るから客が傷付けた訳ではない。ここの主人も売り上げが無いからと言っても商品である娼婦の身体には傷は付けないだろう。となると残りは他の娼婦しかない」


「皆さん、私が気に入らないみたいです。でも女性は殴れないし」


「主人には言ったのか?」


 アマンダは黙って首を横にゆっくりと振った。

 これはイジメじゃない、傷害事件だ。

 黙っているとエスカレートするだけで、良いことは1つも無い。


「そうか、言い辛いな。でもこの傷は治せるかも知れないぞ」

 

 慰める様に、それでいて明るく切り出してみた。

 椎名さんの魔導書には、治癒魔法についても書いてあったが、それによると傷は新しい程治り易いとあった。

 つまり、小さくても古い傷よりも、大きくて新しい傷の方が治し易いそうだ。

 試してみよう!


「じっとしてくれ」


 アマンダの背中に右手を当てると、治癒魔法を発動させた。

 優しい光がアマンダの傷を照らすと、やはり新しい傷がきれいさっぱり治っていく。

 その一方で古い傷は根気が必要の様だ。治せると断言は出来ない。


「あぁ、あっ、あっ、いい…気持ち」


 妙に艶っぽい声を出すな!

 こっちは治癒魔法で傷を治しているだけなんだからな、全裸で!

 

「取り敢えず背中の新しい傷は治した」

 

 見せられないのが残念だが、古い傷以外は綺麗サッパリ消えた!


「信じられないだろうから、前も治してあげるから、隠す所は隠して」


「あの、ありがとうございます。でも恥ずかしい」


 この期に及んでまたモジモジしている。

 こんな調子では、このアマンダは傷が無くても娼婦には向かない女だと思う。

 

「アマンダ、君は違う仕事に就いた方が良いと思うんだ。売られた訳ではないのに何で娼婦になった?」

 

「はい。15歳で孤児院を出ようとした時に人買いが迎えに来ました。覚えの無い借用書の連帯保証人に私の署名が有って逃げられなくて」


「それでひたすら泣いていたのか。それじゃ、前を始めるぞ!」


 アマンダの腹に付いた傷に手を当てる。一瞬、驚いた様だが背中と同じ感覚なので直ぐに安心した様だ。


 それにしても本人の覚えの無い借用書か。

 そうやって女の孤児を娼婦にしていたのか。

 となると、ここの帳簿を調べれば人買いからアマンダを買った金額も分かる筈だよな。

 正確にはその人買いの帳簿も調べたい。買った経緯を調べれば証拠になるんじゃないか。

 


「あっ、あっ、いい、あっダメ!」


 折角、間違いを犯さない様にアルフレッドを含めた領主一族の手口を考えているのに、アマンダの喘ぎ声で戻される。

 治癒魔法ってそんなに気持ち良いのか?

 アマンダは背中同様、集中力が途切れそうな声を遠慮無く出す。

 

「ほら、新しい傷は治っただろ!」


「はいっ!ありがとうございます!」


 アマンダは傷が消えた自身の腹部をひたすら見詰めていた。


「凄いです!あの、恥ずかしいですけど、こっちも、お願い、出来ますか?」


 アマンダは顔だけでなく全身を紅潮させ、恥じらいながら隠していた箇所も俺に晒した。

 最早アマンダは何も隠さない。


「これは…」


 アマンダが最後まで隠した所を見て絶句した。

 酷いものだ。本来ならばピンクだと思われる所には煙草の火を押し付けた様な跡が有る。

 これでは、乳頭の色を聞かれても何色と答えて良いのか、答えに窮する!

 被害は下腹部にも及んでいた。


「俺が治してやる!」


「はい!お願いします!」


 短くそれだけ言うのが精一杯だった。アマンダは恥ずかしさでオドオドしながらも、ハッキリと答えた。

 それは純粋な治癒であり、性的な意識は無いつもりだったが……。


「あっ、あ、いい!」

 

 このシチュエーションなのでイメージに性感マッサージが過ったのは確かだが、それがこんなに悩ましい声を上げる原因なのか?

 感じる事を我慢しているのか、頻りに身体をくねらせるがその度に爆乳を惜しげも無くムニムニと揺らして見せる。

 お互いに自然と呼吸が荒くなっていく


「アマンダ、あの」


「アマンダなんて呼ばないで。ローラと呼んで!」


「ローラが本名か?」


「ええ!ああ、イイ」


 息遣いを更に激しくしながらアマンダ改め、ローラが答えた。


「!」


 不意にローラに抱きつかれる。当然そうなると爆乳は俺の身体に押し付けられたが、想像以上に柔らかくボリューミーだ!


 視覚、聴覚だけでなく触覚まで刺激されれば、理性と言う安全装置が外されたガチャリという音が脳内に響いた気がした。

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