お風呂場で 男の本能 絶好調
本来ならば俺が寝るべきベッドでは2人の少女が無邪気な寝顔を見せている。
「すみません。この子達を起こしますので」
「いや、大丈夫だ。ソファで寝られれば」
申し訳なさそうなアマンダをフォローする。
美女に優しくなるのは男の本能だから仕方ない!
ベッドで寝る事は叶わなかったが、ソファで横になって寝られるだけマシか。
「風呂は有るか?」
「はい。入られますか?」
せめてサッパリしたい。
明日からは安宿で風呂が有るのか怪しい。きっと公衆浴場とかになるだろう。ならば今日は娼館の風呂に入っておこう。
元の世界のイメージを基にして考えれば、きっと無駄に豪華に違いない!
「あっ、あの!」
アマンダが何か言いずらそうにモジモジしている。まさかお湯張りとかこれからするのか?
「どうした?」
「あっ、いえ、何でもございません」
何だったんだろう?
気にはなるが、服を脱いでバスルームに入った。
流石に元の世界の様に豪華絢爛ではないが、それなりに広い風呂だ。俺は掛け湯をしてバスタブに入った。
「ふぅー!」
思わず声が漏れる。
そして、これからどうしたら良いのか考える。
夜が明けたらアルフレッドを訪ねて、奴等の反応を見よう。
盗賊の首領として殺した筈の男が無傷で生きていた事実を目の当たりにした時、どんな表情を浮かべるのかを見て見たい!
盗賊と言えばこの花街にも盗賊被害によって売られて来たり、娼婦に身を落とした娘は居るのだろうか?
「失礼します」
アマンダの蚊の鳴くような声がした。
それと同時にバスルームのドアが開かれると、俺の眼は衝撃的な光景に釘付けになった!
バスタオルに身を包み、髪をまとめ上げたアマンダが俯き加減で入って来た!
「お背中を…」
「そ、そうか!」
動揺する!アマンダのその爆乳はとてもじゃないがバスタオルでは隠せない!
これはもう、アマンダを意識するなと言う方が無理って言うものだ。
クレア以外の女性と風呂に入るなんて無かったから心臓の鼓動が一気に激しくなり、ゴクリと生唾を呑み込んだ。
「あっ、あの、湯船から出る時には声を掛けて下さい。目をつむってますから」
「分かったけど、見るのは慣れているんだろ?」
いきなり泣いていたから入って日が浅いのかも知れないが、男の裸くらいは見慣れている筈だ。
この場で純情ぶってもわざとらしい。
「実は、ここまで進みましたのは旦那様が初めてなんです」
呼び方が旦那様に変わっている。悪くないな。しかもこの格好で!
「ずっと泣いていて、強引な客は殴っていたって聞いたが」
「はい。でも旦那様はこれまでのお客様とは違って強引に手を出そうとはしませんでした。まさかソファで寝られれば構わないなんて仰るとは思いもしませんでした。ですから私もここまで頑張ってみました。娼婦がこんな事を言っても信じられないかも知れませんが、私はまだ殿方の相手を最後までしてないんです。だから強引な殿方が怖くて」
って事はまだなのか?
恥じらいながらアマンダは身体をモジモジさせながら言うが、その度にバスタオルで隠し切れない白く大きく柔らかそうなのがムニムニと動く。
そんなの見せ付けられると正気ではいられなくなるけど、俺の事を紳士と様に言っておきながら挑発されているのだろうか?
それならこんな機会は金輪際無いかも知れない!
小さい胸はそれはそれで良いと思っているが、クレアでは絶対に拝めない光景をしっかりと脳裏に焼け付けた。
「そんな調子で何故娼婦になった?親に売られて来たのか?」
危ない、ギリギリ思い留まった。
紳士として認定されてしまったからにはこの先のワイルドな事が出来ない。
深夜にも関わらず下半身の一部分は絶好調なんだが、これ以上の深入りは危険だ。なので気を紛らわす為に話し掛けてみた。
「いえ、親はいません」
「いない?」
まさか盗賊被害か?
「私が10歳の時に村が盗賊に襲われて殺されました。私も連れ去られそうになりましたが、駆け付けた領主様の軍隊に助けて頂きました」
やっぱりか。
「村はどうなった?」
「その後は立ち直ったみたいです」
「みたい?」
「孤児になった私は領都の孤児院に入りましたから故郷の事は分かりません。でも盗賊に殺されたのは父を含めた数人でした。お父さん、盗賊に逆らったばっかりに」
なるほど、筋書きが見えてきた。
村を一々盗賊に潰させていたら領地の生産性が落ちる。
そこで歯向かう人間だけ殺した訳か。
「領主様の軍隊は盗賊の去り際に駆け付けたの?」
「はい!」
胡散臭さてんこ盛りだ!
ギリギリに現れるなんてタイミングが良すぎるし、必死に駆け付けましたアピールで被害者側の印象も良くなる演出と見た。
勢い良く答えたアマンダの瞳が輝いている事がそれを物語っている。
そして前のめりになったアマンダの谷間が近い!
俺の顔が熱くなったのは、のぼせたからではないだろうけど、もう出ないとマズいかも知れない。
「湯船から出る」
そう言って立ち上がった瞬間、案の定クラッときた!
でも瞬間的な物だ。その証拠に男の本能はまだまだ元気ハツラツだ!
「危ない!」
危うい所をアマンダに支えてもらったが、密着すると本当に柔らかい!
感触に酔いしれていると、咄嗟に動いたせいかアマンダを包んでいたバスタオルがハラリと落ちた!
「キャ!」
可愛い声を上げて慌てて左手で胸を、右手で下腹部を隠すと同時にしゃがみ込んでしまった。
「見ないで下さい!」
泣きそうなアマンダに落ちたバスタオルを拾い上げてやるが、よく考えたら俺は全裸なんだよな!
って言う事は俺の元気を見せ付けている訳だ。
こうなったらもう、後は野となれ山となれ!
俺の眼は再びバスタオルに身を包もうとするアマンダに釘付けになった。
「なっ!」
アマンダの裸体に違和感を感じた俺は、眼を凝らして確認した。
バスタオルに隠されていたアマンダの身体は、隙間が無い程に傷だらけだった。




