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娼館で 娼婦の機嫌を 取るお客

「お客様、泣いている姉さんには近付かないで下さい!」

「姉さんを強引に押し倒そうとして殴られたお客様も何人かいらっしゃいます!」


 何もしていないしする気も無いのだが、いきなり泣かれて困り果てた俺に2人の少女からアドバイスが飛んだ。

 

「殴られた客って何人いる?」


「8人です」

「皆様それぞれ顔の骨を折られました」

 

「それで良くまだクビにならないな」


 むしろそっちに感心する。

 きっと泣いているアマンダを無理矢理押し倒そうとして反撃されたのだろう。

 客の中にはそういうプレイで、泣くのも演出だと思って却って興奮した客もいたかも知れない。。

 目の前には清楚系爆乳美少女が居る。こんな所に来る客だ。多少強引にでもやりたい気持ちも理解出来なくもない。

 期待して安くもない金を払って合法的に快楽を得るつもりが、顔の骨を折られるなんて理不尽だな。

 客から店へのクレームも相当であった事は容易に推測出来る。


「何もしないから、取り敢えず泣き止んでくれないかな」


 出来るだけ優しく言ってみた。

 泣き声は止み、アマンダは顔をそっと上げ俺の様子を伺っている。

 

「うっう…」


 おい、俺を見て改めて泣くって、それは失礼だろ!

 

「お客様、ご勘弁下さい!」


「まぁ良い。俺は寝たいだけだ。泣きたいなら黙って泣いてくれ」


 どんな美女でも、こりゃ気も萎えるわ!

 俺は勝手にベッドに横たわる。


「そうですか。ではせめてもの償いとして」

「私達が添い寝させて頂きます」


「いらん!」


 落ち着いて寝かせろ!

 子供と添い寝で喜ぶ等、幾ら何でもそこまでは堕ちていない。


「って言うか、案内は終わったのに2人はいつまでこの部屋に居るんだ?」


「最後まで見届ける様に申し付けられております」


 最後ってそれ、子供に見せるもんじゃないだろ!


「報告は適当にしてくれ。そうだ、特別に2人には面白い物を見せてやろう」


 部屋を見渡すと観葉植物が置いてある。

 このサイズで出来るのかは不明だが、観葉植物の鉢を見詰めて集中した。


「うわぁ!」

「何これ?」


 成功だ!

 鉢植えの土から、15センチ程度の超小型のゴーレムを作り出した。

 この超小型ゴーレムにブレイクダンスを踊らせてみると、2人は目を皿の様にして見入っている。


「凄い!」

「面白い!」


 キャッキャ言って喜んでくれている。作った身としてはそれが嬉しい!

 視線を感じたのでアマンダの方を見ると、泣き止んでこちらを伺っている。彼女からは2人の陰になってゴーレムは見えない。

 気になっている事は間違いない。なら!

 

「もっと凄い動きを見せてやる!」


 スマホから適当な音楽を流した。

 スマホから音楽が流れる事、そしてそれが聞いた事の無い音楽なので2人はただ驚き、アマンダは何とか見ようと首を頻りに動かしている。

 敢えて2人が歓声を上げそうなアクロバティックな縁起構成で5分くらい続けてやれば更に効果覿面!


「それじゃ今度はもう1体作って、2体で踊らせるぞ!見たい人!」


「はいっ!」


 勢い良く2人が手を挙げる。その後方に居るアマンダとも目が合うと、恐る恐る手を挙げた。

 天岩戸作戦、大成功!


 ようやく大人しくなったアマンダは、これまでの態度を謝罪し、こちらへ寄って来た。

 寄せて上げるドレスの効果もあってか、至近距離で見ると本当に凄い谷間だ!

 ガン見していると振り出しに戻りそうなのでチラ見で止めておく。

 谷間とは無縁なクレアへの背徳感も感じるし。


 部屋のソファにはアマンダを挟む形で2人の少女が座り、3人にプチゴーレムショーを披露する。


「お客さん、凄い!」

「こんなの初めて!」


 2人の少女の感想だ。


「もう最高!」


 これはアマンダの感想なのだが、お前らのその台詞は娼館では違うシーンで使う台詞だぞ!

 アマンダもすっかり上機嫌となり、ショーは大成功と言っても良いのだが、改めて確認したい。

 俺は客だよな?

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