表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/302

ランキング クレアは意外と 低かった

 閉店後にクロエの店に全員で行く事にし、それまでは一旦休む事にした。しかし、とてもじゃないが休めそうにない!

 それに転た寝でもしよう物なら、何処までが夢で現実なのかがあやふやになりそうだ。


 少し前の事を思い出してみる。

 クレアに告白された俺は精神が昂ぶっていた事もあり、猛然とクレアを抱きしめた。

 そこでクレアを改めて見つめると、瞳を閉じたではないか!

 これはもう、ゴーサイン以外の何物でも無い!


 据え膳食わぬは男の恥!

 自然ととクレアと唇を合わせた。

 ただ、自分を制御出来なくなってしまった俺のしたそのキスは、むしゃぶりつく様なワイルドなキスになってしまった。

 これがファーストキスの筈のクレアには申し訳ない気持ちも有るが、抑えなど効かなかった!


 そのままでクレアの細い腕が俺の背に回った。受け入れてくれた事で、正直言って安堵した。

 すぐそこにベッドも有るが、流石にそれは早い!

 それに、結婚初夜で解禁となる事は知っている。

 急いては事を仕損じる!

 

 でも、せめて予告編だけでも!

 徐に手をクレアの胸にそっと触れてみた!

 ん?

 思った以上に、無い!

 まさか男というオチは無いよな?

 

 更に探る様に手を動かすと、微妙な柔らかみを発見した。

「あっ、ダメです」

 クレアはここで軽く言葉だけで拒むが、その一言だけで本気で拒むつもりは無いらしい。と言うのも、細い両腕は未だに俺の肩を抱いている。

 しかし生憎と俺の方もこの場ではこれ以上は進めるつもりはあまり無い。

 彼女の生徒たちも待っている。これはただの確認だけだ。


「あの、エイジさん…」

 それだけを口にして恥ずかしそうに俯いてしまった。

 これで察する事が出来なければ、釣りかけた大魚を逃す事になる。

 今までだって何だかんだでクレアの事は気になっていた。それがこのような展開だ。もはや後には引けない。


 

 それからクレアが戻り、1人になって改めて考える。

 クレアが言おうとしていた事について考える。

 この世界の社会常識的に、この先は結婚と言うのが既定路線なのだろう。

 クレアにプロポーズをすればきっと受け入れてもらえるに違いない。

 女性に縁遠い俺が、この世界に来て2カ月で2度目の婚約か。

 今度のクレアは元カレも居ないし、きっと大丈夫だ!

 魔力がフェロモンで、それに引き寄せられていたとしても構わない。俺がその分も愛すれば良いのだから。

 胸こそ微乳ではあるが、それを差し引きしても中身とか良い女ではないか!

 意識すると心臓がバクバクしてくるが、今度こそ決める!



 暫く経ったが、頭の中が一杯で休めない!

 暇をもてあます俺は社宅に向かい、恋愛職人のスーに報告する事にした。

 彼女としては、骨折り損だったかも知れないが、恋バナ好きの彼女はきっと祝福してくれるだろう。

 

「クレアさんですか?」

 スーは俺の報告を聞き、驚きを隠せない様子だ。

「そんなに驚くか?」

「ええ、私の見立てではクレアさんは4位でしたので」

 スーは表情を曇らせて黙り込んでしまった。クレアの順位が意外と低いな。ベスト3には入っていると思っていた。


「ちなみにベスト3ですが、クレアさんにお決めになられたのでしたら、お聞きにならない方がよろしいかと思います。でも気になりますよね!」

 スーは言いたくて仕方ないって感じで、ニターッとした目付きになると、曇っていた表情が一気にこれ以上無いって笑顔になった!

「いや、あの…」

 今聞くのはどうかと思うのだが。

「そこまで仰るのでしたら仕方ありません!」

 何も言ってねぇし、自分が言いたくて仕方ないくせに!


「経済力と甲斐性がお有りでしたら複数の夫人を持つ事も可能ですので、発表します」

「複数の夫人?」

「ええ、一夫多妻制は法律で認められています」

「へぇ、そうなんだ」

「エイジ様、早速決心が揺らぎそうですが?」

「大丈夫だ!」

 多分!


「こうなりましたら、クレアさんに焼き餅を焼かせながら、他の女に手を出すのが理想的な展開です!」

 おいスー、それ、お前の理想だろ!


「早速行きます!第3位は、サマンサさんです!」

「誰?」

 あの12人の娘達の名前全員は覚えていない。まだ知らないのが居たのか!

 しかも相性がクレアよりも良いって、どういう事?

「サマンサさんは、尽くすタイプでお薦めです」


「第2位、クロエさんです!」

「まさか!」

 これは意外!

「エイジ様との相性は妹のクレアさん以上です!本音でガンガン言いたい事を言い、それでいて後腐れない性格がエイジ様のパートナーに向いております」

 確かに一理あるかも。


「そして第1位は」

 聞こえる筈の無いドラムロールが頭の中で聞こえる気がする。

「ジャネットさんです!」

 だから誰だよ、それ!

 ノーマーク過ぎて、思い出そうとする気力が起きない。

「彼女は磨けば光ります。そうなれば最も魔性の魅力を感じさせる女性となる筈です!」

「そんなのが何故1位なんだ?」

 

「このまますんなりだと面白くないではありませんか!ジャネットさんと火遊びをして、盛り上がって行きましょう!」

「行かねーよ!」

 咄嗟にランキングを変えやがったな!

 火遊びは大火事になることは必至!

 スーの提案を断った事で退路は断った!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ