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開戦

12月25日、クリスマス。

今日はキリストの誕生日を祝う日、サンタが来る日、恋人とワインを飲む日、惚気話が湧いてつくづく苛立たしい日、いつもの日常の日。

人々によって嬉しかったり楽しかったり悲しかったり、寂しかったりする日

なぜ同じ人間という猿から進化した生き物なのにも関わらず、こんなに価値観に違いが出るのだろうか、

いや違うだろう、おそらく人の見る目によって変わるのだ、世界はシンプルにもなれば混沌にもなる世界

フリードリヒ・ニーチェ

ドイツ連邦・プロイセン王国出身の哲学者であっただろうか

「事実というものは存在しない。

存在するのは解釈だけである。」

と。

そう、人々によってこの世界に存在する事実は解釈だけで違って見える。

そういった意味では混沌な世界なのかもしれない。

「あーつまらん、なぜこうも人間は前へ進もうとしないのだ」

「欲に支配され、周りのことばかり気にして、下等で愚かな」

と二人の神が言う。

「そうだ、いいこと思いついた!!」

「ん?ついに滅ぼしちゃう!?」

「人は、世界は素晴らしいと解釈してる人、世界は混沌に満ちて居心地が悪い人、価値観によってここまで別の生物のように考え方が違うんだ」

「それはそうさ!もう宇宙が誕生してから人間のことを観察してきてる、そんなのわかりきったことだろう?」

「だからさー、その全く逆の人間二人に加護を与えたらどうかな?」

「へー、面白そう、」

「それだけじゃつまらないよ、ここは一つ賭けでもしよう、」

「のったっっっっ!」

「俺は!世界が滅びると思う!」

「僕は人間は生存を望むと思う!!」

「よっしゃ!じゃあ決まりだ!!」

...

車の音がうるさい、人がゴミのようにいる。

いじめ、犯罪、殺人、事故、

うるさい、うるさいうるさい。うるさい。

そんな混沌とした世界。

今日は、クリスマスだねとかカップルで話してるクラスメイト、

「そういや今日はキリストの誕生日なんだぜ!!」とかレッテルを貼るバカな阿呆供。

正確に言えば、ゴリオ暦に則って1月7日がキリストの誕生日らしい。

考えてから物を言って欲しいものだ。

「はぁ、」

とため息を吐くと、後ろから声をかけられた。

「何ため息ついてんだよ、この陰キャラくん」

わざとらしく、クラスを仕切るボス林健吾(はやしけんご)が俺の前で皮肉を友人と言い合う、

林健吾は、高校からのクラスメイトで噂によると集団レイプだとか、妊娠させたとか、なんだかクズな噂しか聞かない。

俺、海堂綾瀬(かいどうあやせ)は、現在高校2年生、17歳は高校入学時たまたまいじめの対象になった。

いじめの対象になるなんて大抵大した理由はない、いつも理不尽に人は他人と区別をつけたがる生き物だ。

と声が聞こえる。

「やめなさいよ!あやせくん行こう?」

このいかにもクラスの委員長で善人気取りな女、水無瀬暁(みなせあかつき)はなぜかわからないが俺に盾を持つ、

高校の入学式の日校舎前で声をかけられてから友人になった、密かに想いを寄せている。

顔は、メガネでパッとしないが性格は謙虚でいじめられている生徒や一人でいる生徒を見ては声をかける。

そんなところに自分は惹かれたのだろう

舌打ちがする。

「お前、毎回ウゼェんだよ、まじ調子のんなブスが。」

「大丈夫だった?綾瀬くん!!」

とキラキラした上目遣いでこちらを見てくる。

「お、おう助かったよ」

別にこんなことは気にしないが彼女がいじめの対象にならないかいつも不安になる。

家族は、どうやらいないらしい。

今は、国から補助を受けてアルバイトを掛け持ちながら生活していると聞いている。

本当に尊敬する。

放課後、

「もう放課後か」

ふいに声を漏らす、12月の寒い空気が肌を通る、

と文庫本を読みながら校舎を後にしようとする

雪だ、ホワイトクリスマスだ。

自分は昔からラノベやアニメ、絵画、クラシックなど人が作る作品が好きだ。

皮肉なもので人間は嫌いなのに、

とてもいい景色だ。

足先が冷たい。白い息が空を舞う

ふいに、

後ろから殴られた、

鉄パイプだろうか、金属が直撃する鈍い音がする。

きせつしていた。ほんの1時間くらいだろうか。

頭から血が出ている事に気がつく。

見知らぬ男子生徒3人に押さえつけられている。

すると、前には暁が男子生徒に囲まれている。

「いや!やめて!」

泣いている

裸で...

だれだってそうだ。好きな人が目の前で集団で殴られ、レイプされてるとこを見て気持ちの良い感情を抱く人間はいない。

男子生徒から気に食われずに俺だけにとどまらず、暁を集団で犯したのだろう...

ふいに心から腹が煮えくり変えるような憎悪が巡る。

「た、たすけて....」

憎悪だ。

なぜ、彼女がこんな目に合わなければいけないんだろう。

謙虚で、ひたむきに努力している人間が。

好きな人が犯されているにもかかわらず、はじめにそんなことを思った。

殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。

頭の中はそれでいっぱいだった。

激しい憎悪で、吐きたくなる。

男子生徒の手を振り払う、

走って林健吾の胸ぐらを掴む

しかし背後から鉄パイプの影が...

「なぜ、こんなにも世界は残酷なんだろう」

その時、

時間が止まった。

嘘だと思うだろう。しかし本当だ、

時間が止まった。

「人間が憎い?海堂綾瀬くん?」

と自分の心をを見透かされたような声が聞こえる。

だれだかわからない声が聞こえる。

しかし、激しい憎悪で考えるまもなくこう答えた。」

「憎い」

そう、心から決まっている。

毎日、殺人、いじめ、犯罪、そんなクズのような人間たちを好きになれるわけがない。

何度も過ちを犯し、欲望に従うただの獣。

「殺す、」

子供のように憎悪を口に出す。

ふいにあたりを見回す、

そこにいたはずの男子生徒全員がバラバラにされていた。

まるでスライスしたジャガイモのように

内臓やハラワタが置物のようにゴロゴロ転がっている。

大量の血

こういう時って普通驚いたり、泣いたり、叫んだり

僕が殺してしまったのかとか悲観し罪悪感に押しつぶされそうになるはずなのだが。

俺は笑っていた。

高らかに、

俺は一つも悔いはしなかった。

喜びの感情が、体をめぐる。

ふいに自分が長い槍のような物を持ってることに気がつく。

白く輝いた神々しい槍に似合わない赤い血液が滴り落ちていた。

すると先と同じ声がする。

「君!!合格!!面白そうだから君にちょっとしたプレゼントをするよ!」

と声変わり前の男児のような声がする

「この世界をどう作り替えるか?その槍で君がどんな世界を見せてくれるのか」

「それで、何か俺は代償を払うのか?強い力には代償がいるってよく言うだろう、何のために俺にこんな物を渡す?」

と睨みをきかせ問う。

とぼけた、ぶん殴りたくなるような舐め腐った声で言う

「僕は〜君が世界を作り替える力を手に入れてどんな世界を描くのかみたいだけだよぉ〜人間の大嫌いな人間がどんな世界を作るのか」

「生憎、作るとか作らないとかどうでもいい、俺はそんなできた人間じゃない、俺は俺のためにこの槍を使う。」

「へー、面白いー君にいいこと聞かせたあげるよ、この世界に槍を持った人間、つまり君のような世界を改編できる人間がもう一人存在するその人間がどう変えるかはわからないけど、君がもう一人の人間から槍を手に取れば瞬間的に世界が崩壊する。君がどういう風に作り替えるかはわからないけど一応の注意点ね、その人間と協力するなり戦うなり、この世界を終わらせたくなかったら自分の槍を守る、たったそれだけ」

「そいつは、どういう人間なんだ?必ずしも協力的とは、わからないだろう?」

「それは、教えられないなぁ〜ルール違反だ」

改めて、こんな世界の命運をゲーム感覚でやる男児の気持ちが全くわからない。

こいつはそもそも何者なのだろうか。

世界を滅ぼしたいなら自分でやればいいんじゃないのか?

「俺に何をさせたい、何が目的だ。」

本当に何の目的なんだ。俺なんかにそんな力を与えたら、どうなるかわかったもんじゃない。こいつは、人間をどうしたいんだ。

「別に、君たち人間がどうなろうと僕たちには関係ない」

こいつ、ナチュラルサイコパス野郎だな。むしろ人殺すよりこいつに恐怖してるわ。

「とりあえずもう一人の彼がどう槍を使うことになるかわからないけど、とりあえずがんばってね」

そういうと謎の声は消えた。

まぁいいか。

暁も俺が殺してしまったようだ。

少し罪悪感が残るとともに。

人間への憎悪が頭に残る。

力を込める。

思いっきり息を吸い込む。

空へ向かってその槍を投げる。

すると槍は光だし東京の街へ飛んでいった。

空から無数の光が落ちる。

12月25日東京が消えた。

...

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