⑨カレータンメン
更新が飛び飛びになっていますが、お察しください。
君はどんなモノを食した事があるか。
必要以上に身分不相応な山海の珍味を食したか。
或いはまだ見ぬ未経験の味に驚愕したか。
人はモノを食い生きる。
ただそれだけの為に生きて何時か死ぬ。
ただそれだけの為に食べるのだ。
しかし、人は飽きる生き物である。毎日同じじゃあ、つまらんぞ?
たまには好奇心の赴くままに、食してみないか?
……カレー味なら、だいたいのモノは許されてしまうけれど。
日本人にとって、外さない味とは何だろうか。
醤油? 確かに。過去には海外旅行に赴く際、必ず手荷物に小さな醤油瓶を忍ばせた旅行者が後を絶たなかったと言う。それだけ暮らしに密着した味なのだろう。
味噌? 確かに確かに。仏教伝来の昔から現代まで、様々に形を変えながら我々の食卓を豊かに彩ってくれたのは、他ならぬ味噌だろう。手前味噌、なんて言葉が日常的に使われる位なのだから。
だがしかし、パンや弁当、うどんや蕎麦、果ては定食から鍋まで全ての品種に広くそして確実に網羅している食材が有るだろう。
そう、それである。
今や、日本人の大半は【カレー】を口にして生きているのである。まあ、好き好みは確かにあるだろうし、辛いモノが苦手な御仁も存在するのは致し方無い。しかし、よく考えてみたまえ。
出汁と香りが命の蕎麦汁に使われたり、わざわざ包み込んで揚げてまでパンの具として使ったり……日本人にとってのカレーは、間違い無くソウルフードとして認めるべきではないか?
と、まぁ何時までも同じ事を書き連ねていても仕方無いので、さっさと作ってしまおう。
材料!!
既製品のタンメン(我が家では生協のタンメン)と挽き肉もしくは豚コマ肉に野菜、それと市販のカレールゥ。これだけ!!
……えっ? 今まで手作りしたり、多大な労力を費やして作り出して来た数々は、全て無駄だったのかって?
うんうん、そう言いたいのは判る。でも、極メシ!! の基本コンセプトはだね、
【好奇心の赴くまま食してみる】
……なんだよねぇ。つまり、食ってみたいならやってみるべき、なんだよ。虫や奇魚、時には自らの肉体ですら、試しに食ってみるのが、唯一無二のルール。なので問題無し!!
改めて、材料!!
野菜、肉、タンメン、カレールゥ。
これだけ!! あ、好みでモヤシやコーン等も入れてみてね。
ではでは、早速作ってみよう。
……とは言え、野菜と肉を鍋で煮込んで、柔らかくなったら麺とカレールゥを投入し、トロミが付いたら出来上がり、ってだけなんだよね。実に簡単だよな?
……これ、随分前の話だが某エヴァでやってた(そちらはカップ麺にレトルトカレー)けれど、稲村某はやった事は無い。何故かって? ……勿体無いんだもん。おかずが一品減るし。
話が逸れたけれど、とにかく手間無しで作れるのだ。後はカレールゥに合わせてスープを加減(付属品半分位で十分)すればOK。
さて、そろそろ食しようか。
とはいえ、だいたい「口の中に広がるスパイシーな香り」だの「慣れ親しんだ風味に安心感が得られる」だのしか、書く事が無いのも事実。なので、代わりにカレー関連のアレコレを。
まず、カレールゥについてですが、これは油脂の乳化に依る凝固を利用してトロミを付ける性質の商品が多い為、ヨーグルト等を入れるとトロミが付き難くなります。こうなるといくら煮込んでも柔いまま。こんな場合は水溶き片栗粉で調節しましょう。小麦粉でも出来ますが、仕上がりがモッタリとした感じになりますので、お好みで。
次に純カレー粉。これにはトロミ成分はおろか、旨味調味料も入っていない為、何らかの味を足さないと家庭のカレーには成りません。もし、それでも何とかカレーにしたい場合は、味噌や醤油、ついでに顆粒の鶏ガラスープかコンソメを使えば驚く程【普通のカレー】が出来ます。調味料庫の片隅で冬眠していたら、たまに使ってあげてください。たまには乙なモンです。但し、余りにも古い場合は諦めてね♪
本格的なカレーが食べたい場合は、スパイスのみのセットが販売されていますが、スパイスの成分は油脂に溶けやすい性質がありますので、予め低温の油でふつふつさせてあげると香りが引き立ちます。ただ、余り高温でふつふつさせると焦げてしまい、折角のスパイスが只の焦げ臭い異物になってしまいますので、加減してあげてください。
オマケですが、世界のカレーには【ゴマと茄子】のカレーや【魚の頭】のカレー等も有ります。市販のルゥ以外を購入した時は、こんな変わり種カレーに挑戦するのも、面白いかもしれませんよ?
カレーは日本の国民食になっています。防災関連で保存されているレトルトカレーは、長期保存向け以外だと半年から一年で賞味期限切れになりますので、ローテーションして食べてあげてくださいね? いざ食べようと思ったら、期限切れだった……まぁ、食べられない事は無いでしょうが、様々な環境が予想されます。火を使わずにそのまま食べられるタイプのレトルトカレーだとしても、風味が失われていたり、油脂成分が凝固していたら美味しくはないでしょう。気分が優れないまま復興作業するのは、余り好ましくありません。美味しいモノ、食べましょうよ?
ではまた!!
……あ、カレータンメンは普通に美味しいですが、最近は【そのまま掛けられるカレー粉】みたいな商品も出回っています。やはりトロミ成分が入っていませんが、何にでも掛けられて味も悪くありませんので、気分転換に如何でしょうか?
次回も宜しくお願い致します!!