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小春の時雨日和  作者: 藤宮はな
第二部:ご先祖ソーニャさん登場
32/62

第32話吸血鬼パワー回復にいいのは宇宙人

「ね。いいでしょ。キスするよ」


「ま、待って、待ってよ、まふちゃん。皆見てるから。って言うか、どこに手置いてるの、じゃなくて入れてるの」


「うん? そりゃあお腹だよ。シャツはちょっとくらい捲ってもいいよね」


「いいです! いい絵が取れそうです。そのままいい感じにお願いします!」


「ちょっと! そこ、動画に撮らないで。って時雨はそれでいいの?」


 何だか平和に暮らしているのを余は、この頃ホントに実感する。


 この三人の関係は順調に進んでいる様だが、まだまだご主人の小春は頑なだと思うのだ。


 時雨とやるのが倫理的にマズいのであっても、あの真冬とやるのはまだイケるんではないかと、余なんかは考えるのだが。


 だってそうだろうが。思春期突入したての頃って、段々性欲も感じて来て、色々したくなる年頃だ。


 勿論我々は、男のそれには興味もまるでない訳だが、だが好きな相手にあれこれしたりされたりするのは魅力的ではないのか。いやそうだ。


「あっ。そんな、首のとこ甘噛みしちゃ駄目っ・・・・・・!」


「ふふ、いいじゃない。時雨さんに噛ませて、わたしには駄目なんて、そんなの言わないよね」


「何だか最近のまふちゃん、おかしいよ~。時雨~、助けてよ。わたし、こんな風に遊ばれてるばっかりなんて嫌よ」


「なら、やり返せばいいではないですか。それでこそ、子供同士の愛と言うものです」


 ばっちこーいと言うように、真冬はウェルカムの構えだ。それにもやはり躊躇いがある小春。


 どうも、こやつは昔から憧れてたとかで、真冬には気後れする所があるらしい。


 時雨に対しては、随分距離が近い感じで、素直な感情の発露が出来ているのだが、中々人間関係に難儀する奴らは大変だのう。


 それに今日は友達三人で集まっておるからか、冴子と言う奴もおる為、このおなごはしきりにメモを取ってふむふむと頷いている。


 これは、別の場所で実践でもしようと言うんだろうか。まぁ、あやつらがどうしようと余は構わんから、好きに乳繰り合えばええわ。


 それより余はどうやってこれから力を回復しようか、それを考えると憂鬱じゃわい。


 時雨から吸うのと、木の葉が時々吸わしてくれるので、幾分か回復するんだが、それでももっとドバーッといきたいんだよなぁ。


 はぁ、この余の吸血鬼故の憂鬱を理解してくれる人間などおらんしなぁ。ティナも吸わしてはくれるが、全然余の力の事などもわかっておらんし。


「何じゃ、溜め息ばかり吐きおって。あの娘どもはあれほど仲睦まじくやっておるんだ。お前ももうちょっと楽しそうに日々過ごさんかい」


 アイスを食っておるマルが余にいっちょ言うて来る。


 何気にこいつは、能力も底知れんし、吸血鬼の力でどれだけ対抗出来るか未知数だから、苦手だわい。


「ふん。余の気持ちなど、わからんわい。力を弱らせられて、封印されておる気持ちなどな」


「ほう。なら、もう少し回復に儂も手伝ってやろうか。儂の血を吸えば、割といいのではないかの」


 な、何?! こいつ、今何と言った。血を吸わせてくれるだと。


 大体、宇宙人の血って大丈夫なんか。余、腹壊したりせんよな?


「何を言っておるんじゃ。吸血鬼は血をどんな形であれ、摂取した物はエネルギーに変えられるじゃろうが。それに宇宙人とか関係あるかい。ウイルスとかで死ぬ生物でもあるまいに。それにそんなに儂が危険なら、もう儂の体内にあった色々な物質で、この家の人間皆死んでおるわい」


 そ、そうか。なら、イケるのか。そうか。


 頂けるのなら頂くが、何か企んでおるんじゃないだろうな。


「ほほほ、面白い奴じゃ。儂はな、ただアイスがもっと食べたいなと思っておるだけよ。こう暑いと調節出来る体だとは言え、冷たい物を欲するのだ。どうだ、儂に貢ぎ物をするなら、血を提供せん事もない。実は儂の星の生命は、ある循環作用を使う裏技でどうする事も出来るから、大量に吸ってくれても、貧血にならないでいる方法もあるんじゃぞ。どうじゃ。アイス、奢るか?」


 お、おう。アイス程度で済むんなら、安いもんだ。血の魅力には抗えん。


 ゴクリと唾を飲み込み、余はこくりと頷く。


「うむ。中々素直で可愛い所もあるな。よし、それならどこからでも吸うがよろしい。だが、エロい部分から吸おうもんなら、そこで見ているティナから刃が飛ぶかもしれんから、気をつけるようにな」


 へ?と思い、振り返ると何やらティナが悔しそうに唇を噛み締めている。おい、何もそんな顔せんでもええではないか。


「ま、マスターの為なら仕方ないですけど、ホントはもっとあたしが役に立ちたいのに~。でもマスター、エッチな浮気は駄目ですよ! マスターって受け体質なのに、あれこれしたがりますからね」


「う、うるさいわい。こんなマルなんかにエロい気持ちになるかい。血は食事だぞ。エロい儀式を兼ねる場合もあるが、それはそう言う関係の間だけでだ。だから、エロい場所はティナ、お主からしか吸わん!」


「わー、マスター素敵です。そうですね、あんな風にあんな場所を激しく吸うのは、所構わずは控えないと、ですよ」


 ああ、なんかどんどん恥ずかしい話がティナから暴露されていく気がするが、仕方がない。今小春達は、自分達のあれこれに夢中だから聞いてるのはマルだけだ。それなら別にどうって事はないではないか。


「そ、それでは吸わせて貰おうか。どれ・・・・・・」


 小さい体のマルの肩に手を置き、首筋に歯を立てる。


 噛んでもこいつは一瞬でも痛そうな素振りは見せんかった。だから、もう思いっきり力の限り吸うのだ。吸う、のだが。


「な、何じゃこれ~!!!」


 あまりにも官能が体を駆け巡り、一瞬性的に達してしまうかと思った。


 それほど、この宇宙人の血液は余には美味すぎる血だったのだ。いや、これヤバすぎ。


 こんなの頻繁に吸ってたら、病みつきになるわ、エロい気分になるわで、ホント語彙とか無視してヤバいとしか言えん。


 しばらく、放心してから、また吸い始めるが、かなりムズムズするのを我慢するのが大変だ。


 それでも大分飲み干してから、余はほわーっとのぼせたみたいになって、ソファーに仰向けでぐたーっとなる。


「こ、これが未知なる生物の血液か・・・・・・。変な世界が開けてしまう。これに耐性付ける為にも、時々吸わねばならんな。ふふふ、ふへへへへへ・・・・・・」


「わー、マスターが壊れちゃいました。こんなに快楽の沼にたたき落とすなんて、PFMさんってとんでもなく凄い人ですね。ま、マスターは取らないで下さいね!」


「はははは、儂は地球人とカップリングされる気などないから、気にせんでええわい。それにそんな年でもないわ。お主らはそれこそ、かなり理想的な主従関係じゃし、そんなに心配する事もないんじゃないかの。お主にこやつはよく懐いておるよ」


 ふわー、なんかボーッとする~・・・・・・。


 ハッ。今、なんか変な侮辱をされた気がするが、どう言う意味だ、今の言葉。


「子供じゃのう。じゃが、その無邪気な抜け方が可愛いんじゃろう。ティナよ、その純粋さを忘れず、色々学んでこのマスターを喜ばせてやるんじゃぞ」


「は、はい! ありがとうございます。PFMさんには助けて貰う事になりますけど、今後ともマスターをよろしくお願いしますー」


 な、なんかよろしくされてしまった。


 そ、それに余に対するより、ティナが畏まってる気がして、微妙に釈然とせんぞ。このモヤモヤ、どう晴らせばええだろうか。




 しかし余は一晩寝てから思う事あって、ティナを自室に招き入れて、ある実験をしようとしていた。


「はーい。何ですかー、マスター」


 今日も小春達は宿題の残りを片付けるとかで、楽しくやっとるが、あれホントに宿題はやっとるんかいな。


 まぁ、小春みたいな人間が宿題を放置しているなんて事はないだろうから、別に余はあやつらを心配しておる訳ではないんだが。


「うむ、ちょっと昨日で結構回復したんで、夢の中以外でも出来るかと思うて、ティナに見て欲しいのだ」


 頭にハテナを浮かべるティナ。そうかそうか、余の言っている意味がわからんか。ならば見せてやろう。はっ。


「どうだ。これが余の本来の姿だぞ!」


 ババーンと大人バージョンに変化する余。


 そんなにグラマラスでない事は少し余のコンプレックスだったが、それはいいとしよう。ティナにこの姿を見せられる日が来るとは。


「おおー。ところでどなた様ですか?」


 がくっ。ティナよ、目の前で変身したと言うに、余がわからんか。


「余だ、余。ソーニャだよ。これが真の姿なんじゃい。ティナよ、これなら対等に愛し合えると言うもんじゃろうがい。ふふふ、力も割と戻って来ている。これなら余の天下も近い様だな。ふふふふふ・・・・・・」


「わー。マスター、綺麗ですー。そんなに自身ある体じゃないのに、エッチな恰好までして、やりますねー。そんなに可愛がって貰いたいなんて、健気なマスターですー。でも暴力で支配するみたいな悪役じゃないのなら、マスターの天下ってどんな物なんです?」


 エッチな恰好だと。この最低限の黒衣の衣装が格好いいと思わんのかい、お主は。


 しかし、何だ。余の天下の具体的なヴィジョンとな。


 おうおう、それならそれで余にもちゃあんと考えが・・・・・・。


 うん? 余、どうするつもりだったんだっけ。封印から解放される事しか意識になかったぞ・・・・・・。


「あ、ああ。そうだ、余のファンタスマゴリアに王国をだな。や、別に王政のちゃんとした国を作るんではなくてだな。・・・・・・そう、余が好き放題出来る楽園を作ろうとしておるんじゃよ」


「マスター・・・・・・。スケールちっちゃ」


 はあああああ?! そ、そんなあからさまに馬鹿にする事ないだろうが。


 余はなぁ、余はなぁ、ずっと封印空間で寂しかったんだぞ。それをようやく自由に暮らせるようになったんだから、夢くらい見てもええだろうが。


 余の楽園は、周りの者に愛されて、充分に自分の力が使えて、それでいて異端を排除する輩に対抗出来る勢力を築けるようにする事なんだよ。


 それを、それを何なんだ、全くぅ。


「うーん、それならもう夢は叶ってるんじゃないですかね。マスター、充分幸せそうですよー? あたしもいるし、ご主人様とかも優しいし、PFM様だってあんなに美味な血をくれたでしょう。それでこれ以上を望むなんて、欲張りさんです。そんな事考えるより、あたしとその姿で愛し合いましょうー。この形なら、貝合わせだって出来るはずです。そうです、やりましょう。やってみたかったんです。あたしにも色々と気持ち良く今度はして欲しいですよー。昼間っから魔族らしく、快楽に耽りましょう。幾らでも付き合います!」


「ま、待て。そ、そんないきなり。もう少しムードとか心の準備と言う物をだな・・・・・・。余、余はそう言うエロ塗れの生活が送りたい訳じゃないんだ。ティナの仕方は凄くいいんだが、余はそ、そのだな、あまりそう言うのに耐性はなくてな。緊張してしまうんだ。だから、な?」


「問答無用ですー。ほら、そこのベッドに行きましょうー」


 わー。この女、余が元の姿になっていても、軽々と抱えおる。


 くそう。マスターの威厳はいつになったら得られるんじゃい。しかも余はまるでバリネコではないか。可愛がられまくりだ。


 こ、こんな事でいいのか。こんなはずでもなかったし。どうなってしまうんじゃ、余の性生活はああああ?!




「し、時雨~! 助けてくれー! ティナが余を襲うんじゃー」


「おっとと。どうしたんですか、ご先祖様。私の胸なら幾らでも貸しますが、今は視線があるのでちょっと・・・・・・」


 ほわ? う、うむ。何やらご主人が睨んでおるから、ひとまず余は時雨から抱きついていたのを離れる。


「ちょっと。時雨はわたしのなんだから、ソーニャさんの小っちゃい体生かして誘惑しないでよね。時雨も満更じゃなさそうな、デレデレした顔して!」


 ほーら、ご主人は時々こんな風に誰彼構わず嫉妬するんだから、堪ったもんではないわい。しかしそれを見ていた小春の友人二人は、面白い感想を漏らす。


「嫉妬してるハルちゃんも可愛いなぁ。わたしもソーニャさん抱き締めたら、怒ってくれるかな」


「ふうむ。無邪気な方が受容されやすいか。我も子供である事を利用した方が良いのだろうか。しかし、我は魅力的な相手に適合する大人になりたいし・・・・・・」


 真冬の方は平気で、色々と面倒を持ち込みそうでなんか怖い。相手が振り向いてくれるのを承知で、偽装の浮気とかしそう。純粋な小春には過ぎた恋人じゃないかいと、余は心配してしまう。その辺は、でも時雨もいるし大丈夫なのかもしれんが。


「で、どうしたんですか。ティナさんが何ですって?」


「そ、そうだ。余、余が真の姿でいられる様になったからって、ティナが大人状態のセックスを頻りに求めて来て、堪らんのだ。余は過剰なエロは苦手だと言うのに、ティナは可愛がると言って聞かんのだよ。時雨よ、もうちょっとお前が言い聞かしてくれんかの」


「そ、それちょっとわかるかも。最近わたしも、まふちゃんの過剰なスキンシップに困り気味だし。距離感大事にして欲しいよね」


 そうか、ご主人が理解を示してくれるとは。あれ、やっぱり仲良さそうにやっとったけど、困惑はしとった訳だな。ふむ。


「うーん、でも今しか出来ない事したいしなぁ。ハルちゃんも時雨さんともキスだってしたいでしょ? だったら、わたしとも接触してくれてもいいんじゃない」


「う。そ、それはそうだけど、また話が別って言うか。わ、わたしはそう言うのにあんまり免疫がないから、そんなに沢山迫られても困るんだよ」


 あのー。余の相談はどうなったんだ。聞いとるんか、お主ら。


「マスター、あたし怒られるんですか。やっぱり調子に乗りすぎましたか」


「お。まさか、ティナよ、反省しとるんか。それならちゃんと期間を空けて、適度に性と言うのは楽しまんといかんと言っておきたいが、時雨にもちゃんと言って置いて貰わんと、余の話だけじゃ右から左だしなぁ」


 余は時雨をちらと見る。うーん困りましたね、と時雨が頬に手を当てて思案顔だ。何が困ると言うんでしょう。


「ご先祖様はいいかもしれませんが、あまり子供の前で性生活の赤裸々な告白は控えて貰いたいんですよ。それにティナさんだって、まだそんな事するには幾分か早いんじゃありませんか」


「あたしは大人ですよー? マスターはその様に体を造ってくれました」


 そうだなぁ、確かに成熟した体には造ったが、時雨の言いたいのはそう言うんじゃないだろう。


「そうは言っても、まだこの世に生まれて間もないんですから、もっと学ぶ事も楽しい事も沢山ありますからね。そんなセックスばっかりにのめり込むにはまだ早いです」


「色情狂になるには、時期尚早に過ぎる、と言う訳だな。段階を踏むのは、何事も大切だ」


 冴子が際どい球を放る。そう言う用語は、最近の子供も普通に知っておる事なんかの。


「うぅー。すみません。マスターに喜んで欲しくってつい・・・・・・。マスター、ホントは嫌だったんですね。それならティナは、反省文を書かせて頂きます。字や文章の練習にもなりますし」


「いや、余は偶にならいいんだ。だがあまり余をヒイヒイ泣かせないで欲しい。お主テクニシャン過ぎて、余の体が持たんのよ。余は適度な肉欲を満たせればそれでいいのであって、愛の形は肉体でのコミュニケーションばかりではないと思うのでな」


「あー、だからそんな赤裸々に語り合うなら、ご自分のお部屋でやって下さいね。ほら、お嬢さまが所在なげにしているじゃありませんか」


 見ると確かに小春は顔を赤くして、気まずそうにしている。


 何だ、こいつも本ではそんな話が出て来ても平気そうにしていても、実際の事象には不慣れなんだな。


 だが、その気持ちは大いに余にもわかるぞ。


「わかったよ。済まんな。ティナよ、まだ他に出来る事がないか考えんか。余の天下はエロ天下ではないはずだ。もっと魔族としての尊厳があるだろう」


「そうですねー。ご主人様に下克上、とかですか?」


 ピクと小春の眉が上がった気がする。ま、マズいぞそれは。


「馬鹿! そう言う不用意な発言は慎め。余らは住まわせて貰ってる身だぞ。それに時雨に全ての生活の面倒を見て貰ってる訳だし、そこはほら、余らがこやつらに貢献出来る事を探るとか、そう言う提案をせんといかん」


「なんか、ソーニャさん、大分卑屈だけど、それでいいの。わたしは別に大人しくしている分にはありがたいけど、力が戻って来たんなら、ネットワークでも広げてみたら? ネットでコミュニティとか作ってもいいし」


 お。それは名案だ。流石、ご主人だ。


 しかし、ネットでそんなん募って、頭おかしい奴と思われんか。


「そこは工夫次第だよ。魔族にしかわからない情報を混ぜて置くとかさ。変身シーンの動画を載せるとか」


 うーむ、それなら色々考えねばならん事はある。ティナに目配せして、協力を仰ぐ。


「よし、それならティナとあれこれ練ってみるわい。ティナよ、コンピューターの事も勉強するぞ。余らには現代の知識がまだそれほどないからの」


「はいー。あたしもタブレットとかスマホの使い方、ようやく覚えた所です。アプリとかWi-Fiとか」


「あー。わたしも手伝いますんで、いつでも声かけていいですよ。時雨の衣装とかも増えて来たら、そこで売る計画とかも出来るしね」


 ほう。中々賢く考えておるようだな。しかし、時雨は不満顔だ。


「えー。あれはお嬢さま専用の衣装ですから、売る気なんてないですよ。それにお嬢さまのお古を誰とも知れない人に渡すなんて・・・・・・!」


「だから、着られるのは子供なんだから、そんな心配しないでいいの。ちょっとでも副収入があった方がいいでしょ。ソーニャさんも株主だか何だかの収入だけじゃなくて、何か出来るかもしれないんだし。大体、衣装も無限に置いておける訳じゃないんだし」


 そうか。この世での生業にもなるかもしれんのか。色々いい風に解釈してくれるご主人がありがたい。


 しかしそれって、将来的に時雨にも参加させるつもりなんだろうな。いつまでも時雨もご主人のメイドのままって訳にもいかんだろうし。


「う、うむ。で、では皆で思案しようではないか。協力してくれると言うなら、アイデアを求む、だ。子供の意見でも大事にするぞ、余は」


「それじゃあ、わたし達もハルちゃん一味だし、協力しよっか、冴ちゃん」


「ああ、我に経営の手伝いをさせるとは。暗黒のホームページにしてくれる」


 決まりだ。そう言う訳で、余らはどう言う事をするか、あれこれ意見を出し合う事にしたのだった。


 それはそうと、小春達は宿題はええんかの、と問うたら先程終わったとの事。


 上手く小学生をやっておるようで、流石真面目ちゃんは違うわいと、余の様なアウトローは不思議とそう思うのだった。




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