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小春の時雨日和  作者: 藤宮はな
第二部:ご先祖ソーニャさん登場
20/62

第20話大人のキスですよ真冬さん

 朝起きて、時雨の顔を見るのが楽しみになったかも。


 今まではお姉ちゃんと朝話せるのが、唯一の楽しみみたいな感じだったけど、更に楽しみが増えたのは素直に感謝だ。生活に張り合いが出るし、わたしの心の安寧にもなる。


「はい。牛乳と今日はフレンチトーストですよ。美味しく食べてくれるといいのですが」


「うん。いつも時雨の作る物は美味しいから大好きだな。わたし時雨に作って貰えて幸せ」


「おいおい。お主ら、牛乳まみれでいいんか。もうちょっと何かだな」


 ソーニャさんが水を差して来る。いいの。フレンチトーストは美味しいから、牛乳が被ってようが頓着しない。


 それに時雨は他で調整を考えてくれてるはず。まぁ、わたしが牛乳を頻繁に飲むからそれも大変かもしれないけど。


「そうは言ってもご先祖様も食べてるじゃないですか。文句ばっかり言わないで下さいよ」


「余はオレンジジュースだから構わんのだ。ほら、マルも真似しておるではないか。それに焚火の顔をようやく見たと思いきや、こやつはヨーグルトまで食べておるぞ。こんなんでいいんか。もっとバラエティに富んだ食事こそ我らに相応しいのだぞ」


 口うるさい姑がいる様なものかなぁ。


 って言うか時雨にとっては、自分のご先祖様なんだけども。いや何気にわたしが批難されてるのか。


 お母さんはでも気にしてなくて、えーヨーグルトは胃腸にもいいし、腸内環境を整える事こそ健康的に仕事する秘訣よ?なんて言っている。


「人の食事にいちいち難癖つけるなら、放り出すよ。時雨がいるからいさせてあげてるんだからね」


「うぅっ。ご主人厳しいな。理不尽ではないか。そうだ、木の葉よ。あんな事言う妹を叱ってやってくれ。余は何も悪くないよな」


 お姉ちゃんを味方につけようとしてる。何て汚いんだろう。


 でもわたしには確信に満ちた安心感がある。お姉ちゃんがまさか妹のわたしを裏切る事はしないのだから。


「そうねえ。でもソーニャさん、牛乳は体にいいですよ。そりゃあ小さい小春も可愛いですけど、成長した姿も見たいですもの。それには栄養のある食事を取らないといけませんよね。あら、このフレンチトースト凄く美味しいわ。ああ、小春にとって時雨さんがいてくれる事は、心身共に健康に保つにはとても望ましいのね」


「駄目だ。聞いちゃおらん。ええい、余は優雅にやる。昼は寿司を取るぞ。金なら余が出す!」


 何て自分勝手なんだろう。しかも自分だけ豪勢にやるとは。


 まぁ、わたしは給食は嫌いじゃないし、人がどんな豪華な食事をしようが関係ないし、夜に出前取るよりは時雨のご飯が食べられる方が幸せだしね。


「ああ、それにしてもお嬢さまがこんなに心を開いてくれて、素直に甘えてくれるなんて、何て天国みたいな状況なんでしょう。お嬢さま、ご要望がありましたら何でも言って下さいね。作れる物なら、何なりと。作った事ない食事なら、ちゃんと作り方を学びますので」


 うーん。何て言うんだろう。


 わたしにゾッコンな感じなのはいつも通りだけど、わたしの態度が変化してから、心なしか今までよりも時雨がより幸福度が上がったように見えるんだよね。


 絶対に気のせいじゃないと思う。時雨ってば、心を通い合わせられた事が、隠しきれないほど溢れてしまうみたいで、それくらいホントに嬉しいんだ。


 それはわたしも一緒だから、よくわかるなぁ。何だか繋がってる感じがする。


 食べ終わってからは、持ち物の最終確認をして、時雨に髪を解いて貰ったり、今日持って行く本をランドセルにいれたり、あれこれしてから行く時間にすぐになる。


「それじゃあ行ってくるわね。行って来ます。時雨、ちょっとこっち来て」


「はい? どうかしましたか」


 屈んで近づく時雨にわたしは、耳元で囁いてみるのだ。


「大好きだよ」


 少し照れながらじゃあと言ってわたしは歩き出す。


「は、はい! 行ってらっしゃいませ、小春お嬢さま。お気を付けて」




 学校に着いてからようやく、まふちゃん達に今日は珍しく会った。バタバタしてて出るのがちょっと遅かったのかな。


 それにしてもどうもまふちゃんとは言葉を交わしづらい。


 前にほっぺにキスしてくれた手前、時雨とキスした事をどう言ったものか、または黙っているべきか、と思案していても何だか変な感じだし、黙っていられないできっと喋っちゃうんだろうなと。


 だから昼休みにちょっと二人っきりで相談があると、こそっと朝の会の前に言ってみた。


 そうすると、うんと言いながら何かを察したように、少し決まり悪げにまふちゃんがしていて、ちょっとこれはちゃんと言うのに勇気がいるんじゃないかと思うのである。


 静先生の授業を聞きながら、わたしはボーッと聞いてるのも何だしで、手持ち無沙汰だったのもあって、時雨の写真を眺めてうっとりしたりしていたのだけど、それを斜め後ろ辺りの席から見つめていたらしいまふちゃんが、ふうと吐息を吐いたので、わたしはやはりドキッとしてしまう。


 なんかまふちゃんには全部見透かされてる様な気がする。でもまふちゃんに嫌われたくないし、まふちゃんとももっと仲良くしたい。


 こう言う時いつも冴ちゃんが間に立ってくれたりするけど、こればっかりはあれこれ言って回る訳にもいかないよね。


 どうして素敵な大人と言えども、時雨とお姉ちゃんと静先生と、それからお母さんや氷雨さんとは全然皆がそれぞれ違うのだろう。


 ソーニャさんとかマルちゃんとかは、そもそも大人なのかも怪しいけど。まぁ、ソーニャさんは長くは生きてるのか。


 でもわたしの好みはそんなに偏向的だったかな。それとも好きになったら、そんな理想像と違っていても盲目的に恋してしまうものだって言うんだろうか。


 今でもわたしの理想はお姉ちゃんであって、同学年ではまふちゃんが憧れだ。


 それはだっていつも優しくわたしを助けてくれて、わたしのヘンテコな性格にもめげずに付き合ってもくれる上に、そもそもこんなわたしを好きでいてくれる所が何とも惹かれるのだ。


 だからか。時雨もあんなに好き好き言ってくれるじゃない。


 いや、でもわたしは時雨を心配している気持ちも強いかもしれない。


 だから吸血鬼、それ以上に魔族としての力をつけて貰う為に、こんなに協力してるんだし、そこからソーニャさんが強くなってくれたら、時雨の苦労も減るのかもしれない。


 それにもっと時雨の吸血鬼としての力が強まれば、他の家族みたいにオン・リフレクションを駆使しなくても外を出歩けるかもしれない。


 第一、魔族としての才能が極端に低いが為に、あんなに時雨は苦労しているんでしょう。


 それだから、わたしはちょっとそう言う生まれつきのハンデみたいなのがあるのはきついなと思うのだ。


 別に可哀想な目で見る上から目線なんじゃなくて、わたしだって割と早い段階で目が悪くなって苦労してるし、そう言う意味では全然苦労の度合いが違うけど、ちょっと気持ちはわかる気がするんだよ。


 それだけじゃない。


 わたしも人と関係を構築するのが苦手だし、時雨がそんなにそんな体質の為に友達がいなかったって所も、どこか共感してるのかも。


 だったらわたしがもっと仲良くなってあげたいし、それならあんまり嫉妬とかしてないで、カトレアさんとかが料理習いに来るとかも認めてあげた方が、友達も増えていいとも思う。


 うん、今度カトレアさんを家に招いてあげるように言ってみよう。カリスマさんとも仲良くなれるかもしれない。


 そうこうしていて、やっぱりまた時雨の事ばかりを考えていた。


 昼休みの給食も美味しかった記憶が朧気ながらあるけど、あんまり覚えてなかったのは、時雨の事とは別にまふちゃんとの話もあったからだ。


 さあ、まふちゃんを連れて、どこか静かに話せる場所に行かなくちゃ。




 まふちゃんが校舎裏がいいんじゃないと言うので、わたしが思いつかなかったのもあってそこにした。


 何だか出雲ちゃんに血を吸わせた時を思い出して、少し緊張する。あの時は結構勢いでやってしまったけど、今回はそんな手は使えない。慎重に話さないと。


「それで話って何かな。大事な事?」


「う、うん。ちょっと色々あって、話しておきたいなって思って」


 うん、とまふちゃんは頷いて切り返す。


「それって時雨さんの話だよね。じゃあ進展があったんだ。ハルちゃん、あの人の事気に入ってたもんね」


 面と向かってそう言われたら恥ずかしいな。でも、こくんとこちらも首肯する。


「そ、そう。まふちゃんとかから見たら普通にそうだったかもしれないけど、ようやくわたしさ、時雨が好きだって気づいたんだ。それで、その・・・・・・」


 まふちゃんは言い淀むわたしを静かに見守ってくれている。本当にまふちゃんは優しいな。だから好き。


「えーっと、それが告白に近い事をしちゃって、これも勢いでキス・・・・・・しちゃったんだよね。それで、その何と言うか。いや、弁解って言う訳じゃないけど、まふちゃんには報告しておこうかなと思って」


 ふうん、と少し流し目でわたしを見つめるまふちゃん。うっ、ちょっとドキッとしちゃう。わたし、この頃どこか変だぞ。


「それじゃあさ、ハルちゃん。ハルちゃんはもう大人のキスはしたの?」


 はえ? 大人のキスって何? キスって普通に唇合わせるだけじゃないの。それ以上のやり方なんてわたし知らない。


「そっか。知らないんだ。変な本とか色々読んでても、そう言うのスルーしてたのかな。それとも初過ぎて知らないのかな。・・・・・・じゃあ教えてあげる。こう言うのだよ」


 そう言うが早いか、まふちゃんはわたしの顔を両手で掴んで、いきなり唇を重ねて来た。


 ってええ? これはどう言う展開っと思っている間に、何か変な感じがした。


「うむっ?! ま、まふちゃん? 一体・・・・・・」


 戸惑うわたし。


 どうやら舌を入れられたのだと判断出来た時には、むにゃむにゃやられ放題にされた後で、ぐったりしていると少し罪悪感を感じている様なまふちゃんんがこちらを見ている。


 わたしは眼鏡がずり落ちても、それを直す事すら出来ずにいる。


「こんなの時雨さんにはして貰ってないでしょ。それならわたしが最初だね。ごめんハルちゃん。あんな話聞かされて動揺しちゃって、ついこっちもそのまましちゃった。別に傷つけるつもりじゃなかったの。ホントにごめん!」


 そう言って走り去ってしまうまふちゃん。


 あちゃあー、そう言えばこの前まふちゃんはほっぺにキスしてくれていたっけ。


 それなら好意を持ってくれてるのがわかっていたのに、不用意な告白だったかな。


 もうちょっと気を遣った言い方が出来れば良かったんだけど、そんなのわたしには無理だし。


って言うか、やっぱりまふちゃんって大人だ・・・・・・。あんなに引っ張っていってくれて、凄い事を教えてくれるなんて。


 益々まふちゃんの事好きになりそう。や、時雨の事は別にしてって意味だけど。


 しかし、その後教室でも授業を受けている間は良かったけど、それ以外の時間にはまふちゃんとは気まずくて、冴ちゃんも聞かないでいてくれたし、わたしは思い悩んだまま本を読んで気を紛らわせていた。


 ああ、まふちゃんともちゃんと仲いいままでいたいよぉ。




「と言う訳なんだけど、どうしよう冴ちゃん。あんな事わーっとしなかったら良かったなぁ。でも抑えられなかったの。ねえ、どう思う?」


 わたしは冴ちゃんに電話して話を聞いて貰う。こう言う時、冴ちゃんは相談役として非常に優れているから、安心して相談出来る。


「なるほど。しかし我が思うに小春は嫌悪の感情は持っていないみたいだぞ。真冬の思い過ごしじゃないのか。何だかその話だけではまだハッキリせんが、小春もまだあの召使いと付き合ってるとかではなさそうだ。ならば、真冬も果敢に攻め立てても構わんのじゃないか。我はまだその辺詳細に理解している訳ではないようだが、どうも小春の受動的体質からして、もっと沢山の攻められ方を享受する許容量もありそうだから、真冬ももっと寛容な心境で、小春を愛していけばいいよ」


 愛するって。そんなにハッキリ言われたら照れちゃうな。


 でもそれって、一人だけしか恋人がいちゃいけないって言う規範意識みたいなのから、わたしは気にしないで行動していって反抗してもいいって事かな。


 それにどう考えても、あのハルちゃんの態度は、上手くいった感じだったけど。いやでもわたしに対しての態度も、前と変わらず凄く好き好きオーラも感じるんだよね。それはハルちゃんの間で揺れてるって事かな。


 それともハルちゃんってば、あんまり積極的に意欲的に行動するタイプじゃないから、状況に戸惑っててまだどうしたらいいのかわかってないのかも。


「とにかく小春の事を諦める必要はないと、こう言う事だ。しかし接吻か。うん、それはいいな。我も試してみたくなったぞ。ま、まぁ我にはディープキスはまだ早いが」


 あ、ちょっとそのキスの話に動揺してるんだな。


 それより冴ちゃんには試したい相手がいるのか。もしかしていつもお世話になってる静先生じゃないよね。うん、ちょっと怪しい。


 でもそれを即座に聞く訳にもいかず、わたしは最初の発言に反応を返す。


「じゃ、じゃあ。もっとハルちゃんにアプローチとかしたりして、こっちに気持ちを寄せさせる方がいいんだ。でもハルちゃん、大人のお姉さんが好きだからなぁ。わたしじゃ勝ち目薄いよ。大体、理想があの聡明で優しい木の葉さんだよ。時雨さんも優秀な人みたいだし、わたしもっと色々頑張らないとなぁ」


 はははと電話越しで笑う声が聞こえる。もう、人ごとだと思って軽く考えてるな。


 それよりも冴ちゃんには、自分の心配とかはないみたいで、逆に羨ましい。自分が好きならそれでいいみたいに思ってる節があるもの。


 でもいつか好きな人が好きになって欲しいとか、そんな欲望を持った時に思いっきり悩めばいいんだ。その時は余裕で相談に乗ってあげちゃうんだから。


「しかし出雲にも好かれて真冬にも召使いにも、小春はモテるなぁ。あのどこか嗜虐心をそそる様な感じがいいのかな。それに誰でもなんか受け入れてくれそうな度量の深さがある気がする。根性も据わってるしな」


 それはそうかも。


 あんなに自分を表現するのが苦手で引っ込み思案でもあるのに、いざとなったらスッと行動出来る精神力の強靱さとでも言うものがハルちゃんにはある。


 そこを冴ちゃんもわかっているから、下手にあれこれ周りがアプローチしても最終的にはちゃんと決断出来るって、わたし達はハルちゃんの事を信じてるんだよね。


 皆に愛されるにせよ、誰か一人を選ぶにせよ、ハルちゃんはしっかりした子だ。思い迷わずに、こっちも自分の後悔しない方法で行動しよう。


「あの、ありがと冴ちゃん。その冴ちゃんも好きな人がいるなら頑張ってね。相談してくれたら、話は聞くから。だからさ、わたし達の事温かく見守ってくれたら嬉しい。出雲ちゃんも最近大人しいし、もうちょっと新しい関係も模索出来ると思うんだ」


「うむ。変に気まずい空気にだけはならないようにしてくれると、我も助かるぞ。フォローとかそんなにいれる必要は皆無に近いほどないと思っているがな。真冬も根が強固だから、我が少し言うだけで、自ら思考して最適な選択をしていけるものと思っている。じゃあな、お休み」


 そう言って電話を切る。


 冴ちゃんはどんな恋をしてるんだろう。何だか冴ちゃんって、あんな格好して可愛らしい割には、凄くしっかりしててある意味わたし達より大人なのかもしれない。


 まぁ、わたしもまだ子供なんだから、子供らしくモヤモヤしててもいいとは思うんだけど。


 冴ちゃんは先生とあんなに仲良しだから、あんなにハキハキしてるのかな。自然に鍛えられてる、とか?


 凄くあの二人の間も気になって来たかも。


 とにかくハルちゃんとはしっかり話さなくちゃ。後でメッセージも入れておこう。




 メッセージが入っていたから、ちょっと気まずかったけど、電話をする事にした。


 まふちゃんだって、そりゃあ面白くなかったよね。あんな風に一方的に言うのはマズかった。


 電話をするとすぐにまふちゃんが出て、若干わたしは慌てる。どうしよう、何言えばいいかな。


「ハルちゃん。今日はあんな事、急にしちゃってごめんね」


「ううん。吃驚したけど、嫌じゃないよ。まふちゃんがわたしの事好きでいてくれてるって、もっと考えておくべきだった」


 まふちゃんが話してくれたから、こっちも自然に会話を返す事が出来た。ちょっとホッとする。


「それでね、ハルちゃん。わたしこれからもハルちゃんの事、ずっと好きでいるし諦めたりしないから。だからずっと仲良くして。時雨さんとも仲良くしてくれていいから、その、時々はわたしとも・・・・・・そう言う事、して欲しい」


 えっ。それって今日みたいなキスとかって事かな。別に嫌じゃないけど、それっていいのかな。


 そう言えば、ソーニャさんも色んな人に愛されたい願望みたいなのあったみたいだけど、それみたいなものかな。


 魔族のご主人様になっちゃったんだから、多少の逸脱は許されるんだろうか。そう言う問題でもない気がするけど、脱規範意識って大事なのかも。


「う、うん。その恥ずかしいから、そんなに沢山は出来ないし、わたしからとかまだそんなに積極的には出来ないかもしれないけど、これまで通りまふちゃんが引っ張ってくれたら嬉しいな。恋愛とかもまふちゃんの方がわかってると思うし」


「うん! ありがとう、ハルちゃん! じゃあ、また学校でね。大好き!」


 愛の言葉を囁いてすぐに切ってしまうまふちゃん。あのー、これは相当クるんですけど。どうこの受け止めた気持ちを処理すればいいんでしょうか。


 傍で時雨が何やら音楽のガイド本なんかを眺めているのを横目にしながら、わたしはそうか時雨も何かそんな色々な恋愛のあり方を今では受け入れてもいいみたいに言ってたから、もうちょっとわたし自身がハードル下げていってもいいのかも、なんて思ったりしてはぁと少し溜め息を吐いていた。


 ソーニャさんとマルちゃんは、どっちが強い種族かとか言って、落ち物系パズルゲームで対戦していたから、この人達はホントに呑気なもんだと、この年寄り達が羨ましくなってしまう。


 まぁ、それならとわたしももうちょっとしたら参戦してみようかな、とか考えたりしているので、わたしも気楽になりたいって事だろうな。




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