〜私達の演劇部〜
みなさん!初投稿をさせていただきます
黒木 空乃と申します。
今回は私が所属していた演劇部を元にした
作品です。あまりみなさんの知らない
中学演劇を知っていただけたら良いなと
思います。拙い文章ですが、是非、ご覧
ください
「失礼しまーす」
俺があのドアを開けたのは確か、町の桜が満開に咲き誇っていた
時だっただろう。ほかの教室とは隔離されたような閉鎖空間。
やけに埃っぽい部室。あの匂いは今も忘れない。そして、
「見つけた!どこ行ってたの?探したよ!」
あの人の事も。
「なぁ、倉浜!お前は何部入る?」
「うーん...俺は決まってないんだよね」
「まぁ、倉浜は頭はアレだけど、運動神経はスバ抜けて
良いもんね。やっぱり、バスケとか入っちゃうの?」
「入っちゃうの?って俺、バスケ部に入っちゃダメなのかよ」
「お前がバスケ部入ったら、俺、運動神経悪いから
補欠じゃん」
「亀ちゃんはそんなに俺と一緒の部活に入りたいのか...
いやぁ、俺にもある意味モテ期到来かな!」
「いや、あんまり言いたくないけど、俺、倉浜以外の友達
あんまいないし」
「確かに〜笑」
「お前はちょっと黙っとけよ。ってそんな事は置いといて
どの部活に入るんだ?」
「うーん...とか言いつつ実は決まってる」
「え?何々」
「演劇部!俺、演劇部に入る!」
「はぁぁぁぁ!!!演劇部ってあの?」
「あぁ、あの演劇部だ!」
「なんで、文化部に入るんだよ?お前の化け物レベルの運動神経を使えば1年にしてレギュラーだって有り得るんだぞ?」
「もー亀ちゃんったら、運動部入るなって言ったり入れって
言ったりツンデレだなぁ」
「いや、なんで演劇部なんて入るんだよ?」
「楽そうだから。」
「え?今、なんて?」
「だから、楽そうだって!」
「良いの?3年間の中学生という青春時代を演劇部に懸けるの?」
「亀ちゃんは重いんだよ...演劇部なんて人数も少ないだろうし
大会も少ないだろ?夏休みだってごろごろできるだろ?」
「倉浜...俺は今、呆れを通り越して別の感情が産まれてるよ」
「まぁまぁ、さっさと演劇部の仮入部行ってみましょ」
「そ、そうだな」
「演劇部の部室だけ別館にあるのか!?」
「沢山の倉庫の中にポツンと...これは部員は少なそうだな」
「そうだな...ってここなんか埃っぽくね?」
「ホントだ。なんかくしゃみ出そうだよ」
「おい、倉浜。着いたぞ。ここが演劇部の部室みたいだ」
俺の目の前に現れたのは古ぼけた教室に薄らと「演劇部」の文字
「じゃぁ、入ってみるか?」
「倉浜は怖くないのか?」
「亀ちゃん、もしかしてびびってる?びびってる?」
「ち、ちげぇし」
俺達が部室前でふざけていると
「君達、仮入部の子?」
と聞き覚えのない少女の声がした。
それがあいつ 梅音 乃々香の出会いだった。




