表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/122

エルフだって肉を食べるらしい

新キャラ登場!

盗賊のオジサンたちの一件から数えて5日が経ちました。


コボルトや人面犬、犬のスケルトンといったモンスターも倒しつつ順調な旅路を進んでいます。


やけに犬型モンスターが多いとか、何でファンタジーな世界に妖怪が居るの?とは思いましたが…まあキモかったので見つけたらきっちり倒しますけど。


それにしてもここまで多いと怨念じみた物を感じます…トゥグア様って犬に何か恨みでもあるんですかね?





そんなこんなで辿り着いた次の村…【ダニチノムラ】です。


オジサン達の話ではここは畜産に力を入れてて、特にビフーのお肉が美味しいと言ってました。


話を聞いた限りだとこの世界ではビフーは牛の事で、豚はポクー、鶏はクックーと呼ぶみたいです。


ただポクーは貴族か王様でしか食べれない程値段が高いと言ってました。


日本じゃ牛肉の方が高いんですが…まあ世界が違えば価値観も違いますよね、うん。


尚、クックーは若い内にシメたりはしないそうで、味はともかく肉が固い上に独特の臭みもあって人気がないそうです。




「美味そうな肉があると聞くと…どうしてもアレが食いたくなってくるな」


「アレですか…作れなくはないですが時間がかかりますからね」


一泊はするとしても次の村までの食料を買って、情報を集めて、ルートを見直したりする間に作れるという物ではありません。


そもそも必要な材料があるのか?という疑問もあります…何せ醤油も味噌もないんですから。




「っておいキュア、あそこに人が集まってないか?」


「確かに結構な人数が集まってますね…ちょっと見てみましょう」


そこにあったのは大きな掲示板で…貼ってあった告知にはこう書いてありました。


【ダイ8カイ ダニチノムラ ニクリョウリコンテスト】


ニクリョウリコンテスト…つまり肉料理コンテストですか。


ふむ、ロウは肉料理が好きだし覗いてみるのも悪くないですね。




「開催は3日後か…なあキュア」


「分かっています、あたしもこのコンテストは気になります」


はい、滞在が決定しました。


そうと決まれば宿を探さなくてはいけませんね。




と思ったのですが…コンテストの時期が近づくにつれて観光客が押し寄せているらしく、どこにも空き部屋がありませんでした。


ならテントでも買って野宿するかと考えても、既に同じ思考に行きついたらしい旅人が押し寄せた事によって売り切れていますし。


皆さんそんなに肉が好きなんですか!




とまあ不貞腐れる訳にもいかないし、ない物は仕方ないのでアテもなく歩き回りつつ水晶を売りながら旅の食料を買ってたら…


「…に手を出すんじゃないよっ!」


うおっ眩しい!


不意打ちで…おそらく黄の水晶と思われる光があたしの目に直撃!


え、一体何が起こったんですか!?チカチカしてよく見えないんですけど!


「目がー!目がぁー! って一度言ってみたかったんです!」


「キュア…実は結構余裕あるだろ?」




「クソッ!覚えてやがれ!」


何か捨て台詞が聞こえるんですけど!


「あー、チンピラっぽい奴が屋台の娘さんにイチャモン付けて、腕を掴んだ所でお姉さん?が水晶の光を浴びせたって所か」


説明ありがとうございます!


「巻き込んじゃって済まなかったねぇ…目は大丈夫かい?」


「あ、はい…もう大丈夫です」


うん、大分見える様になりました…ってこのお姉さん耳が長い…エルフか!


そういえばトゥグア様も異種族婚について語ってたし、ファンタジーな世界なら居ても不思議はないですね。


とはいえ出会いの度に目を潰されるのはゴメンですけどね…次から知らない場所に来る時はサングラスをかけましょう…あればの話ですけど。




で、さっきのお詫びにとお姉さんは自分の家に泊めてくれると言ってくれました。


宿代浮いたのでラッキーと思っておきましょう。


「そういやまだ名乗ってなかったねぇ…あたいはアプ、見ての通りエルフで旅人兼行商人、職業はタンクだよ」


「あ、ボクはコカです…母さんと一緒に旅人兼行商人をしてます、職業は魔導師です」


母娘だったんですか!


まあエルフは長生きだと聞きますし、若い時間が長くても不思議ではありませんか。


「ではこちらも…あたしはキュア、ヒーラーやってます」


「俺はロウ…狙撃手だ」


おや、ロウの様子が…


まさか美人3人に囲まれてムラムラしたんじゃないでしょうね?




「…アプさんも旅人だって言ってたけど、これぐらいの家っていくらするんですか?」


ああ、ムラムラじゃなくて品定めしてたんですね。


初見でするのは失礼だと思いますが将来を考えてくれてるのは嬉しいので黙っておきます。


「さあねぇ…何せここは死別した旦那が寄越した家だし、値段なんて考えた事もないよ」


何やら込み入った事情がありそうですね…。


家を渡したといった辺り相手は貴族か、それぐらい稼いでいる商人で間違いないでしょうけど。


「そういやあんたら、今度のコンテストまでこの村に居るのかい?」


「ええ、肉好きのロウが絶対に見たいと駄々を捏ねてましたので」


「オイコラ、駄々を捏ねた覚えはないぞ」


捏ねる前にいいと言いましたからね。




「なら…料理は出来たりするのかい?」


「ええ、まあ人並みには」


「俺は食う専門だ」


ロウ、それは威張って言う事じゃありませんよ。


あたしの料理を美味しそうに食べてくれるのは嬉しいんですけどね。


「…よし、なら決まりだ」


ん?何やら嫌な予感が…


「あんたら、あたい達と一緒にコンテストに出て貰うよ!」


…ファッ!

Q:「エルフって草食ベジタリアンなんじゃないの?」←ロウ


A:「葉っぱや木の実だけで何百年って生きれる訳ないだろう?栄養偏ってるってレベルじゃないよ」←アプ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ