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意外な事実その2

いよいよ3回目…最後の営業です。


最初から比較すると4倍の量、加えてサーグァ様専用のスープを仕込んでますが…まあ売れちゃうでしょうね。


今回コカちゃんとナクアちゃんはアプさんの方の手伝いなので頑張って作りましょう。


それにしても商売繁盛は結構ですが結局あたし達は屋台を見回れなかったのですが…目的はロウの矢を補充する事でデストさんのお陰でそれは達成されましたけど。


「行商市は明日までやってるから、キュアとロウは明日回ってくればいい」


デストさん、あたしはそんなに判りやすいですか?


お言葉には甘えさせて頂きますけれど。


「お嬢にはバレないように気を付けな…まあ、俺は姐さんの手前聞かれたら確実に、正確に教えちまうだろうけど」


「…貴方が敵なのか味方なのかが判りません」


「少なくともロウの味方ではあるぞ」


メンバーの中で数少ない男同士ですからね…そりゃ仲良くもなりますよね。


「念のために聞きますが…間違っても薔薇とかBLとかいった物ではないですよね?」


「その腐りかけた思考は止めろ!俺は年上の女性にしか興味ねぇ!」


その言葉に嘘はないと信じますからね。


「あのキュアさん…私を10歳ぐらい成長するまで【短縮(ジャンプ)】をかけ続けてはくれないでしょうか?」


「使いませんからね?というか生物に使っても効果はありませんからね?」


実際に効果があるかどうかは知りませんが、サーグァ様から生物に使うなと厳命されてますからね。


魚醤や醤油には微生物が居るだろって?細かい事はいいんです。


理由は色々あった気がしますが教わった時は醤油を作りたい一心で頭が一杯だったので聞いていませんでした。


今度美味しい物で釣って改めて教えて貰いましょう。


そもそもデストさんはアプさんが好きな訳ですし…下手に小細工をせずありのままのアトラさんでぶつかった方がいいですよ?


振られる可能性のが高いと思いますけれど…




「これを食えるのも今日で最後か…」


「なあに、来年があるさ…第3夫人が入り浸るぐらい美味いんだし確実に出店はするだろ」


「そういやあちこちのレストランでこのスープを真似た料理が作られてるらしいぞ…やたらと濁ってる上に臭くて食えた物じゃないらしいが」


「レストランじゃ美味くてもぼったくられそうだな…やっぱり来年待ちか」


「ナクアちゃんに罵られたいだけの人生だった」


ほう、このスープを真似る所が出て来ましたか…聞きにくればいくらでも教える準備が出来ているのに。


骨のスープは血抜きとアク取りさえちゃんとすれば時間が掛かるけど美味しく作れるんですがねぇ…実際サーグァ様は入り浸っていますし。


後最後の奴は黙ってなさい。


「この世界の料理人には血を抜くって発想が出ないらしくてな…そういう作業は肉屋任せになってんだよ」


ああ、食肉に加工する方々が手間を掛けてくれてるんですね。


骨に関してはノータッチみたいですけど。


「因みに肉屋の加工技術は6年ぐらい前に俺が教えた…何処に行っても血生臭い肉ばかりで我慢出来なくてな」


「貴方の仕業だったんですか…」


でも当時14~5歳ぐらいのデストさんが何故そんな知識を?


「お袋は親父の残した肉屋をやっててな…手伝ってる間に覚えた」


家業手伝いの賜物でしたか…あたしもそういう一芸が欲しかったです。


「いやキュアには一芸あるだろ…料理上手いし」


「上手いと言っても所詮は素人の見よう見真似ですからね…レシピもネットで調べた知識しかありませんし」


「ネットの知識だけでここまで出来るのはある意味才能だぞ…」


男2人に驚かれてますが事実なんだから仕方ありません。


「いっそキュアのレシピを本にしたら売れそうじゃないか?」


「確かに売れるだろうが…この世界にコピー機はないから全部手書きになるぞ」


手書きで何百冊とか普通に嫌なんですけど…


しかもこの世界の文字は全部カタカナだから余計に面倒くさいのですが。


でも3人分の転職資金を稼がないといけませんし…悩ましい。


「ま、とりあえず今は目の前の客を捌こうぜ」


「…ですね」







夕方…何とか全部売り切りましたね。


もう出汁殻の骨しか残っていませんよ。


「はぁ…疲れた」


「こんなに忙しかったのは姐さんと旅してた時以来だぜ…」


アプさんの屋台はいつも行列が出来ていますからね…それを涼しい顔で捌くアプさんとコカちゃんは凄い。


「そっちも終わったかい?」


「片付け…手伝うね」


おお、ルイエのオーク達に持って来させた干物の山が綺麗に無くなって…


ってまたお魚はお預けになるんですか!?


「安心しな、あたい等の分の干物は確保してあるよ…あれがないと酒の味が半減しちまうからねぇ」


それを聞いて安心しました…理由がお酒なのはアレですけど。


「例の如く売り物がなくなっちまったから暫くは骨休めだ…デスト、今夜は一杯付き合いな」


「オス!付き合わせて頂きます!」


「でしたら私も!」


「ナクアもー!」


「いけませんナクアちゃん!お酒は大人になってから飲む物です!」


今夜はナクアちゃんに付いてた方が良さそうですね…


一応コカちゃんとロウにも手伝って貰いましょう。


「それはそうと…夕飯…何にする?」


「あ、それなら俺が仕込んでおいたビフー肉があるから丸パンでも買って帰るか…」


丸パンってもしかしてこの前ハンバーガーにしたあのパンでしょうか?


「あのハンバーガー用のパンって兄貴が教えたのか?」


「お、知ってたのか?食い応えのある固いパンばかりで柔らかいパンが恋しくなってなぁ…製法だけ教えたら1週間で再現してくれたぜ」


デストさんこの世界の食文化に貢献し過ぎてませんかね?


あたしも大概ですけど。


「美味しい物が増えるのは良い事です」


「サーグァ様、さっきまでラーメンをあんなに食べてたのに」


「美味しい物は別腹ですよ?」


今日なんて18杯、替え玉54玉も食べたのに…


何故そんなに食べても太らないのですか!


というか一体何処に入っているのですか!?




余談ですがデストさんの作った焼肉バーガーはあたしが以前作ったハンバーガーよりも好評でした…ぐぬぬ。


そして翌朝デストさんとアトラさんは仲良く二日酔いになってました…どんだけ飲まされたんでしょうか?


2人のお世話はコカちゃんとナクアちゃんに任せてあたしとロウは屋台巡りという名のデートに…


「今日の昼に話があるって王様が言ってたよ…外出はその後にしな」


行けませんでした…グスン。

「も……無理ッス」(沈)


「うぷ…」(沈)


「まだ6本目なのにもうギブアップかい?だらしないねぇ」(余裕)

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