95話 偽情報で広場で大混乱
ちょっと中途半端な文章で申し訳ない……(´・ω・`)
数日後、街の広場の一角に一段高くしたステージを組み立ててあり、その周りにはプレートメイルを着込んで、片手にはカイトシールドという装備の警備兵がズラリと足場の周りの守を固めている。
そしてその外周に、野次馬達でごった返している。
そこへ警備兵によって道を開けられ、カサードとシャロミーが乗っている馬車と目隠しと猿轡をされたアンノウンが入れられている檻馬車が足場の側に滑り込んでくる。
カサード達が馬車から降り、一段高いステージの上に登り、その後ろから檻馬車から出されたアンノウンが屈強な男達に連れられて登ってくる。
その光景に野次馬達が、カサード様が今から何をするのかと、ざわざわし始める。
「え~、この男は我が父である国王と、その近衛兵達に対し催眠術をかけ、この国を乗っ取ろうとした男である」
カサードが、そこまで話すと野次馬達が騒ぎ出した。
「そんな奴速く殺せ!」
「なんて奴だ! 魔術でこの国を乗っ取ろうとしやがったのか!」
カサードは騒ぎ出した民衆を黙って眺める。
すると、ジェロマンがステージに駆け上がってきて、騒ぎを収めようとする。
「静粛に! まだカサード様が話しておられる! 皆の者、静かに聞くように!」
この辺までは想定していた事なので、まだ慌てる時間ではない。
ジェロマンのおかげで罵声が止んで、話しやすい状態になったので、カサードはスピーチの続きをする
「ゲフン……だが、ボクの説得により、この男の方から亡命を求めてきた」
その瞬間、民衆はざわつき始めた。
ボクはそのまま話し続ける。
「この亡命の件はボク一人では決める事は出来ないので、国王にお伺い立てる事にしようと思っている」
これからの事を説明していると突然、民衆の中から空高く何かがジャンプして、ステージの方に向かって落ちてくる。
「そら食いついた! 戦術Hだ!」
やはりこの男、アンノウンは裏切り者と認定されたのだろうか、我が国に潜り込んでいた連中が、始末しに襲ってきたのだろう。
想定していた事態なので、カサードは落ち着いた態度で回りを警備している兵達に号令をかける。
号令を受けた兵達はサッと、カサードとアンノウンを守るような陣形を取り、襲撃者の攻撃を盾で受ける。
その瞬間、周りでカサードのスピーチを聞いていた民衆がこの突然の襲撃に対し、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
「殺すなよ! 捕獲しろ! ふぁっ?!」
先程と同じように、逃げ惑う民衆の中から飛んで出て数本の矢を放たれ、カサードの頬をかすめる。
数名だけかと思っていると、襲撃の第二波が来た。
「八方向からの襲撃だと?! どんだけ潜んでたんだよ……」
思ってたよりも、襲撃者の数が多くてカサードは若干戸惑ったが、自分も戦闘モードにして立て直そうとする。
「仕方がない、プランBを使うか」
空に向けて、弱めの爆炎魔法を放ち、上空数十メートル程の高さで爆発させる。
それを合図に、広場の周りにある屋根上から、エルフ達が顔を出し、襲撃者に対し矢を放つ。
エルフ達が放った矢には、風の魔法もかかっていて、襲撃者が避けても追尾する仕様みたいだ。
『なんて高性能な……』
そんな事を思いつつ、カサードは兵達と協力し、エルフの援護射撃で襲撃者を無力化させ、次々と捕縛していく。




