88話 獣娘に名前付けたった!
獣娘をカサードお手製のハンバーガーで満足させた日から数日後。
農協の組合長や商業ギルドのイェン氏、食料研究所の所長の3名を商工会議所にの一室に集めて、これからもっと人を呼び込む為の話し合いをしたり、騎士団の団長と警備隊の隊長と、今後の警備体制についての話し合いをしたりと、カサードは忙しい日々を送った。
「ふぅ……、つかれたぁ~あ゛っ?!」
カサードが自室のベッドに飛び込むと、いつの間にか後ろから付いて来ていた獣娘が、カサードの上に飛び乗ってきた。
「こら重い! どいてよ~!」
獣娘の下敷きになったカサードは、苦しそうに言う。
「……? ガウ♪」
獣娘は何を思ったか、カサードをギュッと抱き付いてから、コロンと転がり頭を擦り付けてきた。
「なんだよ。構って欲しいのか?」
「ゴロゴロゴロ……」
優しく話しかけると、喉を鳴らしてじゃれてくる。
その時、乱暴にドアをバァン! と開けてシャロミーが入ってきた。
突然の音でカサードは、ビクッと肩を縮こまらせる。
「貴方何してるのにゃ?! そういう事は私もして欲しいにゃ!!」
「ぬぇ!? その声はシャロミー?!
部屋に入ってきたシャロミーは、ベッドの近くまで走ってきてボクの上にダイブしてきた。
「ぐわー?! ちょ……シャロミ……苦し……んがっ……柔らか……違っ! 離れてっ……」
獣娘とシャロミーに上下からサンドされたカサードが、苦しそうだけど嬉しそうに呻く。
暫くの間、2人に挟まれもみくちゃにされたカサードだが、ようやく解放され顔を赤くし肩で息をしてた。
「ハァハァ……地獄なのか天国なのかよくわからんけど、解放されて良かった……。兎に角もうこういう事は止めてね?」
少し困り顔でカサードは二人を叱ると、シャロミーはしゅんとしているが、一方の獣娘の方はキョトンとしていた。
「……まぁ、とりあえず落ち着いたみたいだから、良しとするか……っと、こいつの名前を早くつけてやらんにゃ……」
とりあえず、カサードは2人から離れて窓際で腕を組み、獣娘の仮名前を考える事にした。
『う~ん……ブランコ……なんか違う。エヴァエルは~、舌噛みそうだから却下。ポチはいくら何でも犬すぎるから却下……呼びやすいような短い名前のほうがいいかも。えっと……ペシェ……ん、これなら咄嗟に呼ぶときも良いかも』
「よし! 今日からお前はペシェだ!」
「?!」
新しく名前を付けられたペシェは、目を大きく開いて嬉しかったのか、カサードに抱きついてきた。
「どわぁ~?! 嬉しいのは解ったから寝させて!?」
ペシェに抱きつかれたカサードは、ジタバタと足掻く。
「ペシェ、シャロミー。ボクはもう寝るから部屋から出て……っと、ペシェの寝る所はあったっけ?」
「ん……と、そう言えばそうですにゃ? では、私と同じ部屋で寝るにゃ。ペシェ、一緒に寝よっか」
シャロミーはそう言って、ペシェの手を引き部屋から出ていった。
ドアを開け、廊下を覗いて二人が居なくなったのを確認した後、カサードはAR画面を呼び出し、最近起こった事の情報の整理をする為に手を動かし、寝落ちするまで操作していた。




