79話 謎のドラゴン部隊
カサードは手の届く範囲で触って調べた結果、全身の皮膚がウロコに覆われていて、おでこには鹿のような角が一本生えていて、胸には女性特有の膨らみがあり、足はカモシカの様に筋肉隆々で関節はZ形になっていて、足首から先が蹄になっていた。
「うっわぁ……まじかよ。本当に変身しよった……っと、倒れてる女性とデッカイ鳥をを何とかしなきゃな」
変身したカサードは、まず『ミラクルケイジ』で巨大な鳥を収納して、倒れている名前も知らぬ女性をお姫様抱っこしてから、気がつく。
「あっ この人をどこへ連れて行こう……?」
カサードは、どこに運べば良いかを考えていなかった様だ。
「ん! そうだ! エリザベドの婆さんの所まで運ぶか」
そうと決まったら早速、エリザベド診療所のある場所まで移動しようと、一歩踏み出して驚愕する。
「うわぁ!?」
一歩が約10メートルと言う驚くべき歩幅で仰天するカサード。
しかも初速からトップスピードで、一瞬首がもげそうな気がしたが大丈夫だった。
「これならあっという間に到着するなぁ」
呟きながら高速で足踏みした後、ボルトもびっくりなスピードで診療所まで走っていく。
最初の曲がり角で、遠心力を使って曲がろうとしたが、直角に曲がったので、慌てて止まり壁にぶつかるのを回避。
「っぷ~……あぶねぇ~、コーナリングの取り方は把握した! いっくぞ~!」
カサードは疾風のように走り、次の瞬間には診療所の前にいた。
そして、変身した姿のまま診療所の中へ入る……が、エリザベドは避難の途中で転んだりした怪我人の対応していて、カサードガ入って来た事に気が付いていない。
「さて、この女の人をベッドに寝かせてから、対ドラゴンの対策に行かなきゃなぁ。話をして解る連中だったら良いんだけどなぁ」
そんな事を言いながら、高速で名も知らぬ女性をベッドに寝かせ、高速で診療所から出る。
「ん? 今、誰かが入ってきた様な……? 気のせいかのぅ……おや? この女子、いつの間にベッドに? 」
さすがのエリザべドも、認識する間もなかった様である。
「さて、あのドラゴン共に、この国に来て何しに来たか聞きに行くか」
外に出たカサードは、とりあえず垂直ジャンプをして、空中で留まるイメージをすると、きちんと空中で浮いた状態になった。
「おっ! 空中で静止が出来るのか。えっと、ドラゴンの群れはあっちの方角だな」
そのままドラゴンの群れまで、空中を駆けていくカサード。
一方、ドライアドの森よりも、向こう側にあるパヨティーン国のドラゴン追跡部隊
「おい! 逃げ出した実験体はあの城下街に降りていったぞ! お前達! あの街を焼き払って炙りだせ!」
「はっ! ドラゴンブレスで焼き払ってみせます!」
追跡部隊の隊長らしき人物が、部下に物騒な指示を出し、部下が従順にも了解するように答える。
どうやら、大きな鳥かそれに乗って来た女性が、パヨティーン国から何らかの理由で逃げ出したのだろう。
その追跡部隊は、5頭のドラゴンに騎乗し、エタンダール国に向かって来る途中の様だ。
「隊長! あの街から何かがこっちに向かって来てます!」
部下が追跡部隊に向かってくる物体に気づいて、指を差しながら隊長に報告する。
「なに?! むむ……向かってくる敵は1騎の様だな。総員臨戦体制を取れ!」
隊長の号令で、部下達は隊長を中心に、素早く鶴翼の陣を取る。
カサード視点に戻る。
ドラゴンの群れに向けて空を疾走していると、向こうさんは何かの陣形を取るような動きを見せる。
「お? 固まって飛んでたのが広がったぞ? どうやら人が乗っているみたいな感じだなぁ。こっちも気を付けなきゃ囲まれて殺られそう……」
カサードは相手の訓練された動きを察知、とりあえずARで『プラーナ覚醒』を展開、不測の事態に対応出来るようにした。
接敵まであと少しの距離……。
ちょっと冗長だっかかなぁ?
最後まで読んでくれてありがとうございます!




