72話 サガード共和国の使者一名ごあんなーい!
うひぃ、やっと書き上げた……('、3)_ヽ)_
カサードは財務局で纏められた仕事をこなし、一ヶ月に一度、職員を連れ立ってビストロ的なお店で親睦会をしたり。
街を散策し、人々の意見に耳を傾けて、必要な対策を施す日々を送る。
財政局が稼働して一年経ったある日。
いつもの様にカサードは、昼食をとる為に財政局の建物から外に出ると、国王の側近の者が近づいてきて、
「カサード殿下。サドーガ大公国から来ている使者が、殿下に会いたいとの事なので、謁見室に来るように仰せつかって来ました。国王様もお待ちです。ささ、お早くお願い致します」
「えぇ~? お腹空いてるのにぃ……」
側近の者に促され、カサードは愚痴を零しつつ、使者や国王が待っている謁見室に行くことにした。
「カサード殿下をお連れいたしました」
「宜しい、カサード、入って良いぞ」
先に側近の者が謁見室に入り、国王に報告。
許しを経て、カサードは謁見室の重厚なドアを開け、中に入る。
室中には一人の男が、国王が座る王座の前で跪いた状態で待機していた。
「よく来た、カサードよ」
「待たせてしまって、申し訳ありません。ところで、ボクに会いたいと言っていた方は貴方ですか?」
国王の方に跪いていた人物が、カサードの方に向き直り。
「お初にお目にかかりますカサード殿下、自分はアルチョル=ダルゴムイシスキーと申します。サドーガ共和国のミエリッキ女王陛下様が、カサード殿下にとお手紙を賜ってきました」
サドーガ共和国の使者であるアルチョル氏が、胸元から蝋で封をしてある手紙を取り出し、カサードに差し出す。
カサードはその手紙を受け取り。封を開け内容を見る。
『初めましてカサード殿下、貧しかった貴国が、豊かなる国に発展したのは、貴殿の類稀なる才能によって築きあげた物だと聞いておる。よって貴殿には、妾に会いに来ることを、切に願っておる。』
との内容だった。
要するにあんたはスゴイ! スゴイ有名人のあんたに会ってみたい! と言う事なのだろうか? 何ていうか……ミーハー?
まぁ、とりあえず内容を読んでから、アルチョルに話しかける
「解りました。女王様に、カサード殿下がサドーガ共和国を訪れる日が楽しみだ、と伝えてください」
と言伝を頼むと、アルチョルが再び胸元から何かを差し出す。
「カサード殿下、これはサガート共和国の招待状になります。王城内に入る時は、警備兵にこれを見せれば通してくれるでしょう」
ふむ、気が向いたときに訪れてみようかなぁ……と思うカサード。
「解りました。暇が出来た時にサドーガ共和国を訪れようと思ってます。そして、ボクもミエリッキ女王様に会ってみたいですからね」
ニコリと笑みを浮かべながら、サドーガ共和国の使者であるアルチョルに話しかける。
「そうですか。それでは私は役目を果たしたので、お暇致します」
踵を返し、謁見室から出ようとするアルチョル。
「アルチョルとやら、ちょっと待ってくれないか? 是非貴方に食べて欲しい物があるんだが……」
退室しようとドアに手をかけるアルチョルに、カサードが声をかける。
「父様、この者を借りていくぞ。いいですよね?」
「う……うむ。それは構わんが……」
振り向いたアルチョルの手を取り、父である国王の許しを得て謁見室から出る。
「う~む……儂の出番が無いではないか……カサードの行動力には本当に驚かされてばかりじゃ。のうバステゴット」
「はい。そうですねぇ……」
謁見室に取り残された国王とその参謀が呆れたようにこぼす。
カサードは、アルチョルを馬車に乗せて城下町へと連れて行く。
一方、アルチョルの方はカサードが、自分を何処へ連れて行くのかとハラハラしている。
「カサード様、この者をどこへご案内すればいいにゃ?」
馭者のシャロミーが、カサードに質問する。
「あぁ! とっておきの店のご案内だ!」
「はい! お客様一名ご案内にゃ!」
「うわぁ?! もう少しゆっくりたのむぅぅぅぅぅぅぅ!?」
カサード・シャロミー・アルチョルの三名を乗せた一台の馬車が、王城から城下街に向かって走っていく……。
カサードは使者をどこへ拉致った?! (; ・`д・´)
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