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異世界食道楽アドベンチャー  作者: 海鼠腸
青年期・カサード多忙編
70/137

69話 一段落付き、繁華街を散策してると……

 カサードは、忙しい中で他の事を考えていた。

 

「え~っと……そろそろ学校とかを建てて、教育面も充実させて行こうかなぁ? それか、平民が楽しめるような娯楽施設の方がいい? それとも、新しくエタンダール国軍の装備の開発とか訓練のやり方を進歩させるとか? ……う~ん、どうしよう……」


 等と色々と思案を巡らせていると。

 

「カサードたんが得意な事をすればいいと思うのでち」


 誰かと思ったら、いつの間にか部屋にいるシルフィードからの提案だった。

 

「なんだ、シルフィードか。ボクの得意なことって言っても、料理等しか無いぞ?」

「そうでち。そのお料理で、この国の人達とか来た人を楽しませることでちよ」

「ん……ということは……うん……なるほどそういう事か。シルフィードありがとう。これでまた一段と国が栄えるかもしれない」


 カサードはシルフィードからのヒントで、次に始める事業を思いついたのだった。

 

 ふと右手の籠手がどうなっているのかが気になったカサードは、籠手の構造を調べ始める。


「網目を辿……れない!? なにこれ……網目じゃなくて枝分かれになってるのか。次はこの籠手は脱着出来るかな?」


 ドライアドに付けられた籠手の構造に驚きながら、外せるかどうかを試してみることに……。

 

「ん……あれ? 根っこみたいなのが無数に……え? ちょマテいててて?! ぐぁぁ?!」

 

 外そうとすると、篭手が小さくなった来たのか、ギリギリと締め上げられてカサードが悶絶する。

 

「あっ そういえば、ドライアドしゃまからの伝言を思い出したでしゅ。「その籠手を外そうとすると呪いで手がちぎれる程締め上げちゃうじょ」とのことでしゅた」

「なんだよそれ?! 早く言えよ! ぐぁぁぁ!?」

 

 カサードは、締め上げられる右手の籠手を掴み、締め付けられる痛みに悶絶しながら、今更言うなとシルフィードに文句を言う。

 外す事を諦めて痛みに転げまわっているカサード。

 

 

 数刻後、緩んできたのか痛みが無くなり、痛みから解放され暫く(しばらく)呆然ぼうぜんと床で大の字になっていた。

 

「もうやだぁ……死ぬまで外せないのかな……?」


 やや呆け気味に呟くカサードだった。

 

 

 約二週間後、ジェロマンとステファニーに頼んでいた道具と人材を、護衛も付けたキャラバン隊を、ドライアドの森に向けてジェロマンとステファニーがを出発させた。

 

「ふぅ……一段落付いたな。あとは『村が出来きました』という報告が来てから行くかな」


 カサードは、自分の執務室に戻り、う~んと伸びをしてから机に突っ伏す。

 暫く突っ伏していると、お腹がぐぅぅ~と鳴った。


「おぉ?! 腹時計が鳴ったなぁ、そろそろお昼かな? ジェロマン、ボクは街に行って食べてくるぞ」

「おや? 今日は宮殿の食堂でお食事をなさらないのですか?」

「うん、食事のついでに、町の様子を見ようと思ってな」

「左様で御座いましたか。それでは、いってらっしゃいませ。カサード様」


 参謀のジェロマンと少し会話をした後、久しぶりに愛馬のサクラに跨り、王城の城門をくぐり、すれ違う人達を観察しながら、街の食堂を目指す。

 街で美味しそうな店がないか探していると、人混みの向こう側に、頭ひとつ飛び出してえらく目立つ黒装束の人物が見えた。

 

「ん? えらく目立つ格好だな……どんな人だろう?」


 空腹が好奇心に勝り、目立つ人物の方向にサクラと共に進んでいく。

 黒装束の人物に近づくと、その人物と目が合うが、その単眼に見覚えがあった。

 

「おおぅ?! 貴方はサルベール国の商人ギルド長、シュテーナさんじゃないですか! どうしたのです? エタンダール国の商人ギルドへ行く途中なのですか?」


意外な人物との再会に戸惑いながら、エタンダール国ギルド長であるシュテーナと会話するカサードだった。

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