55話 帰国の途へ……ふぁ?!
食事を終え、会計を済ませ、宿屋に戻ったカサード達。
「いやぁ、あの店は美味しかったなぁ~。またこっちに来た時に、またあの店に行こ~っと」
ボクは頷きながら、先程入った店の味について観想を言う。
「そうですニャァ。お魚とワインが引き立てあって旨かったのニャ!」
お酒が入っているシャロミーが赤ら顔で言う。
「そうですわね、良いチーズを使っていましたわ」
リリアーナもご満悦のようだ。
三人で眠くなるまでおしゃべりをしていて、いつの間にかベッドに転がって寝ていた。
気が付いたときは、既に日が昇っている時間だった。
「ん~~……まだちょっと頭が覚めてないけど起きるかぁ……」
ベッドから上半身を起こして伸びをする。
部屋を見渡すと、シャロミーは、薄着でボクの横で丸くなって寝ていて、リリアーナはパジャマ姿で、床に大の字になって寝ている。
「お~い、そろそろ起きて~」
カサードは寝ている二人を、揺さぶって起そうとする。
「う……ん……もう朝ですの?」
リリアーナは、素直に起きたようだ。
「うにゃぁ……もっと食べるのにゃぁ……あむあむ……」
シャロミーが、カサードの腕を甘噛みする。
「おやぁ……シャロミー、寝ぼけてボクの腕を食べないでくださいよぅ」
かさーどは慌てて、噛まれる腕をゆっくり引き抜く。
「うにゃ? 今、大好きなお魚を沢山食べてる夢を見てたのにゃ」
シャロミーが目を擦りながら、つい先程まで見ていた夢の事を言いながら起きた。
「それは良かったねぇ。でも、噛まれたのは、少しびっくりしましたよ」
苦笑いしながら、シャロミーの対応をするカサード。
「今日中にエタンダール国に戻りますよ~。シャロミー、着替え終わったらボクを呼んでくださいね」
カサードはシャロミーにそう言って、二人が着替え終わるまで部屋から出る。
「解ったにゃぁ」
まだ少し寝ぼけたような声を聞きながら、ドアを閉めて1階から外に出て、馬車の荷台を点検する。
「カサード様、リリアーナがまだ寝てるけど、荷物をまとめましたにゃ」
暫く荷台でゴソゴソと整理してると、レザー装備に着替えたシャロミーが来た。
「解った、シャロミーもまとめた荷物を、荷台に載せるの手伝ってくれないか?」
「はいにゃ」
女性物の着替え等はシャロミーが持ち、ちょっとした物をカサードが持って、1階にある馬舎に留めてある馬車の荷台に積み込む。
「ちょっとぉ~、私がまだ寝てる傍で、ゴソゴソやらないで下さるかしら……」
積み終わった所で、まだ頭が覚めてない、若干ボーっとしているリリアーナがやってくる。
「リリアーナごめんな~。それと、そろそろ出発するぞ~?」
カサードはリリアーナに、早く馬車に乗るように急かす。
「わ……解ったわよぅ」
リリアーナは、ムスッとした顔で馬車に乗り込む。
宿の敷地から出ようとしたその時、遠くで『ドォーン』という音に気が付き通りに出て周りを見渡すと、港の方角に砂煙が舞っていた。
「ん? 何かあったみたいだな。嫌な予感がするから早く街から出る事にしよう」
ぼくは慌てて馬車に乗り込み、発車させる。
ガラガラと馬車を動かし、城門近くまで来た時に、後ろに乗っていたシャロミーが叫ぶ。
「にゃ?! 何かが砂埃をたててこっちに迫ってくるニャ!」
「?! どういう事?!」
カサードは慌てて後方に目を移す。
シャロミーの言う通り何かが砂埃を立てて此方の方に迫ってくる風景だった。
「ちょっと、右に寄るぞ」
カサードは急いで馬車を右に寄せてから、降りて迫ってくる何かを確認する為、額に両手をかざす.
人々が、指を砂埃の方に指して叫ぶ姿や。その場から慌てて逃げだす所を見ながら、カサードが呟く。
「なんじゃあれは! えらいでけぇ猪だな! 皆慌てて避けてるぞ。止める奴居なさそうだな……ちょっとやってみるかな」
そう言うと、おもむろに道の真ん中に立ちはだかり、刀に手をかけ、猪を待ち構える。
(突進してくる猪と、カサードの居る場所からの目視距離は約300m。)
一週間ほど遊んでましたごめんなさい…(;゜Д゜)




