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異世界食道楽アドベンチャー  作者: 海鼠腸
~青年期・国外視察編
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45話 突然のバトル?!

 練習棟から出て、リガルディーがボクに話しかけてきた。

「キミ、凄いなぁ。初めてで、あの様な上級魔法が放てるなんて凄いよ! はははっ! で、他に見たい所は在るかね?」

 う~ん、表情豊かな先生だなぁ、と微笑みながらそんな事を考える。

 

「そうですねぇ……図書室とかあったら行って見たいですね」

「そうか、図書館か。キミは本を読むのが好きなのかい?」

「はい、本は知の集大成ですから、読んでいて自分の知識になるので、面白いのです」

 ボクはそう答える。

「そうかそうか! それは良いことだ!」

 リガルディーは満足そうに頷く。

 

「では図書館に案内しよう。そこで存分に知を吸収するのだ!」

 何か大層な事を言ってるが、気にしないでおこう……

 

 どうやら図書館は学習棟を挟んだ向こう側にあるらしい。

 中庭を横切る途中、この学院の生徒だろうか? 中庭の端っこで魔法陣だろうか? 召喚魔法の練習をしている様だ

「おっ キミ! どんな物を出すつもりなんだ? 良かったら先生が補助をしようか?」

 リガルディーに声をかけられた生徒は、驚いて詠唱を中断してしまった。

 

「おい! 詠唱を止めるな! 続けて! 続けて!」

 異変に気づいたリガルディーは、その生徒に詠唱を続けるように呼び掛けるが、生徒は完全に腰が抜けていた。そんなに驚くことでも無いと思うのだが……。

 そんな様子をボクは部外者なので、黙って見ていると魔方陣から出る光が、白い光だったが赤黒い光に変化した。

 

「くっ 遅かったか! カサード君達! 魔方陣から離れていてくれ! 何が出てくるか解らんぞ!?」

 リガルディーは切迫した口調でボク達に警告してくる。自身は魔法陣の傍の、腰の抜けた生徒を担いで離れる。

 

 魔方陣から鳥の身体で、人間の女性の顔と言う容姿のモンスターが出現した。

「まずい! ハルピュイアだ! 街に出たら大変なことになるよ!?」

 ボクはリガルディーに向かって叫び、ボクは腰に差していた刀に手をそえる。リガルディーも腰の抜けた生徒を、安全な場所に下ろし、戦闘体制を取る。

 

 ハルピュイアは周りを見ている。恐らく突然見知らぬ場所に出たので、戸惑っているのだろう。

「?!……!……キシャーーーー!!」

 そして、ボク達の存在に気づき、体を大きく見せるように羽を広げ、奇声を揚げて威嚇してきた。

 

 ボクはハルピュイアに素早く近づき、居合い切りで攻撃する。

 が、ハルピュイアは大きく羽ばたいて後方に飛び退き、居合い切りをかわす。

 ボクは右足を軸にしてクルッと一回転して、水平に刀を振る。手応えあり!

 

 ハルピュイアの足から鮮血が飛び散る、そして着地に失敗。

 再び立とうとするが、足に力が入らず、態勢を立て直すことが出来ないで足掻いている。

 

「カサードくん、よくやった! トドメは俺に任せろ!」

 リガルディーが爽やかな笑顔で、ボクに向けてサムズアップしてきた。

 ふと、リガルディーの手元を見ると、いつの間にか派手な装飾のしてあるワンドを持っていた。

 どこに隠し持っていたのだろう?

 

「キミ! そこにいると危ないぞ!」

 飛んで逃げないように、刀を振りかぶり羽を切ろうとしてると、不意に後ろから忠告される。

 何やら下から白い光が当たるので、何だ? と思い足元を見ると、範囲魔法の陣だろうか。

 魔法効果範囲内か?! ヤバイと思い、バックステップでハルピュイアから距離を取る。

 

「俺の学院で暴れるんじゃなーい! 火焔竜巻!」

 リガルディーは、無詠唱で魔法を放った。 

 

「ギェーーーーーーー!!!」

 リガルディーの火焔竜巻魔法で、ハルピュイアが断末魔の悲鳴を上げている。必死に羽ばたいて逃げようとするが、羽が燃えてしまって飛べない。

 暫く暴れていたが、そのうちに動かなくなって絶命した。

 ボクは刀を鞘に収め、見知らぬ所に突然出現させられて、挙句殺され、動かなくなったハルピュイアに向かって、成仏しろよ、という思いで合掌する。

う~ん やはり戦闘描写に詰まってしまう…('、3)_ヽ)_

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