35話 なんてこったい
皆様、お墓参りは済ませましたか? ウチは済ませました('、3)_ヽ)_
「……や。…もりや。 こりゃ! 起きぬか! 篭よ!」
誰かがボクの前世の名前を呼でいる。
「?! 何事!?」
目を開けると、目の前には久しぶりのアマテラス様が立っている。
というか浮いてる?! てか自分も浮いてる……どゆこと?。
「いやぁ、アマテラス様、お久しぶりです。今回はどうしたのですかね? っと?アマテラス様がまた出たと言う事は……また死んだのですか?!」
そんな先読みをしてボクは動揺した。
「いや待て、篭よ。今回は、おぬしがまだ気づいてない能力の『れくちゃあ』をしにきたのじゃ」
そう言ってアマテラス様が、クイッと眼鏡の位置を直す。
あ……あれ? アマテラス様って眼鏡かけてたっけ? まぁいいかと思い、気を取り直してアマテラス様の解説を聞く事にする。
「まず、おぬしも知っている通り、身体強化の方法は知っているよの?」
「あ はい、『5秒で支度しな』でしたよね?」
「そうじゃ、その他にも『えーあーる』なる物の『あぷりけーしょん』を色々と入れておいたぞ、『しすてむきどう』とおんせいにんしきに、にうりょくすれば、使えるようになるのじゃぞ」
あー、なるほど……前世のスマホと同じ使用方法なんだな。どんな機能があるんだろう? ちょっと聞いてみるかな?
「アマテラス様、そのアプリケーションには、どんな物があるのですか? 教えて頂けませんかね」
「ふむ、そうさのう……天候を見たり、遠くの敵をいち早く察知したりする物もあるのじゃ。なに、おぬしの役に立つ物しか入れておらん」
「はぁ、そうですか」
なんだか適当な説明だな……と思っていると。
「おぬし、言いたい事が在るなら言うがよいぞ。その方がすっきりするのぅ
」
アマテラス様が無表情で言ってきた。
あっ 思考駄々漏れなのね……変な事考えて申し訳ありません。
「うむ、解れば良いのじゃ。あと、おぬしが『あぷりけーしょん』をどう使うかは、おぬしの自由じゃ。……おや? そろそろ時間じゃ。また何時か会おうぞ」
視界が霧に包まれ、アマテラス様の姿も見えなくなった。
外の海鳥の鳴き声で目が覚めた。
寝たような、寝てないような、変な感じだったなぁ。
窓の外に目を向けると、日が昇ったのだろうか、明るかった。
う~ん……寝返りを打とうとするが、出来ない。どうしてだ? と思い、眠い目を開けて周囲を見ると、ボクはリリアーナの抱き枕にされていた。
肩から腕辺りにかけて、リリアーナの柔らかいものが当たってる!
「うぅん……カサードさまぁ……もっと作ってくらさいぃ~……」
「なんだ? 余程昨日のボクの作った料理が気に入ったのかなぁ? にしても、どんな夢を見てるんだろう?」
とぼそりと呟き、リリアーナのほっぺをツンツンとつつく。
首に巻き付いてるリリアーナの腕をどかして起きる。
そして、下半身にも掛かっているリリアーナの足も外し、ベットから出て、う~んと伸びをする。
「今日はどこに行こうかな? 湾岸都市だから、港にでも行ってみようかなぁ~?」
そんな事を独り言を言ってると。
「では、リリアーナも連れて行った方が良いんじゃにゃいのかにゃ?」
ん? このしゃべり方はシャロミー? ボクはドア側にあるベッドに目を向けると、ゴロリと転がり、シャロミーがボクの目を見つめる。
「なんだ? 起きてたのかシャロミー。う~ん、そうだなぁ。昨夜みたいに、わざわざ厨房借りて作るよりはいいかなぁ?」
「そうにゃ! その方がいいにゃ!」
シャロミーがガバッとベッドから起き上がり、期待に満ちた目で見上げる。
が、あえてその期待のまなざしを無視する様に背を向ける。
「ふにゃ……」
後ろからシャロミーのションボリした声が聞こえた。ボクは、ふぅ……とため息を吐き。
「シャロミー、リリアーナを起こしてくれないか? ボクは一緒に出かける準備をしてるから」
そう言いながら、チラッと後ろに居るシャロミーを見ると、シャロミーがリリアーナを起こす姿が見えた。
ボクは部屋着から外出用の衣服に着替えてから、部屋を出て馬車に最低限必要な物を積み込み、漁港や市場に行く準備をする。
「う~ん? とりあえず夢の中で言われてた機能をチェックしてみるかな? システム起動!」
すると、目の前に様々な表示が現れた。
表示にするとこうだ。
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ステータス表示 〆
フェアリー召喚
気象探査
索敵機能
フェアリーリンク
カメレオン機能
プラーナ覚醒
使い魔召喚
メタモルフォ-ゼ
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「おぉ~……本当に色々な機能があるんだなぁ……っと? メタモルフォーゼ? 何これ怖い……」




