表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界食道楽アドベンチャー  作者: 海鼠腸
~青年期・国外視察編
34/137

33話 カサードの時短クッキング

遅くなって申し訳ない…('、3)_ヽ)_

BGMは『キュー〇ー3分クッキング』をかけながら読んで頂けるとより楽しいかもしれません。

ヽ(゜∀゜)ノ

 宿屋に戻ったボク達は、二階の自分の部屋に入ろうとするが、ドアノブが回らない。

 そういえば合図をしろとリリアーナが言ってた事を思い出す。

 ドアをノックして合図を送る。暫くしてドアを開けてもらい、部屋の中へ。

 ボクの顔を見ながら、笑顔でリリアーナが話しかけてくる。

「カサード様 私のご飯はどうしまして?」とリリアーナ。

「え? えっと……ゴメン、何も買ってない……」とカサード。

 するとリリアーナが駄々をこね始める。

「ひどいですわー! ひどいですわー! 私を除け者にして美味しい食べ物を食べてきたんですわ~!」

 リリアーナが床に転がり、じたばたと駄々をこね始めた。

 その様子を見て。

「あちゃー……困ったなこれ。何か買ってくるか、作って食べさせるかしないと収まらないぞ……」

「そうですにゃ。リリアーナの駄々捏ねモード突入にゃ……」 

 と、リリアーナの様子を見ながら困るカサードとシャロミー。

「仕方ない、宿の食事時間はとっくに過ぎてるし……ボクが下の厨房で何か作ってくるよ」

 そういい残しボクは部屋を出る。

 

「ご主人、ボクの仲間がお腹を空かせているので、厨房で何か作らせてもらえないですか?」とカサード。

「ん? あぁ、ドタバタと音がしていたから、何事かと思っていたが……ナルホド。良いぞ使っても」と宿の主人。

「ありがとうございます!」と頭を下げるカサード。

 宿の主人と話しをして、一階の厨房を借りる事が出来た。

 そして、厨房に足を踏み入れる。

 とはいえ、何を作ろうか……と厨房の中を見渡す。

「んぉ? ボウヤ、ここに入ってきちゃイカンよ?」と宿の料理人

「あぁ アンタか。そこのカサードさんに厨房を貸してやってくれ」と宿の主人

「主人に頼まれりゃ~。貸さない訳にいかないなぁ……」と苦笑う宿の料理人

 明日の調理用だろうか、野菜等が入っている木箱が床に置いてあり、テーブルの上の小笊には塩や香辛料が入っている。

 かまどの鍋には、やや塩辛いスープが入っている。

「う~ん……ここにある材料だけじゃ、リリアーナが満足するような物を作れるかなぁ?」

 そんな事を呟きながら、他に何か材料が無いか探している。

 その後ろで宿の料理人が、入り口によしかかってカサードの調理の様子を見ている。

 見渡していると、オガクズが敷き詰めてある木箱に目が止まる。

 ん? なんだこれ? と思いながら。おがくずに手を突っ込んで弄ってみる、何かが手に触れた。

 触れたものを、掴んで持ち上げてみると、一個の卵だった。

「卵……卵……目玉焼き。オムレツ。卵焼き。う~ん? 他に何か無いかな?」

 少しの間、頭の中で思案を巡らせ、再び厨房を、目を皿にして見渡してみる。

 野菜等の入っている箱を弄る。そして大根を手に取る。

「これでちょっとしたサラダ作るか。サラダといえばドレッシングだなぁ……ん、自前の調味料セットでも持ってくるか。オヤジさーん、ちょっと馬車小屋行って荷物取ってくる~」とカサード

「お? おぅ、何か解らんが持ってきな~」と宿の料理人

 馬車小屋へ行き、自分の馬車に乗り込み、ゴソゴソと調味料セットを持ち出して厨房に戻る。

 この調味料セットに何が入っているかというと、白胡椒・黒胡椒・オリーブオイル・岩塩・ニンニク・ゴマ・醤油・砂糖・味噌。これは全て竹の入れ物に入っている。

「う~ん? ついでにコレも持っていくか」

 と革のバックも持っていくことにする。

 調味料セットを持って厨房に戻ってきて、他の材料を手の届く位置に配置する。

「よし 作るかっ」

 パン! と手を叩いてから調理を始める。

 

 まず、フレンチトーストを作る。

 空の鍋に先程の卵を割って、砂糖を少し入れ、かき混ぜる。そして、バゲットみたいなパンを適度な厚さに切って先程の卵液に浸ける。

 浸けてる間に見た目が大根な野菜の皮を剥き、短冊切りする。

 サラダなので他の野菜も千切りにする。

 そして、調味料セットの出番だ。ドレッシングを作る工程に移る。

 他の空いた鍋に、オリーブオイル少々とバルサミコ酢を少々、それと砂糖・醤油・胡麻(炒ってある)を入れて、木箆で混ぜ合わせる。

 ドレッシングを混ぜ合わせていると、横からゴツイ手が伸び、味見をされた。

 ドアの所に居た宿の料理人のオヤジさんがいつのまにか側に着ていた。

 たぶん料理人としての向上心がそうさせたのだろうか? チラッとオヤジさんを見ると、味見をしたオヤジさんが、目を見開いて驚いてる。

「なんだこりゃぁ?! ボウヤはコレをどこで習ったんだ!」

 料理人のオヤジさんが唐突にそんな事をして質問してきた。

 そりゃあ驚くはずだ。ドレッシングと言うのが無い時代だし……。

「えっと、それは自分で色々試行錯誤して作り出した『ドレッシング』という物です。これは。主にサラダなんかにかけて食べるのですよ」

 その様に説明してみる。

「じゃあ ワシでも作れるのか?! どうなんだ!」

 肩を掴まれ揺さぶってきた。 グワー! ヤメテー! ドレッシングがこぼれちゃう!

「大丈夫ですよー、 作り方を書いた板を渡しますから、揺さぶるのヤメテクダサイー。今作ってるのがこぼれちゃいますー! 横から見ていてください、お願いします」

「おぉ?! そうか! 教えてくれるか! あー……いや、すまんかった」

 料理人のオヤジさんは揺さぶるのを止めて、大人しく見てるようにお願いした。

 

 さて、サラダの盛り付けをしよう。

 切った野菜を木皿に適度に並べ、短冊状にした大根をジェンガの様に積み上げ。

 その上からドレッシングをかける。

 これでサラダは完成。

 次はフレンチトーストだ。

 卵液に浸けたパンを見てみる。

 十分に卵を吸った様なので、フライパンを熱し、熱した所にバターを入れる。

 そこに卵液を吸ったパンを入れ、両面を色よく焼く。

 焼きあがったパンをもう一枚の木皿に入れる。

 余った卵液を、まだ熱いフライパンで焼いてスクランブルエッグにする。

 それをフレンチトーストの横に盛り付ける。

「よし 完成っと、温かいうちにリリアーナの所に持って行かなきゃ……」

 料理を盛り付けた二枚の木皿を持って、厨房から出ようとすると。

「おいボウヤ、その料理を明日にでも教えてくれや」

 そう声を掛けられ。

「はい、喜んで!」

 とだけ返事をしてリリアーナの元へ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ